デジカメアイテム丼

ニコン「フレックスシリーズ」

一眼レフユーザー向けのカジュアル系カメラバッグ

 ラインナップの強化が続くニコンオリジナルグッズ(以下、NOGと略)のカメラバッグシリーズ。2月7日には、新たに「フレックス」シリーズが発表された。そこで、企画を担当した株式会社ニコンイメージングジャパン企画部マーケティング課のお二人、近藤貴子氏と野木陽子氏に話を伺った。

新たに投入されるフレックスシリーズ。ショルダーバッグ、スリングバッグ、トートバッグ、リュックの4製品が用意される

好調なオリジナルカメラバッグ製品

−−次々と新製品が投入されていますが、NOGカメラバッグの売れ行きはいかがですか。

 カメラバッグ製品はご存じの通り市場に数多くありますが、ユーザー数の増加に比例して「ニコンのバッグがほしい」というお客様の声もまた増えています。従来からNOGや各種コラボモデルは存在しましたが、近年より力を入れて行く方針をとりました。

 そこで新シリーズ投入と各種キャンペーンを行なった結果、既存シリーズも含めて大変好調で、「アーバンシリーズ」だけでも売り上げが3倍くらいまで伸びました。この好調さは2013年も一年通して続きました。一眼レフ関連のアクセサリーの売れ行きは好調なので、カメラバッグ製品もさらにご評価いただけるように頑張りたいですね。

アーバンシリーズのアーバンボストンバッグL

−−注意されている点などはありますか。

 まず、「ニコンらしさ」があり「品質にこだわりを持つ」ことです。多数の競合製品のなかで存在感を得るためには、しっかりした作りでなければなりません。また、デザインについてもかなり意識しています。そして、お客様からいただく声もかなり取り入れさせていただいております。またダイレクトストア「ニコンダイレクト」やお客様向けのイベント(デジタルライブ)でのアンケート結果もさまざまな点で反映させています。

 実は、昨年11月に行なったDfのデジタルライブでのアンケートも戻りが大変よく、カメラバッグに対しても多数のご意見をいただくことができました。

−−では、新たに加わるフレックスシリーズについてお聞かせください。

 エントリーユーザーにマッチするよう考えましたが、中級レベルのユーザーまでカバーできる機能性を備えています。従来の「カジュアル」シリーズの後継といいますか、リニューアル版という位置づけです。「フレックス」という名称は使い方に「柔軟性を持たせている」という意図で命名しました。さまざまな服装にも違和感なく、カメラやレンズを入れない普段使いにも対応できることを狙っていますので、お客様に使い方をいろいろ工夫していただけると思います。

 今回は「FLXショルダ―バッグ」(税別6,500円)、「FLXカメラリュック」(税別1万円)、「FLXスリングバッグ」(税別8,000円)、「FLXトートバッグ」(税別8,000円)の4種を揃えました。※いずれも希望小売価格

−−価格も比較的手頃に思えます。

 はい。価格設定についてもこだわりました。用品メーカーさんのエントリー向けカメラバッグ製品は数千円台のものが主力です。価格を下げるためには機能を減らせば対応できるかもしれません。でも、お客様に期待されている「ニコン品質」を落とすわけにはいきません。品質は落とさず価格は控えめにしたい。ここはたいへん工夫したところです。

シンプルで軽い! FLXショルダーバッグ

 ショルダーは競合製品が大変多いので、その仕様決定にはかなり悩みました。そこで、いちばん重視したのは軽くすることと大きさです。いたずらに多機能にするのではなく、必要な機能に絞り、軽量(約495g)でかつシンプルにすることを狙いました。

FLXショルダーバッグ(カーキ)
FLXショルダーバッグ(ベージュ)を肩にかけたところ

−−主な特徴をお聞かせください。

 まず、フラップの固定方法です。面ファスナーでは使用時に音がしては嫌だという声をいただいていたので、「静音ベルクロ」と呼ばれる静音タイプのものを使用しています。さらに、面を狭くできるようにしてあります。バックルも備えますので、お好みに応じてお使いいただけます。

フラップ裏側には「静音べルクロ」と呼ばれる面ファスナーを使用。
さらに、音が出にくいよう、面ファスナーを一部塞ぐこともできる。
バックルも装備する

−−収納の目安は。

 収納例としてはD5300ボディにAF-S DX 18-55mm f/3.5-5.6G VR IIを装着したものと、AF-S DX 55-300mm f/4-5.6G ED VRを収納したものをお見せしています。

 インナーケースにはD3300などのエントリークラスから、D7100などのミドルクラスボディに標準ズームを装着したものを入れていただくことを想定しました。

収納例。D7100ボディとAF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR II、AF-S NIKKOR 70-200mm f/4G ED VRを入れてみた

−−インナーケースの面ファスナーは底にありますね。

 ええ。動かしやすいことと、機材を取り出す際にインナーボックスが一緒に飛び出さないようにするためです。

インナーケースの底にある面ファスナー

−−ショルダーパッドもかなり大きめです。

 エントリークラスのボディと交換レンズでもそれなりの重さになりますので、しっかりしたものが必要と思い、専用のものを採用しました。取り外しも可能です。また、ハンドルも設けました。

取り外し可能な専用ショルダーパッド
ハンドルも備えている

−−カラーバリエーションもありますが、ワンポイントの色が控えめですね。

 とにかく「シンプル」にすることを狙いましたので、ワンポイントは控えめにしています。ブラックのほかにカーキとベージュにしたのは、万が一汚れても目立たず、しかもさまざまな服装に合わせやすい色にしたかったからです。現在の流行を見ていても、ベージュとカーキはベーシックな色として流行しているようです。

 また、旧来のカジュアルシリーズのユーザーの場合、年齢層は想定していたよりも高めでした。そこで、さまざまな年齢層の方に手にとっていただけるよう、オーソドックスな色を選んでいます。

控えめなNikonロゴとワンポイント

トレンドを取り入れたFLXスリングバッグ

−−次に、FLXスリングバッグについてお聞きします。

 FLXスリングバッグは若い方にも手にとっていただけるよう、流行のボディバッグのスタイルを採用しました。

FLXスリングバッグ(オレンジ×ブラウン)
FLXスリングバッグをかけたところ。左右どちらの肩でもかけやすいようになっている

−−特徴を挙げてください。

 両端の線ファスナーを開けてマチを広げると収納量を増やすことが可能になるところですね。インナーバッグを外すと奥行きを細めることもできますし、内部には奥行きを調整できるベルトも設けてあります。

 収納例としてはD3300ボディにAF-S DX 18-55mm f/3.5-5.6G VR IIを装着したものと、AF-S DX VR 55-200mm f/4-5.6G ED IF-EDを入れたものを例示しています。また、インナーバッグも中仕切りを2つ入れてありますので、お好みに合わせてお使いください。

D7100ボディにAF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR IIを装着したものと、AF-S DX NIKKOR 18-300mm f/3.5-5.6G ED VRを収納してみた
左右の線ファスナーを開いてマチを広げることができる
奥行きを調整できるベルトが底にある

−−スマートフォンなどが入るポケットが左右にありますね。

 バッグをかけたまま前に回したときに使いやすいように考えました。左右どちらの肩にかけてもお使いいただけます。このポケットには蓋もあります。また、ショルダーパッドが取り外し式なのも、左右どちら向きでも使いやすくするためです。

スマートフォンなど(収納例はiPod touch第4世代)を収納できるポケットは左右に設けられている。蓋をすることもできる
取り外し式のショルダーパッド

−−前面のポケットはわりと大きめです。

 はい。クッションも入れてあり、液晶サイズが7インチクラスのタブレット(以下、7インチクラスのタブレット)を考慮しています。

7インチクラスのタブレットを収納できる前面ポケット

−−その他にも工夫があるようです。

 線ファスナーのスライダーの引き手にはシリコン素材の滑り止めをつけました。細かい溝が刻んであり滑りにくいようになっています。現在の流行を反映させました。

 また、バッグ本体に接する部分のストラップが細いのも、デザイン性とバッグを体の前後に動かす際の稼動域を増やす工夫です。

線ファスナーのスライダー部分の引き手にはシリコン素材の滑り止めを採用。最近の流行なのだという
正面向かって右側のストラップ取りつけ部はバッグをかけたまま動かしやすいように狭くしてある

70-200mm f/2.8も収納できるFLXトートバッグ

−−トートバッグはNOGカメラバッグでも久しぶりの新製品です。

 そうですね。カジュアルシリーズでもトートバッグは人気がありましたので、フレックスシリーズでも引き続きご用意することにしました。

FLXトートバッグ
FLXトートバッグを提げたところ

−−特徴を教えてください。

 まず、約580gと軽くて持ちやすいこと。収納例ではD610ボディにAF-S 28-300mm f/3.5-5.6G ED VRを装着したものと、AF-S VR Micro 105mm f/2.8G IF-EDとしていますが、インナーバッグの蓋を開ければ、AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR II単体も収納できる大容量のものです。

D600ボディにAF-S NIKKOR 28-300mm f/3.5-5.6G ED VRを装着したものと、AF-S NIKKOR 70-200mm f/4G ED VRを収納してみた
インナーケースには蓋がついている

−−ストラップの根元にD環があります。

 2ウェイでお使いいただけるように、通常のストラップ(ハンドル)以外に、ショルダー用のストラップで使うものです。

D環と付属ストラップ

−−こちらにも7インチクラスのタブレットが収納できますね。

 はい、前面の縦の線ファスナーの部分に収納できます。

iPad miniなどの7インチクラスのタブレットを収納可能

−−工夫を凝らしたところはありますか。

 たくさんの機材をつめることができるバックなので、肩へのフィット感に対しては工夫しました。当たりが痛くないよう絞ってありますので、細く見えるかもしれませんが、持ちやすくなっています。また、左右の角の部分が三角形をしているのも、擦れにくくするためです。

ストラップの形状に工夫がある

トレッキングにも使えるFLXリュック

−−では、リュックについて。

 リュックが一番苦心したといえるかもしれません。かたちは一見普通に見えますが、独自性を持たせようと心がけました。上下二気室にしてあるほか、下段は背面開きにして機材の出し入れがスムーズにできるようにしてあります。

 さまざまな用途にお使いいただけますが、まずはカメラバッグとして使いやすいように開口部を広くしました。シティユースだけではなく、トレッキングにもお使いいただけます。

 収納例としては、D7100ボディにAF-S DX 16-85mm f/3.5-5.6G ED VR 付を装着したものと、AF-S VR Micro 105mm f/2.8G IF-EDを入れた例をお見せしています。

FLXリュック
FLXリュックを提げたところ
下段収納室は背面開き。こちらにもD600ボディにAF-S NIKKOR 28-300mm f/3.5-5.6G ED VRを装着したものと、AF-S NIKKOR 70-200mm f/4G ED VRを収納してみた
上段収納室にはスピードライトSB-800ほかB6サイズノート、メモリーカードケース、ステレオマイクロホン ME-1などを入れてみた

−−左右側面のポケットも大きいですね。

 はい。ここにはペットボトルや折りたたみ傘を入れられるようにしています。

左右には折り畳み傘やペットボトルを収納できるポケットが設けられている

 また、前面ポケットにはクッションが入れてあるので、液晶サイズが10インチクラスのタブレットを収納できます。

前面ポケットには10インチクラスのタブレットが収納可能

−−底の部分のストラップがあります。

 ここには小型三脚や一脚を通すことができます。

三脚などを通すことができるストラップ

−−底にラバーソールもありますね。

 約8mmの厚めのものを設けました。湿った場所に置くことができるようにしてあります。レインカバーは付属しませんが、別売のスマートカメラリュック用レインカバー(税別1,500円)をお使いいただくことも可能です。

底にはラバーソールを用意

−−工夫されたところはありますか。

 この製品に関しても軽くすることですね。重量は約835gですが、持っていただくと軽く感じると思います。さらに、背面パッドや厚手のショルダーハーネスを設けて、重みを感じにくくする工夫もしています。

背面パッドと厚手のショルダーハーネス

−−FLXシリーズはどれもシンプルなデザインですね。

 そこもこだわったところです。ニコンロゴも控えめに入れてあります。

控えめなNikonロゴ

人気のバッグを小型軽量化

−−そして、シューティングマスターショルダーバッグにMサイズも登場しました。

 シューティングマスターショルダーバッグLはたいへんご好評をいただきましたが、もう少し小さく軽いものもほしいという声にお応えしました。

 基本的にはLサイズの小型版ですが、軽くできる部分は軽くし、そのうえで「ニコン品質」を落とさない工夫を凝らしました。その結果、約2.6kgから約1.8kgにすることができました。カジュアルシリーズ以外の中型カメラバッグの中では、いちばん軽いバッグに仕上がっています。

シューティングマスターショルダーバッグM

−−収納例を拝見すると、小型化したとはいえ本格的な撮影機材を収納できるようですね。

 そうですね。D800ボディにAF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G EDを装着したもの、AF-S VR Micro 105mm f/2.8G IF-ED、スピードライトSB-910、10インチクラスのタブレットを収納例としてお見せしています。

 LサイズのようにD4にAF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR IIを装着したまま収納することはできませんが、レンズ単体でしたらAF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR IIを入れることも可能です。

 持ち運びをより重視していいますが、止水ファスナーの採用やレインカバーなどの仕様は変わりません。

普段使いにも使える「ニコン品質」のバッグに

 「軽くてカメラを入れないときにも使いやすいバッグ」をめざしたというフレックスシリーズの意図はたいへん興味深い。本文中にもあるように、カメラバッグに関しては競合製品は多数ある。だが、新シリーズのカメラバッグにも、ニコンらしいさまざまな工夫があることはおわかりいただけたのではないか。

 カメラバッグは服装や用途によって選択肢は変わるものだ。ぜひ、読者のみなさんのカメラバッグ選びの参考にしていただければと思う。

CP+2014では今回のフレックスシリーズ新製品のほか、参考出品として、レザーのショルダーと迷彩色のスリングバッグおよびトートバッグも展示されていた

(制作協力:株式会社ニコンイメージングジャパン)

秋山薫

(あきやま かおる)1973年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科修士課程修了。月刊カメラ誌編集部員、季刊カメラ誌編集長を経験。編集者・写真家として活動中。現在は私鉄沿線情報誌編集部に勤務。Kindle電子書籍「ぼろフォト解決シリーズ」の執筆・編集も行っている。