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VANGUARD「Quovio 41」

〜“ザクッ”と入れて“バッ”と移動できるカメラバッグ

Quovio 41。発売は9月18日。価格は4万4,700円。

 VANGUARD(バンガード)ブランドから新たに発売されるカメラバッグ「Quovio」(クオヴィオ)シリーズは、これまでの同社製品が持つシティユースなイメージから、さらにアクティブなシーンでの使用へと広げたデザインとなった。

 今回はそのうち、シリーズ中では大きめなショルダータイプになる「Quovio 41」のインプレッションをお送りしたい。


“セミハード”ともいえるしっかりした構造

 Quovio 41の基本的なバッグとしてのスタイルは“箱型”の部類となる。限られたバッグの大きさのなかで、最大限の内容量を確保するという考え方だ。それは外観の印象にも大きく現れており、いわゆる一般的なカメラバッグとは少し趣きが異なる。

 バッグの「かたち」は横長で、バッグ全体にしっかりとした剛性がありセミハードともいえるほどの剛性だ。バッグの角の部分も硬く、長く使用しても簡単には型崩れしなさそうだ。


蓋が大きく開きアクセス性が高い

 蓋の開け方も一般的なカメラバッグとは少し異なる。多くのカメラバッグは、まず上面の開口部が手前側からバッグの向こう側に開く“ハッチ型”であることが多い。これは地面等に置いたカメラバッグに正対したカメラマンが、ハッチ状の蓋を開くことでバッグ内をひとめで確認できるようにとの考えからだ。

 しかしQuovio 41では上面の蓋が“フラップ状”に横に開く方式を採用している。実はこのフラップ型を採用したことにこそ、Quovio 41がアクティブなシーンでの使用を想定されたものであることがわかる。

上面の蓋の開閉には大きなハンドルを引っ張ることで楽に開閉が可能。開け閉めはとてもしやすい。蓋の先端部にはマジックテープもあり、仮止め効果も高い。

 カメラバッグの中は“バケツ状”となっている。内寸は約410×260×250mmと非常に広く仕切りを全て取り外せば、ものによってはスタジオ用大型ストロボのジェネレーターとストロボヘッド1、2灯くらいは入りそうだ。

中仕きりをすべて取り外したところ。底部のオレンジ色はバッグのなかでも黒い機材がよく見えるようにとの配慮。 可動式の中仕切りを取り付けた一例。ただ両端の壁面はナイロン素材なのでマジックテープがくっつかず、仕切りを固定できないのが残念。
バッテリーグリップを装着したEOS 5D Mark IIIに標準ズームレンズを装着、70-200mm F2.8ズームを含めたレンズ4本収納。 バッテリーグリップを装着したEOS 5D Mark IIIに70-200mm F2.8ズームを装着したまま収納。ほかにズームレンズ2本収納。望遠ズームと内壁の隙間は付属のクッションで埋めている。

 実は一般的なハッチ式上蓋のカメラバッグでは、バッグを肩がけしたままでのレンズの取り出しや交換には向かない。蓋が自身の体の側に開くことで邪魔となり、実際にはバッグ内を見る事ができないままでの手探りでの作業となってしまうことが多いからだ。一方、蓋が横に開くフラップタイプならば、バッグを肩にかけたままでも蓋を全開してバッグ内を確認しながら作業が可能。これによりカメラバッグを地面に置く間もないような、動きながらの撮影などでも安全確実に進める事ができるというわけだ。

肩から提げたところ。

三脚は2通りの装着が可能。ポケットも充実

 ご覧のようにQuovio 41のレイアウトはシンプルであるだけに自由度が高い。特にバッテリーグリップを装着したカメラに望遠ズームレンズを装着したままで収納できるバッグは多くなく、時間に追われるような忙しい撮影で“撮ってそのまま移動!”というようなシーンではとても便利かつ安全に機材を持ち運ぶことができる。

 また内部の角部も良くあるような斜めカットにはなっていないので、レイアウトをうまく小分けにすれば隅まで無駄無く機材を収納することができる。さらにバッグの深さもあるので、うまく機材を保護することさえできれば積み重ねによる収納方法を選択することも可能だ。

バッグ内壁部にはパソコン収納スロットもある。ただし14型までなので、私が使用している15型MacBook Proは入らない。iPadなら余裕で入る。 15型MacBook Proでも収納スロットを使わなければバッグにぴったり入る。もちろん周囲はクッションで囲われているので保護の点も問題なし。
付属の可動式仕切りとクッション。クッションの裏側にもマジックテープが用意されている。ただ、小分けレイアウトを行なうには、もう数点仕切り板が付属していると嬉しい。
蓋裏面には書類やフィルター類を入れられるポケットが2つ。1つはシースルーなので何を入れているのかが一目でわかる。

 Quovio 41は、外まわりにも収納部や三脚の取り付けベルトなどが多く用意されている。三脚はバッグ上面と前面にそれぞれ固定できるようになっており、その時の機材バランスや持ち運び方にあわせて好きな方法で固定することができる。また別売の「ICSハーネス」をQuovio 41のD環に装着することでQuovio 41を背負うことも可能となる。

バッグの上面に三脚を固定。固定用ベルトはバッグの蓋上面にあるポケットのなかに用意されている。
バッグ前面に三脚を固定。固定ベルトは伸縮自在。リリースはバックル式なのでとっさの取り外しでも問題ない印象だった。
バッグ側面には大型ポケットがある。なんでもザクザク入れられそう。
バッグ前面にあるキーホルダー。フックでの取り外しも可。 バッグ前面のポケット。見た目以上に広いので小物類だけでなくケーブルスイッチなども入る。
バッグ上面にはIDカードスロットがある。名刺などを入れておくとよいだろう。ちなみに私はご覧のような顔写真付きIDカードをいつも入れている。結構目立つので防犯面でもオススメ。 付属のレインカバーを装着したところ。ショルダーストラップを取り付けるD環もカバーから出せるので雨中での行動でも制限は少ない。
背面のポケットは底のジッパーを開くことで、トロリーキャリアに取り付ける為のスリーブとなる。
付属のショルダーストラップには厚手の肩当てが付属。適度な曲面で肩の形状にも馴染む。
付属アクセサリーポーチ2点。PCケーブルなどをまとめるのに便利。
メディアケースが付属。CF×4枚、SDメモリーカード×3枚を収納できる。

まとめ

 Quovio 41は、業務用ビデオカメラの持ち運びも考慮してレイアウトされたバッグとのことだ。ビデオジャーナリストなどが使用するビデオカメラは一般的な家庭用ビデオカメラよりも大型となることからも、このような横長のバッグレイアウトになったものと思われる。

 今回はビデオカメラの収納は試してはいないが、Quovio 41の広い蓋を開けて、ザクッと機材を取り出せるのはスチル機材での使用でも非常に扱いやすかった。常に持ち歩くサイズとしては少し大きいバッグではあるが、プロユースに近い環境においては様々な活用法がありそうだ。

 また、うまくパッキングできれば、機材とともに1泊分の着替えなども一緒に持ち運べる。とにかくシンプルなだけに、プロユースに限らずアイデア次第でいろいろな使い方ができそうなカメラバッグといえるだろう。






礒村浩一
(いそむらこういち)1967年福岡県生まれ。東京写真専門学校卒。広告プロダクションを経たのちに独立。人物から商品、建築、舞台など幅広く撮影。近年は自然と人の営みをテーマに作品展/セミナー/ワークショップを各地にて開催。Webサイトはisopy.jp Twitter ID:k_isopy

2012/9/14 12:26