JOBY「ゴリラポッド マグネティック」

磁石で張り付くミニ三脚

GR DIGITAL IIIを装着したゴリラポッド マグネティック

 ケンコーが発売した米JOBYの「ゴリラポッド マグネティック」は、もはやお馴染みとなった多関節ミニ三脚「ゴリラポッド」の脚部に磁石を備えたモデル。これまでの「置く」、「巻き付ける」のほかに「くっつける」ことが可能になった。実勢価格は2,980円前後。

 サイズや耐荷重はオリジナルの「ゴリラポッド」と同等で、高さ約15cm、耐荷重は325g。雲台部はロック機構つきのクイックシューを採用している。本体重量は74gと、オリジナルのゴリラポッドの45gから重くなった。

 足先の赤い部分に磁石が備わっており、磁力で金属面に固定できる。平らな部分を設置面にくっつけるようにすると確実だ。


足先の赤い部分に磁石を備える関節の使い勝手は通常のゴリラポッドと同じ

 クイックシューは、「JOBY」ロゴの部分が取り外しボタンになっている。カメラを取り付けると「カチッ」という音とともに内部のツメで固定され、リングを回すとロック機構によって取り外しボタンを押せなくなる仕組み。シュープレートはコインネジを採用しており、取り付けには硬貨を用いた。

 シュープレートはサイズ相応の小型なもので、装着したまま通常の手持ち撮影を行なっても気にならない。必要時のみゴリラポッドの脚部を利用できるため便利だ。

シュープレートを装着したところ取り付けはクイックシュー式。JOBYのロゴ部が取り外しボタン
鍵のマークの部分のリングで取り外しボタンをロックする

 磁石の張り付く場所さえあれば、高さや足場の制約を受けずに設置できるのがこの製品の何よりのポイントだろう。設置も撤去もワンタッチで素早く行なえる。

 屋外使用には安定感などの不安があったものの、実際には風が強くなければ問題なく撮影できる印象だった。それでも不安定な姿勢ではゴリラポッドの揺れが収まるのに多少時間を要するため、2秒セルフタイマーの使用時はシャッターボタンを押してからなるべくカメラを揺らさないように手を離すなどの工夫が効果的だ。

柱の側面に張り付きつつ横位置で撮影できる金属製のドアに張り付けたところ
工夫次第で植物や人物に設置することもできる

 また、磁石を備える以外はオリジナルのゴリラポッドとほぼ同様のため、棒状のものに巻き付けたり、平坦でない面に設置するといったことも可能だ。ブレ防止以外の使い方としては、人間の肩や首に取り付けることもできた。Web配信などが好きな向きには新たな可能性をもたらすアイテムとなるかもしれない。

 例えば、筆者はエレキギターのヘッド部分に巻き付けて手元を撮影してみた。静止画では驚きが少ないものの、動画を撮影した時のインパクトは大きい。ミュージックビデオで時折見かける演出のように、ギタリストの手元を捉えつつ背景だけが動き回る独特の映像になるのだ。

エレキギターのヘッド部分にサイバーショットDSC-TX1を装着取り付けたカメラで実際にセルフタイマー撮影した画像

 

 

 耐荷重の範囲内であれば、磁石の力でカメラを天井に取り付けることもできる。なお、アクロバティックな設置や撮影はあくまで自己責任で行なうようお願いしたい。

 磁石を備えてもなお軽量で、バッグに入れてもかさばらない。気軽に持ち歩いて撮影の幅を広げるアイテムとして、より懐が深くなった印象だ。今後も楽しいゴリラポッドファミリーの登場に期待したい。

【2010年6月29日】動画を追加しました。


 ケンコーのご厚意により、撮影に使用した「ゴリラポッド マグネティック」を2名様にプレゼントします。下記の応募フォームに必要事項を記入のうえ、奮ってご応募ください。

[応募締切] 2010年7月5日0時
[当選発表] 発送をもって代えさせていただきます

応募はこちらのフォームから



(本誌:鈴木誠)

2010/6/28 00:00