エツミ「デジタル一眼レフカメラレインカバーM」

〜豪雨にも耐えた頼れる防水アイテム

 筆者は30年近く、趣味でモータースポーツの撮影をしてきた。昨年からスタートしたCar Watchでは、今年は鈴鹿サーキット、富士スピードウェイ、ツインリンクもてぎと既に7戦を撮影し、すっかり定期仕事になっている。

 屋外のイベントなので、雨に降られることもある。今までは、雨が降るとタオルを掛けて撮影していたが、5月に行なわれたフォーミュラー・ニッポン第2戦(鈴鹿)の予選は、カメラが壊れるほどの豪雨だった。タオルを2回絞れるほどの雨量で、雨が侵入したと思われるEOS 40Dの液晶モニターはインターレースのイメージ図のような縞模様の表示になってしまった。

 自然乾燥で翌朝には一見普通に見えるようになった液晶モニターだが、斜めから見るとムラが見える。2週間後にはツインリンクもてぎでレースがあり、直前の天気予報は雨。さらに症状が悪化してはかなわないと、あわてて購入したのがエツミの「デジタル一眼レフカメラ用レインカバーM」(M-7096、6,090円)だった。

鈴鹿のヘアピン立ち上がり。この豪雨にEOS 40Dは絶えられなかった
雨の侵入により液晶モニターの左側は縦に線が入ってしまった。正面から見るとわからない右端にもムラが見える

 筆者が購入したMサイズを含めて3つのサイズがあり、レンズの長さによって、S(標準〜望遠ズーム用、約20cm)、M(望遠レンズ用、約35cm)、L(超望遠レンズ用、56cm)が用意されている。EF 300mm F4にはちょうどいいサイズだ。デジタル一眼レフカメラ用と謳っているのは、カメラ本体の後方が透明になっていて、液晶モニターを視認できる構造になっているからだろう。

 使用方法はレンズ先端部を紐で固定、レンズ中間部は収縮式のベルトをマジックテープで固定。ファインダーのアイカップを外し、透明部分の穴にファインダー部分を通し、アイカップを元に戻して固定する。撮影時はファインダーは普段通り見ることができ、ファインダーから長時間目を離す場合は、上部のフラップを下げておくことで、雨の侵入を防ぐことができる。折りたたむとコンパクトになるので、カメラバッグの隙間に入れておけば、いざというときに安心だ。

デジタル一眼レフカメラレインカバーM折りたたむとコンパクトに。matinは韓国の製造元のロゴ
横からみたところ。実際のレース撮影では三脚は使用しなかった背面。透明窓からモニターなどが確認できる
先端部分は紐で固定、中間部は収縮式のベルトをマジックテープで固定実戦での使用例

 透明窓を通した液晶モニターの視認性は、メニュー画面などは問題ないものの、撮影した画像を仔細に見ようとすると、少々見にくい。背面のボタンやダイヤルは透明窓から見えるが、上部にあるモードダイヤルやシャッターボタン回りのボタン類は手探りでの操作となるので、ある程度操作に慣れたカメラでないと、撮影時にまごつきそうだ。

ファインダーのアイカップを外し、透明部分の穴とファインダー部分を合わせるアイカップを元に戻して固定する
液晶モニターの見え具合はこんな感じ。文字は読めるが、雨の中では撮影した画像は見辛い上部のフラップを下げておけば、雨の侵入を防ぐことができる

 ツインリンクもてぎでで行なわれたフォーミュラー・ニッポンは、天気予報通り雨となったが、レース中にレインタイヤとスリックタイヤを交換する程度の微妙な雨でレインカバーを使用することはなかった。その後、デジタル一眼レフカメラレインカバーが活躍したのは、6月に行なわれたフォーミュラー・ニッポン第4戦(富士)の決勝だ。

 決勝レースは、セーフティーカー先導でスタートするほど豪雨の中で始まった。雨量は鈴鹿の時と同じくらいだったが、レインカバーの効果は絶大だった。もう1台のEOSを使用する間、一脚を取り付けたままガードレールに立て掛けておいたりしたが、2時間弱のレース中、水が侵入することもなく無事撮影を終えることができた。ただしこの結果はあくまでも筆者が使用したときのもので、どんな状況でも絶対に水の浸入がないとは保証できないのでご了承いただきたい。

 使用時に少々気になったのは、透明部分がやや堅めで、親指の収まりがイマイチに感じる点。筆者は2台のEOSで撮影したが、1台の一眼レフでレンズ交換をしようと思うと少々ハンドリングが悪く、機動性がスポイルされそうだ。

 梅雨が明けたが、最近はゲリラ豪雨も多い。運動会は雨で中止になるが、スポーツイベントの様に、天候に関係なく開催されるものを撮ることもあるだろう。防水性能の高い、プロ向け一眼レフカメラなら大丈夫かもしれないが、簡易防滴程度の機種を使用されている方は、カメラバッグに忍ばせておくと、いざというときに役立つだろう。

親指部分がやや狭い感じ水を落とすとこんな感じではじく
富士の最終コーナー手前。この豪雨でもレインカバーのお陰で浸水なし


2009/7/27 00:00