デジカメドレスアップ主義

クアトロにかけたケース2つの本気っぷり

SIGMA dp2 Quattro

 2014年に発売されたカメラの中で、シグマdp Quattro(クアトロ)シリーズはもっとも過激なデザインと言って差し支えないだろう。レンズ一体型カメラは小型軽量を目指すのが一般的だが、並み居るミラーレス機よりも大きく、なおかつ未曾有のボディデザインで我々の前にあらわれた。あのときの衝撃はいまだ記憶に新らしい。

 そのdp Quattroシリーズ向けに、リコイルとユリシーズからほぼ同時期に専用レザーケースが登場した。異端児dp Quattroに相応しく、どちらもこだわりに満ちたケースである。

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リコイル

 まず、リコイル製から見ていこう。dp Quattro H.D.L/ハイグリップタイプケースは、リコイルのオーナー兼デザイナーであるレザーアーティストDai氏が、自らひとつずつ手がけた製品だ。そのディテールへのこだわりは、ひと目見ただけで十分に伝わってくるだろう。本ケースは既存のリコイル製品とは別ラインの、Dai crafts collectionのひとつである。「工芸品」という位置づけで様々な意匠を凝らしたレザーケースだ。

  • カメラ:シグマ dp2 Quattro
  • ケース:リコイル Dai crafts collection dp Quattro H.D.L/ハイグリップタイプケース
  • ストラップ:リコイル Combat style / Padded shoulder strap(ブラック×ブラウン)

 スモールポーチ、ブローギング(穴飾り)、レースアップ、そしてクロスステッチ。既存のカメラケースにはない要素がこれでもかと並ぶ。取り付けは真鍮ネジを用いるが、底部にネジが組み込まれ、指でまわして三脚穴に固定する。コインなどを必要としない上、この所作が撮影前の儀式のようで、ほどよく気持ちを高めてくれる。

Dai crafts collectionのH.D.L/ハイグリップタイプケースは、リコイルにて6万4,800円だ
ヘビーウエイトレザーにアンティークカラーを施す。やや赤みがあり、サンバーストのような見え方だ
底部に厚みがあり、ハイグリップ仕様になっている。グリップ部はパンチングでホールド感を向上
側面は丸革紐のレースアップ(編み上げ)を施した。デザイン上の大きなポイントだ
スモールポーチは着脱式。装着した状態でもホールド感はわるくない。ハンドストラップ用のDリングが付属する
フロント面のブローギング(穴飾り)が目を惹く。カントリーブーツがデザインモチーフだという
特注の真鍮ネジを底部に封入している。なお、ケース側に三脚穴はない

 ストラップはリコイルのパッテッドショルダーストラップを組み合わせた。本製品は「ホールド感抜群のグリップスタイル」で試作品を紹介したことがあるが、晴れて製品化され、現在はカラーバリエーションまで用意されている。低反発クッションを封入した重機材にも対応するストラップだ。

リコイルのパッテッドショルダーストラップは3万4,560円。カラバリもラインアップしている
低反発クッションをホーウィン社の高級レザー、クロームエクセルで覆っている
ストラップには着脱式ポーチやDリングを装備し、コンバットスタイルの名に相応しい姿だ

ユリシーズ

 次にユリシーズ製のケースを見ていこう。同社はカメラケースのことをボディスーツと呼んでおり、カメラ全体を包み込むデザインを特徴としてきた。レザーでボディを守るという実直なコンセプトだ。

 しかしながら、最近は軍艦部にダイヤルやボタンを満載した機種が増え、ボディスーツとは言えハーフケースの延長線にあるようなケースが見受けられた。その点今回のdp Quattroボディスーツは、正真正銘ボディスーツである。上から下まで、前から後まで、丸ごとレザーで包み込んでいる。GR DIGITALやNEX-5用のボディスーツを愛用していた人なら、感涙モノの仕様だろう。dp Quattroシリーズはグリップまわりが複雑な曲線で構成されているが、ユリシーズのボディスーツはその形状にぴったりと寄り添う。このフィット感はユリシーズだからこそなし得る境地と言えるだろう。

  • カメラ:シグマ dp2 Quattro
  • フード:シグマ LH4-01
  • ファインダー:シグマ VF-41
  • ケース:ユリシーズ DP Quattro Body Suit(チョコレート)
  • ストラップ:ユリシーズ リストストラップ アルチェーレ(チョコレート)
  • ストラップ:ユリシーズ レザーストラップ クラシコ・グランデ(チョコレート)
  • ボトムグリップ:ルミエール Bottom grip T

 ストラップは同社のリストストラップ、アルチェーレを選んだ。dp Quattroシリーズはレンズ一体型デジタルカメラとして大型なので、ホールド感の良いストラップを選びたいところだ。また、片手持ちでは不安定なので、ルミエールのボトムグリップTで両手持ちでのホールド性向上を狙ってみた。これらを組み合わせた姿はスタイル面でもよく調和しており、dp Quattroのアグレッシブな姿勢をうまく強調してくれるだろう。

シンプルに携行したいなら、クラシコ・グランデのようなシンプルなストラップもよく似合う
ユリシーズのdp Quattroボディスーツは1万8,360円。チョコレートの他、ブラック、ネイビーをラインアップする
ケースがジャストフィットしていることは、外観を見ただけでも伝わってくるだろう
背面も可能な限りレザーで覆っている。これこそがボディスーツの由縁である
ルミエールのボトムグリップTは3,800円。TはTiny(タイニー)の略だ
底部は開閉式で、バッテリーにイージーアクセスできる。三脚穴も搭載している
上部と側面のボタンでケースを固定する。側面のボタンを外すとメモリカードにアクセスできる
ユリシーズのリストストラップアルチェーレは7,560円。ブラックとチョコレートの2色展開だ
ユリシーズのクラシコ・グランデは9,720円。デザイン変更したリニューアルバージョンだ

澤村徹

(さわむらてつ)1968年生まれ。法政大学経済学部卒業。ライター、写真家。デジカメドレスアップ、オールドレンズ撮影など、こだわり派向けのカメラホビーを提唱する。2008年より写真家活動を開始し、デジタル赤外線撮影による作品を発表。玄光社「オールドレンズ・ライフ」シリーズをはじめ、オールドレンズ関連書籍を多数執筆。http://metalmickey.jp