デジカメドレスアップ主義:定番化するヘリコイド付きアダプター

FUJIFILM X-Pro1 + Summicron 35mm F2 RF
Reported by澤村徹

  • ボディ:FUJIFILM X-Pro1
  • レンズ:ライツ ズミクロン 35mm F2 RF
  • マウントアダプター:ホークスファクトリー Xマウント補助ヘリコイド付Mアダプタ(デジタルホビー)
  • レンズフード:ライツ 12585H
  • ストラップ:Grok Leather PIWカメラストラップ ダブルバックル
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 ホークスファクトリーからNEX用ヘリコイド付きライカMマウントアダプターが登場したときの衝撃は、いまだ記憶に新しい。マウントアダプターにヘリコイドを組み込み、ライカMレンズで接写を実現したこの製品は、現在では定番的な付加機能付きマウントアダプターといえるだろう。他社からも同タイプの製品が登場しはじめたが、ホークスファクトリー製は一日の長があり、細部の改良が着々と進んでいる。今回はFUJIFILM X-Pro1用ヘリコイド付きマウントアダプターを例に、その進化の様子を紹介しよう。

 まず、ヘリコイド付きマウントアダプターについて、簡単におさらいしておこう。これはノンレフレックス機用マウントアダプターの厚みを活かし、アダプターにヘリコイドが組み込まれている。レンズを最短撮影距離にセットしてアダプター側のヘリコイドをせり出していくと、レンズ本来の最短撮影距離よりも短い距離で接写が可能だ。ライカM/Lレンズは最短撮影距離が75〜100cmと長いものが多いため、寄りたくても寄り切れないというストレスがある。ヘリコイド付きマウントアダプターを使うと、こうしたストレスから解放され、ライカレンズで存分に接写が楽しめるわけだ。むろん、ヘリコイドを縮めておけば、無限遠撮影も支障なく行なえる。

 ホークスファクトリー製X-Pro1用ヘリコイド付きマウントアダプターは、大きなノブが特徴的だ。一部のライカMレンズのようにヘリコイド部分にノブを搭載し、近接時のピント合わせが快適に行なえる。最初期のヘリコイド付きアダプターはノブがなかったが、このノブのおかげでずいぶんと使いやすくなった。今回ゴーグル(ファインダーの視野補正用アタッチメント)付きのレンズを装着してみたが、ウエイトのあるレンズにも関わらず、快適にアダプター側のヘリコイドを操作できた。また、ロックボタンが従来版よりも大きくなり、レンズ取り外し時の操作性が向上している。

 試用時に気になったのは、意図せずヘリコイドがせり出していることがあった。ライブビュー撮影なので実用面では支障ないが、ヘリコイドをロックする機構があるとより便利になるだろう。

ゴーグル付きレンズは、ライカMを象徴するスタイルのひとつといえるだろうファインダーにゴーグルが重なるが、基本的にはEVFおよびライブビュー撮影なので支障はない
ホークスファクトリーのヘリコイド付きライカMアダプターは、デジタルホビーにて1万9,800円ゴーグル付きレンズは重量があるものの、アダプターのヘリコイドは問題なく動作する
側面に大きなノブを搭載している。このおかげでヘリコイド操作が快適だロックボタンが従来よりも大きくなり、レンズの着脱操作がやりやすくなった

 ストラップはグロックレザーのPIWカメラストラップ・ダブルバックルを合わせてみた。ワイドタイプのレザーストラップに、頑丈なダブルバックルをあしらっている。もともとは同ブランドのベルトがベースになっており、それをカメラストラップにモディファイした製品だ。バックルは単なる意匠ではなく、ストラップの長さ調節を担っている。もう一端にはループがあり、カラビナなどで小物をぶら下げると便利だろう。厚手の革で耐重性があり、重量のあるカメラも安心して携行できるストラップだ。

グロックレザーのPIWカメラストラップ・ダブルバックは3万5,000円。黒以外のカラーにも対応するオリジナルの頑丈なバックルを使用。ここでストラップの長さ調節を行なう
小物をさげるためのレザーループは刻印が施してある。デザイン上のアクセントにもなっているレザーループにカラビナと携帯灰皿を付けてみた。フィルムケースを小物入れ代わりに付けてもよいだろう。

 ズミクロン35mm F2 RFは最短撮影距離が65cmといわれている。ホークスファクトリーのヘリコイド付きマウントアダプターを使うと、最短で30cm程度まで寄ることができた。これなら十分に接写と呼べる距離だ。ヘリコイド付きマウントアダプター使用時の最短撮影距離は、レンズの焦点距離と最短撮影距離によって異なる。たとえば、最短1mの35ミリレンズの場合は28cm、最短75cmの50mmレンズの場合は43cmといった具合だ。デジタルホビーの製品解説ページに最短撮影距離の例がリストアップされているので、事前に確認しておくとよいだろう。

  • 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなしの撮影画像(JPEG)を別ウィンドウで表示します。
レンズの最短撮影距離で撮影ヘリコイド付きマウントアダプターの最短撮影距離で撮影
X-Pro1 / Summicron 35mm F2 RF / 4,896×3,264 / 1/350秒 / F2 / -0.67EV / ISO200 / WB:オート / 35mmX-Pro1 / Summicron 35mm F2 RF / 4,896×3,264 / 1/900秒 / F4 / +0.67EV / ISO200 / WB:オート / 35mm
X-Pro1 / Summicron 35mm F2 RF / 4,896×3,264 / 1/1,200秒 / F2 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 35mmX-Pro1 / Summicron 35mm F2 RF / 4,896×3,264 / 1/170秒 / F4 / -0.67EV / ISO200 / WB:オート / 35mm
X-Pro1 / Summicron 35mm F2 RF / 4,896×3,264 / 1/600秒 / F2.8 / -0.67EV / ISO200 / WB:オート / 35mmX-Pro1 / Summicron 35mm F2 RF / 4,896×3,264 / 1/1,600秒 / F4 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 35mm


(さわむらてつ)1968年生まれ。法政大学経済学部卒業。ライター、写真家。デジカメドレスアップ、オールドレンズ撮影など、こだわり派向けのカメラホビーを提唱する。2008年より写真家活動を開始し、デジタル赤外線撮影による作品を発表。玄光社「オールドレンズ・ライフ」シリーズをはじめ、オールドレンズ関連書籍を多数執筆。http://metalmickey.jp

2012/8/20 00:00