デジカメドレスアップ主義:黒ボディにバーガンディーをまとう

FUJIFILM X-Pro1 + MIR-1 37mm F2.8
Reported by澤村徹

  • ボディ:FUJIFILM X-Pro1
  • レンズ:MIR-1 37mm F2.8
  • マウントアダプター:KIPON M42-FX(焦点工房)
  • ケース:Recoil X-Pro1スタンダードスタイルケース/バーガンディー
  • ストラップ:Grok Leather PIW Camera Strap(カービング)
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 ブラックボディのカメラは、ただそれだけで凛とした存在感がある。それゆえに、かえってドレスアップは消極的になりがちだ。つい「黒いボディだから黒いストラップを」と、無難なところに落ち着いてしまう。特にX-Pro1のようなクラシックテイストのボディだとなおさらだろう。そこで今回は、非ブラックでX-Pro1をドレスアップしてみよう。

 黒以外のカラーといっても、けっして奇抜な色ではなく、実用スタイルを目指してバーガンディーを選んでみた。この色はわかりやすくいうと、ワインレッドに似た暗い赤だ。ただし、レザーの場合は紫や赤を帯びたダークブラウンを指すことも多い。バーガンディーは渋みのある色合いで、黒とも相性がよい。今回はリコイルとグロックレザーにそれぞれバーガンディーのアイテムを製作してもらい、X-Pro1のブラックボディをシックに飾ってみた。

 まずリコイルのカメラケースから見ていこう。以前、「X-Pro1ファーストドレスアップ」にて同社のX-Pro1グリップスタイル/ジャケットケースを紹介したことがあるが、今回は後付けグリップ不要のスタンダードケースを選んでいる。バーガンディーというオファーでリコイルが選んだのは、スイス産原皮のベルギー直輸入皮革だ。タンニン鞣しの牛革で、強い光沢と張りがある。全体にダークブラウンが強く、光の加減で赤紫を感じさせる色合いだ。デザイン面ではグリップ側のダブルステッチが目を惹く。間隔をあけた二重のステッチが、ほどよい指がかりとなってホールド感を高めてくれる。

グリップ側のダブルステッチが、リコイル製スタンダードケースの特長だ。価格は1万7,000円フォーカスモード切換レバーの下側を広くとり、スイッチ操作しやすいように配慮している
背面は大きくあけ、ボタン操作を妨げない仕様になっている。ケースのフィット感も申し分ない付属の真鍮製ネジで三脚穴に固定する。真鍮製のネジはコインなどでまわして着脱する

 グロックレザーのハンドメイドストラップは、編込みデザインが特徴的だ。ストラップ本体がバーガンディー、編込みベルトがブラックというツートーンになっている。耐重性に懸念をおぼえる人がいるかもしれないが、本製品は4.5ミリという極厚レザーを採用しており、ミラーレス機やレンジファインダー機を提げるぶんには何ら問題はない。同社は縫製はもちろん、革の染色も自社で行っており、金属パーツに至るまですべてオリジナルだ。

 昨今は加工済みレザーが流行っているが、グロックレザーの製品はまっさらな状態で、使い始めはレザーがかなり固い。発色も明るめのバーガンディーだが、使い込むにつれて深みと艶が増してくる。写真のサンプルは1ヶ月半ほど使ったものだが、なじみ出すのはまだまだこれからといった様子だ。なお、グロックレザーの商品は、新橋インターナショナルアーケードにあるオンリーショップ「ベンチメイド」で購入できる。

カービングを施したタイプ(下)は2万円。カービングなしのプレーン(上)は1万5,000円だデザイン上のポイントとなる編込みは、ストラップの長さ調節もかねている
刻印付きのカシメは、オリジナルパーツだ。細部にわたってこだわりに満ちているストラップのショルダー部分には、ロゴの刻印とカービングが施してある
KIPON製のM42マウントアダプターはピン押しタイプだ。焦点工房にて6,800円だ

 レンズは迷わず黒鏡胴を選んでみた。今回取り上げたのは、1950年代に登場したロシアレンズ、ミール-1 37mmF2.8だ。このレンズはゼニットマウント(M39マウント)のものが多いが、ここで取り上げた個体はM42マウントのものである。レンズ先端に「GRAND PRIX BRUSSELS 1958」と刻印され、1958年のブリュッセル万博での栄誉をアピールしているのがおもしろい。無骨でものものしいデザインの鏡胴だが、描写は外観と対照的に、コントラスト、発色、シャープネス、どれもマイルドなテイストだ。ロシアレンズにありがちな、そつなくよく写るタイプのレンズである。ナチュラルな描写が好みなら、よい選択肢といえるだろう。

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X-Pro1 / MIR-1 37mm F2.8 / 4,896×3,264 / 1/500秒 / F4 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 37mmX-Pro1 / MIR-1 37mm F2.8 / 4,896×3,264 / 1/400秒 / F4 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 37mm
X-Pro1 / MIR-1 37mm F2.8 / 4,896×3,264 / 1/160秒 / F5.6 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 37mmX-Pro1 / MIR-1 37mm F2.8 / 4,896×3,264 / 1/500秒 / F2.8 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 37mm
X-Pro1 / MIR-1 37mm F2.8 / 4,896×3,264 / 1/640秒 / F2.8 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 37mmX-Pro1 / MIR-1 37mm F2.8 / 4,896×3,264 / 1/300秒 / F8 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 37mm


(さわむらてつ)1968年生まれ。法政大学経済学部卒業。ライター、写真家。デジカメドレスアップ、オールドレンズ撮影など、こだわり派向けのカメラホビーを提唱する。2008年より写真家活動を開始し、デジタル赤外線撮影による作品を発表。玄光社「オールドレンズ・ライフ」シリーズをはじめ、オールドレンズ関連書籍を多数執筆。http://metalmickey.jp

2012/5/31 01:09