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インタビュー:高速CF「Extreme Pro」でサンディスクが狙う市場


リテールプロダクトマーケティング バイスプレジデントのエリック・ボーン氏

 米国サンディスクコーポレーションのリテールプロダクトマーケティング バイスプレジデント、エリック・ボーン氏にインタビューする機会を得たので、日本のデジタルカメラ市場におけるマーケティングについての話題を中心にお話を伺った。


日本メーカーと良好な関係を築き、なくてはならないパートナーになっていきたい

――デジタルカメラ分野における、日本での販売戦略についてお聞かせください。

 サンディスクにとって日本のマーケットは、世界全体の割合からするとそれほど大きくはありません。ボリュームという点からすれば、日本はどんどん小さくなっています。近年は中国、インド、ロシア、南米のマーケットが成長し、日本のメーカーの立ち位置も変わってきています。たとえば家電メーカーであれば、ソニーやパナソニックなどがサムスンやLGなどとかなり激しく戦っている。

 ただし日本は、国際的なポジションとしては小さいのですが、戦略的には非常に大きな存在です。なぜならカメラ業界に関して、日本はキヤノンやニコンをはじめとした巨大メーカーを中心に、世界でもナンバーワンの立ち位置を保持し続けているからです。日本におけるサンディスクの目標は、シェアやブランドイメージを最大化するとともに、日本のカメラメーカーと良好な関係を築き、なくてはならないパートナーになっていくことだと考えています。

 それはたとえばExtreme Proの製品発表時に、(インタビュー当時)発売前のキヤノンEOS 7Dをデモ機材としてお借りできるような協業関係もそうですが、カメラが性能をフルに発揮する時、メモリーカードがボトルネックにならない製品を供給していくということです。逆にいえば、いままではメモリーカードの方に弱みがあったので、その補償として、カメラのバッファメモリーも大きくなっていたのではと考えています。そういう意味では、私たちがExtreme Proのように高速な転送速度を有するメモリーカードを出すことによって、カメラメーカーがソリューションを考えるとき、非常にやりやすくなるのではないかと思います。

 これは極端な例えなのですが、もしもニコンやキヤノンが「サンディスクのメモリーカードしか保証しない」という話になれば、世界中におけるサンディスクの立ち位置は大きく変わるのです。

 メモリーカードのスペックの向上がユーザーメリットを作り出していく。日本では、そのような戦略的パートナーになることを目指していきたいと思っています。

Extreme Pro(左)とExtreme(右) 9月の新製品発表会で明らかにした国内販売戦略
デジタル一眼レフカメラのユーザー層をターゲットとする Extreme Proは、UDMA6に対応している

――90MB/秒の転送速度を謳うExtreme Proですが、それほどの高速メディアが必要と考えたのはなぜでしょうか。

 確かにエントリー層の人には速すぎると思います。ですがExtreme Proに関しては、1分1秒が大事と考えるプロユースを想定しています。高価格でもあるし、セグメント的には小さくなるが、ターゲットとなる人々にベストなものを提供したいという前提のもとに、供給していきます。たとえばキヤノンであれば、EOS 50DやEOS 5D Mark II以上、ニコンであればD700以上をお持ちの層をターゲットとしています。

――SDXCメモリーカードの製品化についてお聞かせください。

 もちろんSDXCメモリーカードについても視野に入れて研究・開発をしています。時期が来たら発表する予定です。

――Extreme Proに関して、「30MB/s Edition SDHC対応USB 2.0リーダー/ライダー」のような専用カードリーダーは用意されるのでしょうか。

 2010年春に「エクストリーム・エクスプレスカード・アダプター」を発売予定です。またインターフェースに関してですが、私たちとしては、メインストリームになっているインターフェースを重要視しています。たとえばUSBやeSATAといったものですが、eSATAは現状、複数のケーブルを使用しなければならないなど問題も残っているので、USB3.0の普及を待っているといったところです。

「エクストリーム・エクスプレスカード・アダプター」を用いたテスト結果 従来モデルとの転送速度差

これからは「写真をRAWで撮る時代」にしたい

――デジタルカメラの動画対応に関して、メモリーカードメーカーとしての取り組みを教えてください。

 サンディスクではラベルに撮影可能な時間を表示した「Video HD」という(スピードクラス)Class4のシリーズをリリースしています。欧米ではたとえばビデオカメラの横に「何時間撮れるメディア」として置かれていて、それはVideo HDという製品コンセプトに合致した販売のされ方なのですが、日本の量販店では記録メディアのコーナーに、キャパシティ別に置かれているというのが主な販売形式になっているのです。

 しかし最近の動画記録対応デジタル一眼レフカメラやハイエンドコンパクトデジタルカメラの中には、HDムービーを撮影できるものも出てきていて、中にはClass6以上を推奨している製品もあります。

 日本で始まったトレンドが世界に拡がっていくというケースもあり、たとえば動画も静止画も撮影するハイエンド寄りのカメラにはClass6を使い、ライトユーザー向けの普通のコンパクトデジカメにはClass4以下を使うといったように、製品のポジションも日々変わっていくので、SDメモリーカードのExtremeシリーズに関しては、そのようなハードウェア側の状況に合わせて強化していくといったことをやっていきたいと考えています。

――日本市場で、サンディスクとしてアピールしていきたいことは何でしょうか。

 これからは「写真をRAWで撮る時代」にしたいと考えています。本当に大切な写真を撮って、それを長期間残すのであればRAWで写真を撮るべきで、だからこそ64GBの大容量や90MB/秒という速度が必要と考えています。まずはそのためのネクストステップを作りたい。ユーザーがハイエンドのカメラを買うというトレンドをつくりだすことで、イメージング業界を活気づけたい。Extreme Proは、その応援団というポジションにしたいと思っています。そういったトレンドを日本から世界に拡げていければと思います。



(本誌:関根慎一)

2009/10/15 18:06


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