写真展
第22回酒田市土門拳文化賞受賞作品展 芦田英次写真展「野生魂」最後の記録
(ニコンサロン)
Reported by 本誌:河野知佳(2016/6/1 15:00)
エチオピア南部奥地、高度2,000メートル超の深い森の中に、古代から野生のままで、独自の風習を貫き、原始生活を続ける少数民族がいる。
2009年、彼らの生きざまをルポルタージュしようと作者は奥地に入った。
初めて取材して作者は驚いた。強固な肉体と、他人を全く寄せ付けないアイデンティティを持ち続けて、現代まで孤高のままで生きて来ていた。「モノ」は全く持たず、自然に溶け込んで強い生命力を維持していた。
「モノに溢れ」便利さだけにすがって生きている現代人のひ弱さに強い違和感を持ち、大いに感動した。そして5年間、作者は取材を続けた。
ところが、11年頃から様相が一変した。
アフリカ縦断道路が貫通し、同時に電気が入った。文明開化が急激に進み、生活革命が起こった。全く想定外の周囲の変化の中で、これまでの野生の生きざまの記録は、今や社会進化の貴重な証拠であり、記録となったと作者は思っている。
本展では、作品を、Ⅰ)決斗儀礼(ドゥンガ祭)、Ⅱ)牛との共生、Ⅲ)ウーマンパワー、Ⅳ)文明化の大波の4章に再編集してまとめている。
カラー30点。
会場・スケジュールなど
- ・会場:新宿ニコンサロン
- ・住所:東京都新宿区西新宿1-6-1新宿エルタワー28階
- ・会期:2016年6月14日(火)~6月27日(月)
- ・時間:10時30分~18時30分(最終日は15時まで)
- ・休館:会期中無休
- ・入場:無料
- ・会場:大阪ニコンサロン
- ・住所:大阪市北区梅田2-2-2ヒルトンプラザウエスト・オフィスタワー13階
- ・会期:2016年8月11日(木)~8月17日(水)
- ・時間:10時30分~18時30分(最終日は15時まで)
- ・休館:会期中無休
- ・入場:無料
作者プロフィール
1934年京都府京都市生まれ。56年立命館大学経済学部卒業。在学中は写真部に所属し、関西学生写真連盟で活躍。1957年に写真を中断し、99年から写真活動を再開。写真展(個展)に、2001年「芦田英次入選作品展」(京都)、03年「旧市街三都物語」(京都、名古屋)、05年「ベルベルと言われる人々」(大阪、京都)、06年「変身劇場・ベネチア仮面祭」(大阪、京都)、07年「海の住人、森の住人」(大阪、京都)、12年「野生魂」(東京、京都)がある。受賞歴に、57年「アサヒカメラ」誌(色彩写真賞次点)、二科展(11年会友推挙、入賞2回、入選6回、関西二科賞、会友努力賞)、JPS展(入選6回)、JPA展(入賞2回、入選2回)、APA公募展(入選2回)、国際写真サロン(入選3回)、ニッコールフォトコンテスト(特選1回、準特選1回、入選2回)、その他コンテスト入賞、入選多数。立命館大学写真部OB会に所属し同会会長を務める。そのほか、二科会写真部会友、京都丹平クラブに所属。