写真展

ハナブサ・リュウ写真展「身体作品」

(ニコンサロン)

美術史を通して、太古の洞窟の壁画や小さな石に彫られた石器時代から古代ギリシャのヴィーナス像やローマ時代の彫刻、ヨーロッパのルネサンス期の絵画や彫刻を経て、古典的な美の典型として、また、生命の器として、身体を愛おしむ普遍的な想いは受け継がれてきた。しかし、今日では、社会における人間の存在の希薄さからか、その「想い」はやや薄れているように作者は感じている。

この作品は、先人たちが残した素晴らしい『身体作品』へのオマージュであり、人間の存在の根本を考えることから生まれた。直接、生身を撮るのではなく、かつて描かれた絵画やつくり出された彫刻の部分を撮ることによって、イマジネーションがかき立てられ、「身体」への憧れとエロティシズムが強く感じられると作者はいう。そして、その時代の体温を感じながら「普遍的な想い」をよみがえらせたいと思っている。

長い間、肖像や女性の美を撮り続けてきた作者にとって「身体」は、永遠のテーマである。モノクロ44点。

(写真展情報より)

会場・スケジュールなど

  • ・会場:銀座ニコンサロン
  • ・住所:東京都中央区銀座7-10-1STRATA GINZA(ストラータ ギンザ)1・2階
  • ・会期:2015年6月3日水曜日~2015年6月16日火曜日
  • ・時間:10時30分~18時30分(最終日は15時まで)
  • ・休館:会期中無休
  • ・入場:無料

  • ・会場:大阪ニコンサロン(追記)
  • ・住所:大阪市北区梅田2-2-2ヒルトンプラザウエスト・オフィスタワー13階
  • ・会期:2015年8月27日木曜日~2015年9月2日水曜日
  • ・時間:10時30分~18時30分(最終日は15時まで)
  • ・休館:会期中無休
  • ・入場:無料

関連イベント

  • ギャラリートーク:6月3日水曜日18時30分~20時(終了しました)

作者プロフィール

1949年大阪府生まれ。静岡県伊東市在住。
70年銀座ニコンサロンでの写真展「もうひとつなにか」でデビュー。78年から4年間、91年から8年間パリに滞在。フランスを中心に、アーティストの肖像、ファッションや料理、建築や芸術作品など、ヨーロッパ文化の真髄をテーマに創作活動をしている。

主な写真展に01年「BAROQUE」(新宿ニコンサロン)、07年「美の王国」(銀座ニコンサロン)などがある。主な写真集に『フェミニテ』、『プレザンス』、『BACK』、『PARIS PARIS』、共著(写真)に『ルーヴル美術館』、『パリ オルセー美術館』、『アラン・デュカス 進化するシェフの饗宴』などがある。著作に『美しいヌードを撮る!』がある。日本写真家協会会員。ニッコールクラブ顧問。

(本誌:河野知佳)