写真展
中川隆司写真展「american surburbia」
(銀座ニコンサロン)
Reported by(2013/11/19 08:15)
作者は2013年4月に1ヶ月をかけ、ロサンゼルスよりシカゴ、シカゴからロサンゼルスまでレンタカーにて撮影の旅を敢行した。
一般的なアメリカを象徴する西海岸と東海岸。しかし国土の大半は海に面する事のない土地が占めている。それらの土地には摩天楼もなければ、リゾートもない。おしゃれな店もなければセレブもいない。あるのは、生活に使われる道路と商店。いるのは、その土地に生まれ、そこで生涯を終えるであろう人々。利用される事もないだだっ広い広大な土地と生活に酷使され続けた車達だ。
旅の中、毎日違うモーテルに身をよせ、おんぼろレンタカーを走らせる。ある地では、雪が降り道路が凍結している。ある地では、あまりの集中豪雨の為に店内に軟禁状態になる。ある地では、あまりの暑さに車内の水が枯渇した。また、ある地では、舞い上がる砂塵に視界を遮られ、アクセルを緩めざるをえなかった。
そこは誰も行かないアメリカ。行く理由のないアメリカ。人々はどこか寂しげで、ドライで空っぽで、空虚なアメリカ。どこを切り撮っても、一昨日見た風景に思えてしまうアメリカだ。
何を食べても、日本人の舌の味蕾には響かない食べ物。作者はこのアメリカンドーナッツの端から中心を走り、撮り、疲れて眠り、やさぐれながら長旅を続けた。そして、アメリカの背骨は、この超大国の郊外にこそ存在する事を改めて確信した。
そんな愛すべき何もない「american suburbia」を印画紙に定着させた作品を展示する。カラー40点。
(写真展情報より)
- 銀座ニコンサロン
- 住所:東京都中央区銀座7-10-1 STRATA GINZA(ストラータギンザ)1階・2階
- 会期:2013年12月4日水曜日~2013年12月17日火曜日
- 時間:10時30分~18時30分(最終日は15時まで)
- 休館:会期中無休