写真展
原芳市写真展「常世の虫」
(銀座ニコンサロン)
Reported by 本誌:折本幸治(2013/7/17 00:00)
645年は大化改新の年。その前年に起きた日本史上初の宗教弾圧事件が「常世の虫」である。
日本書紀によると、現在の静岡県に大(おお)生(う)部(べの)多(おお)という男がいて、アゲハチョウの幼虫を奉り、拝み踊れば富と長寿が得られると吹聴すると、人々に愛され、急速に勢力を増していったという。「常世の虫」を奉る教団を危惧した葛野の秦(はたの)河(かわ)勝(かつ)は、それを鎮圧した。
作者はこの事件を不思議な思いで読み、「その長さ四寸余、その大きさ頭指許の如し。その色、緑にして、黒点あり。その顔、全養蚕に似たり…」という虫に魅了された。
15年もの長い間、その虫は作者の頭の中で生き、夏になると、その虫が蠢いて語るという。そして虫たちの夏を過ごすのである。モノクロ60点。
(写真展情報より)
- 銀座ニコンサロン
- 住所:東京都中央区銀座7-10-1 STRATA GINZA(ストラータギンザ)1階・2階 ニコンプラザ銀座内
- 会期:2013年7月31日(水)〜2013年8月13日(火)
- 時間:10時30分〜18時30分(最終日は15時まで)
- 休館:8月10日、8月11日