写真展

「美を掬(すく)う人 福原信三・路草 -資生堂の美の源流-」展

(資生堂)

福原信三撮影 タイトル不詳 台湾1940

本展は、創業の地・銀座に立地する4つの文化発信拠点「資生堂銀座ビル」「SHISEIDO THE GINZA」「東京銀座資生堂ビル」「資生堂ギャラリー」が連動して、銀座から文化を発信するプロジェクト「BEAUTY CROSSING GINZA」第2弾の企画です。

資生堂の初代社長・福原信三は、今年2016年に創設100周年を迎える化粧品部(現 SHISEIDO THE GINZAの前身)、意匠部(現 宣伝・デザイン部)、試験室(現 リサーチセンター)を創設するなど、今日の資生堂の事業基盤をつくりあげました。経営者でありながら芸術を愛した信三は、「商品をしてすべてを語らしめよ」「ものごとはすべてリッチでなければならない」と語り、その美意識は今日の資生堂のクリエーションに脈々と受け継がれています。

一方で信三は、弟の路草(本名・信辰)らと共同で「寫眞(しゃしん)藝術社」(1921(大正10)年)や日本写真会(1924(大正13)年)を結成するなど共に写真家として活動しました。信三と路草は、主に日常の何気ない光景を被写体とし、それらに光が当たり「美」が立ち上ってくる瞬間をレンズに収めて、光と影のバランスが緻密に計算された作品を生み出してきました。日常の中に存在する「美」を捉える姿勢は、「美しい生活文化の創造」という資生堂の企業理念の原点とも言えます。

本展では、資生堂 宣伝・デザイン部のフォトグラファー金澤正人が信三と路草の美意識を受け継ぎながら、現代のデジタル技法を駆使してリプリントした初公開の作品を中心に、信三と路草に関連する展示を行います。銀座に立地する資生堂の4つの文化発信拠点が連動し、過去から未来へ、資生堂の「美の源流」を発信します。

(展示情報より)

福原路草撮影 タイトル・撮影場所・日時等不詳

福原信三撮影 タイトル不詳 撮影場所岡山 撮影日不詳

福原路草 椿 自邸庭 麻布笄町 1940

福原信三 博労 『巴里とセイヌ』 1913

「万物資生」「木・人・景」

日本の原風景を表現した作品、信三・路草の未公開作品を中心としたニュープリント、宣伝・デザイン部フォトグラファー金澤正人の作品を展示。

  • ・会場:資生堂銀座ビル
  • ・住所:東京都中央区銀座7-5-5資生堂銀座ビル1F~2F
  • ・会期:2016年4月5日火曜日〜2016年6月24日金曜日
  • ・時間:10時〜19時
  • ・休館:土日祝日
  • ・入場:無料

「椿」「巴里とセイヌ」

路草が撮影した椿の作品をモチーフとしたフランスの伝統的な技法によるオートクチュール刺繍作品、信三の写真集「巴里とセイヌ」に掲載された作品を展示。

  • ・会場:SHISEIDO THE GINZA
  • ・住所:東京都中央区銀座7-8-10
  • ・会期:2016年4月14日木曜日〜2016年6月14日火曜日
  • ・時間:11時〜20時
  • ・休館:2016年5月18日水曜日
  • ・入場:無料

「銀座と巴里」「巴里とセイヌ」

福原信三の写真集から作品を展示。

  • ・会場:東京銀座資生堂ビル
  • ・住所:東京都中央区銀座8-8-3
  • ・会期:2016年4月5日火曜日〜2016年6月24日金曜日
  • ・時間:11時〜21時
  • ・休館:会期中無休
  • ・入場:無料

「椿会展2016-初心-」

赤瀬川原平(2014年逝去)、畠山直哉、内藤礼、伊藤存、青木陵子、島地保武の「第七次椿会」メンバーによる展覧会。

「椿会」は、第二次世界大戦末期に一時閉鎖となり1947年に再開した際、第一線の作家たちに新作を依頼して展覧会を開くという「資生堂美術展覧会」のスタイルを継承し発展させた形で「第一回椿会展覧会」が開催。以降、メンバーを入れ替えながら続いている。

  • ・会場:資生堂ギャラリー
  • ・住所:東京都中央区銀座8-8-3東京銀座資生堂ビルB1F
  • ・会期:2016年4月28日木曜日〜2016年6月19日日曜日
  • ・時間:11時〜19時(日祝日は18時まで)
  • ・休館:月曜日
  • ・入場:無料

(本誌:河野知佳)