写真展告知

「プラチナプリント写真展」

(ライカギャラリー東京)

©Elliott Erwitt / Magnum Photos

プラチナプリント―それは、170年の写真史における写真プリント技術の中でも卓越した技法といってよいでしょう。その理由は、近代写真の父と呼ばれるアルフレッド・スティーグリッツのこの言葉に集約されます。プラチナプリントの技法は、“ あらゆるメディアのプリンス”である。それは最も古く、稀少で、より洗練され、かつモノクロームの写真表現の最も安定したプロセスである。この言葉に象徴されるように、プラチナプリントはその優れた特性から、過去に多くの写真家を魅了してきました。近年、その豊かな表現力と美しさが再評価されています。

写真プリント業界の第一線で活躍し、ライカプレミアムプリントサービスのプリンターでもある久保元幸氏は、プラチナプリントをはじめとした古典的な印画技法を現代に蘇らせ、未来へ継承していくことを目指しています。久保氏が所属するアマナサルトでは、最新のデジタルテクノロジーによってプラチナプリントを次世代のレベルにまで引き上げ、世界の有名フォトグラファーの卓越した作品を共同制作しています。

本写真展では、エリオット・アーウィットとワーナー・ビショフの代表作を、久保氏が卓越したプリントディレクションによりプラチナプリントで再現した秀作14点を展示いたします。ふたりの著名な作家が生みだした不朽の名作を、500年以上という耐久性を持ち、豊かな階調を有するプラチナプリントでお楽しみください。

(展示情報より)

会場・スケジュールなど

  • ・会場:ライカギャラリー東京
  • ・住所:東京都中央区銀座6-4-1ライカ銀座店2F
  • ・会期:2017年3月3日(金)~6月4日(日)
  • ・時間:11時~19時
  • ・休館:月曜日

エリオット・アーウィット

1928年、ロシア人の両親のもとパリで生まれました。11歳の時アメリカに移住し、ロサンゼルスのシティ・カレッジで写真を学んだ後、1949年ニューヨークで写真家として本格的に活動を開始し、それ以来仕事の拠点をニューヨークとしました。1953年25歳の若さで、当時世界的な写真家であったロバート・キャパに推薦されマグナム・フォトに参加します。アーウィットの作品は、ウィットとユーモアに富んだ人間味あふれるもので、ジャーナリスティックなエッセイから広告写真まで多種多様で、特にアーウィット氏自身が大好きな、犬や子供を被写体とした写真は多数の名作が生まれています。

ワーナー・ビショフ

1916年、スイス・チューリッヒに生まれました。1936年にグラフィック・アート・スタジオを開き、主にファッション写真を手掛けます。第二次大戦後、フランス、オランダ、ドイツなど戦災で荒廃した国々を取材し、ジャーナリスティックな写真を撮るようになり、1949年、マグナムの正会員となります。その後、「ライフ」「パリ・マッチ」「ドゥ」誌などで多くの秀作を発表し、国際的な評価を受けます。1954年、南米ペルーのアンデス山脈で取材中ジープが谷底に転落し死亡。2004年5月に没後50年記念展がニューヨークで開催され、2009年2月には写真展『Japan』が東京・昭和館で開催されました。ワーナー・ビショフは伝統的な生活の中にある秩序や静寂を撮り続ける一方で、常に探求心を持ち続け、世界の真の姿、困難な状況を報道しました。