イベントレポート
発売直前、タムロン「18-400mm F/3.5-6.3」体験撮影セミナーレポート
初の22倍ズームの実力に納得 手頃なサイズにも関心集まる
2017年7月19日 17:45
株式会社タムロンは、7月20日に発売予定の超望遠高倍率ズームレンズ「18-400mm F/3.5-6.3 Di II VC HLD」(Model B028)の「発売直前体験撮影セミナー」を東京と大阪の2都市で開催した。
18-400mm F/3.5-6.3 Di II VC HLDは、デジタル一眼レフカメラ用レンズ初の22.2倍ズームレンズとして6月に発表。望遠端の焦点距離は35mm判換算で620mm相当に達する。便利な高倍率ズームでありながら最短撮影距離はズーム全域で約45cmに抑え、手ブレ補正機構や独自開発のAF用モーター「HLD」の採用、3段繰り出しギミックや700g前後の軽量さなどトピックも多く、注目の製品となっている。
本イベントは東京と大阪の両都市において、発売を目前に控えた同レンズの使用感を試すという主旨。製品の仕様は量産品相当とのことだ。タムロンが発売前の製品をフィールドで試用できるイベントとして開催するのは珍しい。
各都市の参加者は各30名弱で、どちらの会場でも写真家の若子jetさんが講師をつとめた。本記事では主に東京会場のイベントの模様をお伝えする。
1本でなんでも撮れる便利さ
実地撮影の前に実施した事前セミナーでは、18-400mm F/3.5-6.3 Di II VC HLDの製品概要と、主な特徴についての解説が行なわれた。製品概要の説明を担当した金城正道氏は、「3段繰り出しは従来の当社製品になく、この機構をこの鏡胴の太さに収めるのはかなり苦労しました」と開発時のエピソードを紹介しつつ、「ズーム比率だけでなく、最短撮影距離も45cmと短いので、これ1本でなんでも撮れてしまうところが大きな魅力です」と製品特長をアピールした。
若子jetさんは、この日のセミナーに先駆け、18-400mm F/3.5-6.3 Di II VC HLDを使って東京・谷根千(谷中・根津・千駄木周辺地区)を撮り歩いた作例を紹介。主な特長としては「22.2倍の高倍率ズーム」、「描写の柔らかさ」、「幅広いジャンルに対応できる」、「全ズーム域で寄れる」といったポイントを挙げていた。
若子jetさんはセミナーの中で、望遠寄りで撮影した際の描写を評価していた。「ボケが柔らかく、溶け込むような描写。望遠レンズにしては小型軽量なので、400mmまで伸ばせて、これだけ取り回しやすいと、撮影に集中できるので、とてもありがたいです」
取り回しやすいサイズも魅力
動物園での実地撮影では、熱心に18-400mm F/3.5-6.3 Di II VC HLDを試す参加者の姿が見られた。
イベントでは18-400mm F/3.5-6.3 Di II VC HLDに加えて、いくつかの現行レンズも試用できた。
時間内であれば自由行動ができたので、参加者は若子jetさんと一緒に同じ被写体を狙ってみたり、自分で撮影した写真を若子jetさんに見てもらい、アドバイスを受けたりしていた。
若子jetさんによれば、どんな作品を目指すのかイメージすることを念頭に、基本的な構図の作り方や、前ボケを取り入れた作品の撮り方についてアドバイスしたという。
高倍率ズームレンズとしては高画質という触れ込みの本レンズ。イベント参加者のツイートを見てみると、「思った以上に解像するレンズだった」「これくらい写ってくれるとA4サイズ位なら全然問題ないかと思います」など、画質についての評価も高いようだ。
またイベントの参加者からは、700g前後(キヤノン用が710g、ニコン用が705g)と軽く、取り回しやすい点も評価されていた。ある女性の参加者は、「あまり重いレンズだと持ち出して後悔したり、持ち出すのを諦めてしまうのだけど、この軽さなら無理なく持ち出せそう」と話しており、またそれほど大柄にならないところも「大げさにならないのが良い」と評価していた。
ほかの参加者からは「望遠端でも近寄れるのですごく便利」、「手ブレ補正の効きがよかった」、「ボケがきれいなので被写体が浮き上がって写って楽しい」、「(望遠端で)少し絞っても思ったよりボケてくれるのが印象的だった」との感想も聞かれた。
一般ユーザーが発売前の製品を体験できる機会の多くは屋内会場での開催であり、今回のように、実際に撮影のフィールドに出て、ユーザー自身の機材を使い、自由に試用できるケースは少ない。印象としては、参加者の満足度が高いイベントだった。
制作協力:株式会社タムロン