イベント

ハービー・山口さんと瀬戸正人さんのトークイベントが開催

著名な2人によるポートフォリオレビューも

瀬戸正人さん(左)とハービー・山口さん(右)

キヤノンギャラリー銀座で10月3日、ハービー・山口さんと瀬戸正人さんによるポートフォリオレビューとトークイベントが行われたので、その模様をお伝えしたい。

このイベントは、第5回キヤノンフォトグラファーズセッションの応募時期にちなんで企画されたもの。といってもフォトグラファーズセッションへの応募そのものとは関わりなく、誰でも参加が可能。ポートフォリオレビューとトークイベントとも予約制で、どちらも先着順で受け付けていた。

当日の13時から16時20分までは、主にポートフォリオレビューの時間にあてがわれた。ハービーさん、または瀬戸さんに作品を見てもらえるということで、会場に集まった幸運な18名は、興奮が隠せない様子。指導はマンツーマンで行われた。作品への評価を受けたり、今後の指針などを相談する姿が見られた。

ハービー・山口さん
瀬戸正人さん(右)

17時からのトークイベントでは、ハービーさんと瀬戸さんが対談形式で写真についての話が繰り広げられた。

「写真家になって5年はどうやって食べていこうかと苦しかった。ひたすら展示をして雑誌に載せてもらうのを繰り返す。今回のポートフォリオレビューのようなイベントは昔はなく、出版社に持っていくしかなかった。可能性を生み出すためにはアクションが必要」(瀬戸さん)

「海外で役者をしていた時期があったが、その経験は身になっている」(ハービーさん)

テクニックや精神面の話も。特に、人を撮ることについて話題が集中した。

(どういうタイミングでシャッターを切るのかという質問に)「表情で撮っているのではないが、確かにシャッター切るべきその瞬間はある」(瀬戸さん)

「全てが作品撮りだという意識。福山さんを撮ったのは仕事だが、自分の作品。わけて考えてない」(ハービーさん)

「ダイアン・アーバスの仕事の3分の2はパーミッション(撮影許諾を得ること)」(ハービーさん)

「でもハービーさんのように、コミュニケーション次第で地下鉄での出会いが作品になることも」(瀬戸さん)

「撮らせていただくときは、とにかく人畜無害のオーラを全力で出している」(ハービーさん)

「福島で被災地の方々を撮ったときは、どうしても写真を撮ることに負い目を感じていた。そのとき神様に『これを撮らないで誰を撮るんだ』といわれた気がしてがんばれた」(ハービーさん)

もちろん最後に、これからフォトグラファーズセッションに応募するであろう参加者へのメッセージもあった。

「その人なりの視点を見たい。今日のレビューもヒントになればと思う」(ハービーさん)

「写真はあなたのものではない。写真を見た人のもの。正直に撮ったものが人に伝わる」(瀬戸さん)

キヤノンフォトグラファーズセッションとは

キヤノンフォトグラファーズセッションは、日本を代表する写真家を講師に招き、ポートフォリオレビューや写真展などで構成されるワークショップ。今回で5回目を数える。

ワークショップは1stからファイナルまでの計3セッション。ファイナルセッションのプレゼンテーションにより、キヤノン賞2名が決定される。

参加者全員には、キヤノンマーケティングジャパン本社のキヤノンオープンギャラリー2において開かれる、合同写真展に参加できる。また特典として、オンデマンドフォトブックサービス「PHOTOPRESSO」による写真集作成の権利も受けられる。

さらに、キヤノン賞2名には、キヤノンギャラリー銀座・梅田での合同写真展の開催と、副賞(EOS 5D Mark III、EF24-105mm F4L IS USM)が進呈される。

1stセッション(2016年1月23日)

応募作品の講評とアドバイス

2ndセッション(2016年3月26日)

前回の講評をもとに提出された作品の講評とアドバイス。

ファイナルセッション(2016年5月14日)

最終プレゼンテーション。キヤノン賞2名の決定。

第5回キヤノンフォトグラファーズセッションへの応募期間は10月31日まで。参加申込書は公式ページよりダウンロードできる。

(本誌:折本幸治)