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テラウチマサト氏がカシオのフリースタイルカメラで作品制作
カメラ部を離して職人を撮影 国宝・瑞龍寺で写真展を開催
Reported by 本誌:武石修(2015/8/18 07:00)
写真家のテラウチマサト氏が、富山県高岡市の国宝・瑞龍寺で写真展「受け継がれていく高岡の心」を8月8日と8月9日に開催した。ここではその模様をお伝えする。
この写真展は、北陸新幹線開業を祝して行われた瑞龍寺のイベント「夏 夜の祈りと大福市」に併せて開催されたもの。瑞龍寺は富山県唯一の国宝で、当日は建物のライトアップも行われた。
今回の写真展は、富山県生まれのテラウチ氏が初めて高岡(瑞龍寺・国宝)で行う写真展となった。展示作品は瑞龍寺と高岡市の職人を撮ったもので、すべて撮り下ろし。30作品ほどを展示した。
撮影はすべてカシオのデジタルカメラ「EXILIM EX-100F」と「EXILIM EX-FR10」で撮影している。これらのカメラ独自の機能を使って新たな作品に挑戦したとのこと。その裏話をテラウチ氏に伺った。
「富山で暮らしたのは5歳までと小学校4~6年の時です。2年に1度引っ越しをする暮らしでしたが、小学校の時に富山を心のふるさとにしようと思いました。ですから富山には非常に強い想いがあります。これまで富山で作品を発表できる機会が無く、今回の話を聞いたときは憧れていた人に声を掛けられたくらい凄く嬉しかったです」
「撮影期間が短く、実質3日間ほどしか取れないことがわかりました。普通の機材では満足いく作品を撮ることは難しいと考え、変わった撮り方ができるカシオのカメラを使うことにしたのです。これらのカメラはCP+で知ったのですが、今までに無いものが撮れると思いました」
テラウチ氏はEX-100Fのプレミアムブラケット機能を使って、同じ被写体を異なる雰囲気に仕上げた作品を作った。この機能は1度の撮影で9枚の異なる仕上がりの写真が得られるものだ。
「プレミアムブラケット機能は、思いがけない写真が生まれるのが気に入っています。自分が思うイメージを作り上げるという写真の考え方もありますが、一方で自分のイメージを越えた写真を撮ることも重要だと考えています。こうした機能を使うことで表現の袋小路を脱することができます。ぜひプロやアマチュアの方にも使って欲しい機能ですね」
またカメラ部とコントローラー部が分離できるEX-FR10では、カメラ部を様々な場所において撮影した。例えば磬子の中にカメラ部を入れて磬子(きんす、けいす)を削る職人の撮影を行った。
「EX-FR10はカメラ部が小さいのが良いですね。今回は複数のEX-FR10を使って撮影しました。どう写るのかわからない撮影にチャレンジするのも1つの道。イメージ通りの写真ではもったいない。アイデア次第で色々なことができるのがこのカメラの面白いところです」
「かつて被写体に応じてフィルムを使い分けていたように、デジタルカメラも撮影状況に応じて使い分ける時代だと思います。これが“カメラにこだわる”ということだと考えています」
テラウチ氏は、今後もこうした新しいカメラを使った作品作りをしていきたいと話していた。
瑞龍寺では、両日の夜にライトアップを実施。訪れた多くの参拝者が幻想的な光景に見入っていた。