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キヤノン、EOS 5D Mark IVを「FIVEGRAPHY」スペシャルセミナーでお披露目

いちはやく使った写真家が語る「IIIとの違い」とは?

キヤノンマーケティングジャパン株式会社は、EOS 5Dシリーズをテーマにしたトークイベント「FIVEGRAPHY EOS5D シリーズスペシャルセミナー」を8月27日(土)より実施。新製品「EOS 5D Mark IV」の実機展示も行われている。

このイベントはEOS 5D Mark IVの発表を機に行われるもので、EOS 5Dシリーズで撮影した写真家13人の作品を一斉に展示する写真展「FIVEGRAPHY」と関連して実施されている。

連動して開催されるFIVEGRAPHY EOS5D シリーズスペシャルセミナーは、写真家が全国14会場に分かれてトークショーを行うもの。スケジュールと写真家はキヤノンのWebサイトで確認してほしい。明日28日(日)も東京と大阪で開かれる。

高感度性能が一段とアップ

8月27日(土)の東京会場では、川北茂貴さん(夜景)、福田幸広さん(動物)、米美知子さん(風景)、竹沢うるまさん(旅、ドキュメンタリー)の4名が登壇。発表に先んじて試用したEOS 5D Mark IVについて語った。

以下に、4名のEOS 5D Mark IVに関するコメントをダイジェスト的に抜き出してみる。

川北茂貴さん

「撮影するたびに再生画像を拡大してピントを確認しています。その際、指で拡大できるタッチパネルが便利でした」

「IIIより高感度画質が良い。常用感度ISO32000でもノイズが少なく大変綺麗に撮れている」

「高感度画質が良くなったおかげで、クルーズ船のように動く船からも夜景が撮れるようになりました」

「夜景は撮影場所が重要。でも撮影した画像を見ても、どこで撮ったのか思い出せないことがあります。Mark IVはGPSを内蔵しているので常にONにしていました」

「夜間に旅客機を撮りましたが、AFの食いつきがすごくよかった」

「新機能バルブタイマーで16分間の露光。通常は30秒までなので、工夫次第でより印象的な夜景写真が撮れます」

「デュアルピクセルRAWでゴーストがどう消えるか試してみた。効果は完全ではないが、どうしても気になるときに有効に使えるのでは。夜景には便利だと思います」

「普段は5Ds Rを使っていますが、それに迫る解像感。写真の一部をトリミングしても十分画質が良い」

「操作系は継承されているので、5Dシリーズのユーザーなら、少し触れば手探りでボタン操作ができるでしょう」

福田幸広さん

「画素数が上がったことでサルの毛の1本1本が描写されています。ハイライトも綺麗で立体感があります」

「デュアルピクセルRAWで動物の眼の解像感を上げることができそうです。動物写真は眼が重要なので研究してきたいです」

「高感度画質が上がったことで、暗い森の中でも積極的に撮れるようになりました。」

「AFのフォーカスエリアが広がっています。いままでより外側に被写体が来ても撮影しやすくなりました」

「ソフト連続撮影は甲高い音がしないので、警戒心の強いカモシカなどを撮るのに向いています」

「AFは初速が速く、動いている小さなリスにも良く合います。葉っぱが複雑に出ている状況でも被写体にしっかり合う。撮っているときはピントが来ていないかと思っていた写真が、後から見たら合っていることがよくありました」

「120pで子猿の川渡りを記録。4Kからの切り出し画像にも、生々しさや階調が残っています」

「防塵防滴なので、防水カバーを使いつつも悪天候での撮影にチャレンジしてほしいです」

米美知子さん

「操作は5Dシリーズを受け継いでいます。5Dシリーズを使ってきたので、カメラを渡されてすぐに使えました」

「操作系で大きく変わったところもあります。それはタッチパネル」

「ある日背面モニターの再生画像ががくっと動いて何だろうと思って触ったら、画像が動いて驚きました。『スマホと同じ!』と気づいてからは、拡大したりタッチ操作を使っています」

「ISO32000。多少画像は荒れますが、被写体を選べはそんなにノイズ感はありません。いままでと違う世界が撮れると思います。この作品は手持ちでF16、しかも夕方です」

「Mark IVは高感度が強くて万能。動物なども撮れるし、画素数も十分」

「5Dsはどんと構えられるひとで、三脚を使ってじっくり風景を撮るひとにおすすめ」

「お金に余裕のあるひとは5Dsを買って、さらに余裕があるひとはMark IVもどうでしょう(笑)」

竹沢うるまさん

「Mark IIIとは階調の出方が違います。ハイライトからシャドウまで綺麗につながる。階調が出ると雰囲気や質感も出ます」

「デジタルの緑の出方はあまり好きではありませんでした。でもMark IVは、色に深みがあります」

「一番の強みは高感度撮影の画質。ISO1600の気持ちでISO6400が使える。高感度時の黒の締まり方や階調の出方が今までと違います」

「連写のコマ速が1コマ増えて約7コマ/秒になりました。1コマ増えても変わりがないように思われるかもしれせんが、その差大きいです」

「Mark IVをひとことで表すなら、王道中の王道」

「写真を撮るときはスペック的なものを意識したくありません。意識するとストレスになる。ストレスのない状態で写真を撮りたいのですが、Mark IVはそうしたストレスがありません」

より詳細な内容や作品については、トークイベントに参加して確認してほしい。

写真展「FIVEGRAPHY」の会場には、トークイベントで使用された作品が展示されている。写真家の感想を実際のプリントで確認したい場合は要チェックだ。

写真は、トークイベントのあとに訪れた銀座第7ビルギャラリー。ここには米美知子さんの作品が展示されている。こんな感じで東京・大阪のギャラリーにFIVEGRAPHYが点在している。

トークイベントの会場にも、登壇する写真家の作品が展示されている。

タッチアンドトライコーナーには長蛇の列が

会場にはタッチアンドトライコーナーも設けられ、EOS 5D Mark IVが手に取れるようになっていた。10台近い実機を用意するも、初日は待機列ができるほどの人気だった。

CFとSDXC/SDHC/SDメモリーカードのデュアルスロットを採用。実際の展示品のカードスロットはテープで塞がれていて、持参したメモリーカードを使用することはできない。

画素数は有効約3,040万画素、6,720×4,480ピクセルに。

新機能のバルブタイマー。バルブモード時の露光時間をカメラ内で設定できる。

デュアルピクセルRAWの設定。「する」「しない」を選べる。

タッチアンドトライコーナーには、EOS 5D Mark IVと同時に発表された新レンズの姿も見られた。いずれもEOS 5D Mark IVに装着した状態で手に取ることができる。

EF24-105mm F4L IS II USM
ズームロックレバーを備えている
EF16-35mm F2.8 L III USM

プリンターのコーナーでは、9月下旬発売予定のインクジェット複合機「PIXUS TS9030」が目を引いた。フットプリントをA4用紙を少し大きくした程度に抑えた意欲作。フラットでつややかな天板のデザインも新機軸だ。

東京会場では、キヤノン以外にサンディスクもブースを構えており、EOS 5D Mark IVでの連写デモを実施していた。

また、サンディスク公式Twitterアカウトのフォロー、またはサンディスクFacebookページへの「いいね!」で、来場者にメモリカードケースをプレゼントしていた。