デジタルカメラマガジン

写真家9名が撮ったTHETAムックを「BOOK ONLY Version」で復活

16ページ増で、編集アプリやVR環境の進化もフォロー

長らく売り切れになっていたインプレスのムック「RICOH THETA パーフェクトガイド」が、付録のVRスコープを省略した「BOOK ONLY Version」として一部内容も新たに登場しました。ムックの特徴と、その新しくなった部分について担当編集者に聞いてきました。

もともと「本だけ」で売れる自信があった

――BOOK ONLY Versionの企画はどのように生まれましたか?
THETAムック編集者(以下同):2015年11月に「RICOH THETA パーフェクトガイド」を発売したところ、想像以上に好評で売り切れてしまい、欲しいけどお店にないという問い合わせがありました。VRスコープの付録が付いていたため、重版ができず品切れのままだったのです。そこで、なんとかもう一度THETAムックを販売できないかとスタートした企画が「BOOK ONLY Version」です。2016年5月に発売しました。

先に出ていたバージョンも、目玉としてVRスコープという付録こそ付いていたものの、付録ありきの本ではない充実した内容で企画していました。具体的には、THETAというワンボタンで撮れるカメラだからこその「どうやったらもっと面白く撮れるのか」といった写真的アイデアを豊富に入れています。なので、「本だけでも商品として成立する」という自信がありました。

――本の特徴や見どころを教えてください
まず写真好きの方々に向けて、写真家9名による360度ギャラリーをアピールしたいです。みなさんそれぞれの得意分野で撮っていただいたので、「写真好きの目線でTHETAを使うと、どういう絵が撮れるのか」が刺激になるのではないでしょうか。

RICOH THETA パーフェクトガイド「9名の写真家による360°ギャラリー」

  • 中井精也×鉄道
  • 丸田あつし×夜景
  • 鍵井靖章×海
  • なぎら健壱×スナップ
  • 石井寛子×猫&ファミリー
  • 橋本 塁×ライブ
  • 水野秀比古×京都
  • 柏倉陽介×冒険
  • 加藤健志×空撮

THETAというカメラを写真的に見ると、「魚眼レンズが2つ付いている」ことが特徴なので、カメラの位置がものを言います。撮っていると、空間を把握するような、脳の普段は使っていない部分があったかくなるような感覚があります。「全天球=全部が写る」が写真的でないと感じている方こそ、THETAを手に取ってみると意外にハマると思います。

編集アプリや鑑賞方法など、VRの"見せる"楽しみを解説

――昨年の付録つきムックと、内容が変わったところはありますか?
リコーが提供しているTHETA用アプリは、動画のトリミング機能がついたり、静止画撮影にセルフタイマーも使えるようになるなど、その後もアップデートを重ねて使いやすくなっています。今回のバージョンではそのような最新動向に合わせて、解説部分のページを新しくしています。本全体のページ数では、以前のものより16ページ増えました。

全天球画像に編集を加えられる「THETA+」アプリは、ビデオ対応の「THETA+ Video」も登場しました。これまで静止画をベースにInstagramなどを通じて見せるためのアプリとして活躍していましたが、動画にも対応して"動くリトルプラネット映像"などもアップできるようになっています。THETAで撮った写真は他人に見せるのが醍醐味ですから、そうしたアウトプットに関する機能まで全て網羅したいと思って作りました。

個人的には、リトルプラネットの形状にして、平面の動画に書き出すのがオススメです。平面に書き出すとTHETAの意味がないように感じられるかもしれませんが、書き出しの方法によっては、普通のワイドアングルのビデオカメラで撮ったものとは違う絵になって面白いです。

最近は360度画像がますます盛り上がってきたので、例えばGoogleストリートビューのアプリからTHETAを操作して360度画像をアップロードする方法を解説していますし、Facebookと360度動画の組み合わせについても紹介しています。

THETAは、一般ユーザーが最も簡単にVRコンテンツを作れるソリューションだと思うので、そうした面白さも伝えたく、VR向けの撮り方アドバイスもコラムとして入れました。

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