ニュース
富士フイルム、機能拡張版の「X-E2S」を海外発表
X-E2にもファームウェアで新機能
Reported by 本誌:鈴木誠(2016/1/16 12:00)
富士フイルム株式会社は1月15日、ミラーレスカメラの新製品「FUJIFILM X-E2S」を発表した。既存の「FUJIFILM X-E2」をベースに、フォーカス関連など機能拡張を行ったモデル。米国で2月に999ドル(XF18-55mmキット)で発売する。
基本仕様は2013年発売のX-E2に準ずる。撮像素子は像面位相差AFとコントラストAFのハイブリッド対応とした「X-Trans CMOS II」。APS-Cサイズ相当で、有効画素数は1,630万。
EVFは236万ドットの有機EL。ファインダー倍率は0.62倍。表示タイムラグは0.005秒でこちらもX-E2と同様。世界最短としている。
外観では、本体グリップの形状変更や、背面ボタンの割り当て機能表記の有無などがX-E2と異なる。
新たに、背面に「AUTO」ボタンを装備。フルオート撮影のSRオートモードに一発で切り替えられるようにした。
そのほか、現行X-E2からの主なアップデート項目は多岐にわたる。2月4日公開の新ファームウェアVer.4.00を現行X-E2に適用すると、X-E2S相当となる。
主なアップデート内容は下記の通り。
「新AFシステム」を搭載
動いている被写体の決定的瞬間を捉える「ゾーン」、「ワイド/トラッキング」
「ゾーン」を指定することで、Xシリーズ初のゾーンAFが可能になる。全77点のAFエリアから任意の3×3、5×3、5×5のゾーンエリアを設定可能。AF-Cと組み合わせると、ゾーンエリアの中央で捉えた被写体を追従し続ける。
画面中央にエリアを設定すると、像面位相差AFが働く(5×5ゾーンエリアは非対応)。
「ワイド/トラッキング」では、ピントがあったエリアを表示する「ワイド」と、77点全エリアで追従し続ける「トラッキング」からなる。「ワイド」はAF-S、「トラッキング」はAF-Cで利用可能。上下左右に動く被写体や、距離の変わる被写体に有効としている。
暗いシーンでのAF精度の改善
フォーカスエリア内を分割し、被写体までの距離を正確に測ることで、暗いシーンでのピント合わせが高精度になるという。また、像面位相差AFの明るさ追従範囲が、従来より拡大する。
「瞳AF」を搭載
人物の顔の中の瞳を自動検出し、ピントを合わせる。
「オートマクロ」を搭載
被写体との距離に応じて自動でマクロモードになる。「マクロボタン」には別の機能を割り当て可能。
動画モードのAF改善
アルゴリズムを最適化することで、動画撮影中のAFが改善される。
機能の拡張
最高1/32,000秒の電子シャッター
X-E2のメカニカルシャッターは、最高1/4,000秒。電子シャッター機能が加わることで、1/32,000秒の高速シャッターが切れるようになる。P/A/S/Mのいずれでも使用が可能。シャッター音、シャッター音量も設定できる。
動いている被写体については、画像が歪んで撮影される場合がある。フラッシュを使った撮影も不可。
ホワイトバランスブラケティングを搭載
ISO感度オートをAUTO1/AUTO2/AUTO3に拡張
写真表現の幅が広がる「マニュアル露出時の露出補正」を搭載
マニュアル露出でISOオート設定時に、露出補正ダイヤルが使用可能になる。
目で見たままに近い自然な表示「ナチュラルライブビュー」モード
EVF/LCD鮮やかさ調整
動画フレームレート選択
動画マニュアル撮影
ワンプッシュAFの位相差AF対応
プログラムシフト設定領域の拡大
操作性の向上
- 新ユーザーインターフェース
- タイム撮影(T)時にコマンドダイヤルでシャッタースピードを全域変更可能
- マナーモードの名称変更
- AFエリアダイレクト選択
- AE-L(露出固定)/AF-L(フォーカス固定)ボタンの機能入れ替え
- マニュアルフォーカス時にフォーカスエリアのサイズ変更
- Qメニューのカスタマイズ
- 測光エリアのフォーカスエリア連動
- 動画撮影方法の変更