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撮影画像を全デバイスに自動配信する「Eyefiクラウド」が日本対応

既存Mobiユーザーも90日間無料

 アイファイジャパンは7月15日、写真向けクラウドサービス「Eyefiクラウド」の日本語対応を発表した。併せて、4月から米国で展開している新ブランドについても紹介した。

左からアイファイジャパン代表取締役の田中大祐氏、米Eye-Fi Inc,のCEO、Matt DiMaria氏、創業者兼エンジニアのBerend Ozceri氏

 Eyefiクラウドは、年間5,000円の写真管理・共有のためのクラウドサービス。Wi-Fi対応SDカード「Eyefi Mobi」を挿入したデジタルカメラや、Eyefi Mobiアプリをインストールしたスマートデバイスで撮影した写真が自動的にクラウドへアップロードされ、登録した全デバイスにリサイズ済みの画像が自動配信される。動画とRAWデータのアップロードには未対応。

 7月18日から発売という新パッケージのEyefi Mobi(8GB、16GB、32GB。価格は据え置き)購入者に加え、既存のEye-Fi Mobiユーザーも新アプリでのアクティベーションにより90日間は無料でEyefiクラウドのフル機能を利用できる。

新ブランドで展開するEyefi Mobiカード

 90日以降は、カメラからスマートデバイスへの転送とMobiアプリ上の画像整理のみ無料で使える。5,000円を払わずに登録期間が過ぎても、Eyefiクラウド上のデータは削除されないという。新規に購入したEyefi Mobiカードをアカウントに追加すると、また90日間の無料期間が延びる。

既存ユーザーも新アプリへの再登録でEyefiクラウドを90日無料で利用可能
無料期間後に利用可能なサービスの違い

 15日に都内で行なわれた記者発表会には、米Eye-Fi Inc,のCEO、Matt DiMaria氏が登壇した。

米Eye-Fi Inc, CEOのMatt DiMaria氏

 同社は1年前にスマートデバイスとの連携を意識した「Eye-Fi Mobi」を発表。それまで想定していたパソコンベースでの利用シーンから、より幅広いユーザーへのアプローチとしてスマートデバイスでも画像転送機能のセットアップが行なえるようにした。

 DiMaria氏は、Mobiの発売以来、同製品がWi-Fi対応SDカードで最も売れていると説明。昨年6月の段階では米国と日本でのみ販売していたが、現在では40カ国以上で販売しているという。

 同社はWi-Fi対応SDカードのブランドを4月に一新。公式表記が「Eye-Fi」から「Eyefi」(ロゴはeyefi)に変わっている。新ロゴは、カメラマンの目、カメラのフォーカス、コネクティビティという3つの意味を込めたという。DiMaria氏は「単なるブランドの変遷でなく、製品そのものの革命をあらわす」として、Eye-fiクラウドがデジタルイメージング業界を新しいクラウド時代に導くと信じると語った。

新ブランドのパッケージ

 Eyefiクラウドでは、iOS/Android用の新アプリ「Eyefi Mobi」を用意。Eyefiカードを用いて撮影した画像は自動でペアリングしたスマートデバイスに転送され、ネットワークを通じてEyefiクラウドに自動アップロードされたのち、アカウントに紐づいた全てのデバイスにリサイズされたものが配信されるという。

 アップロードした画像は、それぞれオリジナルサイズ、長辺2,048ピクセル、長辺1,280ピクセル、長辺640ピクセルの4通りにリサイズ。デバイスごとに適切と思われる解像度のものがMobiアプリにダウンロードされるという。スマートフォンの容量をむやみに圧迫しないための仕組みだ。

Eyefiクラウドは転送・整理・同期・共有の4機能からなる
Eyefi Mobiアプリ内の設定。Wi-Fi接続時のアップロードに限定できる

 また、ブラウザからEyefiクラウドのWebアプリを使うことで、オリジナルサイズの画像をダウンロードすることも可能としている。

 Eyefiクラウドにアップロードした写真は、Mobiアプリからタグ付けやアルバムの作成が可能。それらの状況はメタデータとして画像データと別に管理され、全デバイスに反映される。少ないデータ転送量で画像整理が行なえるため、通信環境が悪くても快適に使えるとしていた。

 例えば飛行機に乗った場合、機内モードでも画像の閲覧と整理が可能。機内モードを解除してネットワークに再接続した時点で、それまでに行なわれたメタデータの更新(=画像整理)がEyefiクラウドに反映されるという仕組み。

オフラインでも画像の閲覧・整理が可能
画像整理の際はメタデータのみを更新する

 画像共有機能では、アルバムを作成し、メールで共有相手にURLを知らせることができる。また、Eyefiクラウドから共有通知を送った相手には、該当するアルバム内容に更新があった場合、随時メールで知らせる機能も利用できるという。共有相手はEyefiアカウントを持っていなくてもよい。

 なお、リサイズ後に配信された画像そのものにGPS情報などのメタデータは付いていない。Mobiアプリから書き出す際のメタデータ付加も技術的に可能だが、まだ実装はされていないという。

 Eyefiクラウドの年5,000円という価格設定については、「容量無制限で“使うほど安い”点を踏まえれば同様のサービスと比べても勝負ができる」と考えたという。

(本誌:鈴木誠)