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熊切圭介写真展「カオハガンからの風」

(オリンパスギャラリー東京)

 ココ椰子が美しく茂るカオハガン島は、フィリピンのセブ島の南10キロの、オランゴ環礁の中にあります。エメラルドグリーンの珊瑚礁の海に浮かぶカオハガン島は、周囲2キロほど、後楽園ドームより少し大きい程度です。10年前までは電気も無く、現在もガス・水道はありません。水は雨水に頼り、煮炊きは薪で行っています。2012年現在、約500人の島民が、自然のサイクルに合わせて心豊かにゆったりと暮らしています。物質文明にどっぷりと浸っている日本人から見ると、かなり質素でシンプルな生活で、ほとんど自給自足に近い暮らしです。島には開放的で明るい礼拝堂と小学校、バスケットコート、サリサリストアという駄菓子屋のような小さな店が12~3軒あるだけで、当然ながら車は無くコンビニもありません。今年になって2階建ての大きな診療所が出来て、島の大きな話題になっています。

 この美しく愛らしいカオハガン島を、私の友人崎山克彦氏が23年前に買い取り、現在は夫婦で島に暮らしています。心優しい島民と心を通わせながら、カオハガンキルトの制作や環境問題・医療や教育といった福祉への援助を行っています。最近島から7~800メートルの沖合いに、カオハガン熱帯珊瑚保護区を設定し、世界でも有数の海洋生物や珊瑚の保護活動を行っています。そして今年7月から許可を受けた人々に開放するようになりました。島を取り巻く自然環境がますます豊かになり、島民と自然との共生が今迄以上に密になっていくようです。

 約20年にわたりカオハガン島を撮影してきましたが、今回は最近の島の写真を約50点展示しました。

(写真展情報より)

熊切圭介写真展「カオハガンからの風」

  • 会場:オリンパスギャラリー東京
  • 住所:東京都千代田区神田小川町1-3-1 NBF小川町ビル
  • 開催日:2013年1月17日~2013年1月23日
  • 時間:10時~18時(最終日は15時まで)
  • 休館:日、祝日

(本誌:武石修)