オリンパス、一連の買収金額について「損失計上を先送りしていた」


 オリンパス株式会社は8日、Gyrusグループ買収時をはじめとした一連の報酬および買収資金について、「複数のファンドを通すなどの方法により、損失計上を先送りしていた」と発表した。マイケル・シー・ウッドフォード氏の解任に始まる一連の騒動に対する報告であり、それぞれ「高額すぎる」と評された報酬および買収資金について、第三者委員会の調査過程において判明した。

 発表によると、同社は1990年代から、有価証券投資などにかかる損失計上の先送りを行なっていたという。Gyrus Group PLCの買収時にアドバイザーに支払った報酬および優先株の買戻し資金と、国内新事業3社(株式会社アルティス、NEWS CHEF株式会社、株式会社ヒューマラボ)の買収資金についても、複数のファンドを通すなどの方法により、損失計上を先送りしていたことを明らかにした。

 同社は発表文において、今後も第三者委員会への情報提供に尽力すると強調。追加で開示すべき事項が判明次第、速やかに開示を行なうと表明している。

 損失計上の具体的な先送り手法や、先送りすべきほどの高額な報酬および買収金額になった理由について、一層の情報開示を求めたい。

【2011年11月8日13時追記】

 オリンパスは同日12時、当該の損失計上先送りに関わっていたことが判明したとして森久志取締役副社長を取締役副社長から解職すると発表した。同日の取締役会で決議した。併せて、同件に関わっていたという常勤監査役の山田秀雄氏が辞任の意向を示したとしている。

森久志氏(右、2010年12月撮影)

 またオリンパスでは、第三者委員会に対して損失先送りに関わる事実関係について明示的に調査対象とするよう依頼したという。



(本誌:折本幸治)

2011/11/8 12:40