カメラグランプリ2010は「オリンパス・ペンE-P1」がダブル受賞


 カメラグランプリ実行委員会は20日、「カメラグランプリ2010」の受賞製品を発表した。

 大賞には、オリンパスのレンズ交換式デジタルカメラ「E-P1」が選ばれた。また、あなたが選ぶベストカメラ大賞もE-P1に決まった。カメラ記者クラブ賞は、キヤノンのマクロレンズ「EF 100mm F2.8 L IS USM」とソニーの裏面照射型CMOSセンサー「Exmor R」となった。

カメラグランプリ2010 大賞を受賞した「E-P1」

 カメラグランプリは、写真、カメラ雑誌のメカニズム担当記者の集まりであるカメラ記者クラブが優れたイメージング製品を選ぶ賞。今回で27回目を迎える。大賞は、2009年4月1日~2010年3月31日に国内で発売された199機種のうち、最も優れた1機種を選ぶもの。カメラ記者クラブのメンバーを始め、加盟雑誌の編集長、外部選考委員、識者、カメラライター、写真家など合わせて61名が審査に当たった。

 オリンパスの大賞受賞は銀塩カメラも含めて今回が初めて。オリンパスとしては、1998年の「CAMEDIA C-1400L」(カメラ記者クラブ賞)以来12年ぶり3回目の受賞となる。レンズ交換式、レンズ一体型を問わず、いわゆる“ミラーレスデジタルカメラ”としての大賞受賞もE-P1が初となる(レンズ交換式のミラーレス機では、2009年にパナソニックの「LUMIX DMC-G1」がカメラ記者クラブ賞を受賞していた)。

 大賞は2009年のキヤノン「EOS 5D Mark II」に引き続き、レンズ交換式デジタルカメラが9年連続での受賞となった。ダブル受賞は2008年のニコン「D3」に続く2例目。

大賞

 受賞したE-P1は、レフレックスミラーを排したマイクロフォーサーズシステム規格を採用し、小型軽量化高画質化を両立したことが評価された。アートフィルターやライブコントロールなど独自機能を搭載したことについて、「小型ボディに撮る喜びや遊び心を満載したカメラ」とした。「往年の名機『オリンパスペン』の思想と最新のデジタル技術を見事に融合させ、デジタルカメラの新しい方向性を示した」(カメラグランプリ実行委員会)。

E-P1

上位5機種の順位と得点は以下の通り。

  • オリンパス「E-P1」(143点)
  • キヤノン「EOS 7D」(109点)
  • ペンタックス「K-7」(70点)
  • リコー「GXR」(42点)
  • オリンパス「E-P2」(29点)

カメラ記者クラブ賞

 EF 100mm F2.8 L IS USMは、角度ブレおよびシフトブレも補正できる世界初の「ハイブリッドIS」を搭載したレンズ。撮像面に平行な方向へのブレも補正可能になったことから、「手ブレを画期的な技術で補正する本レンズは、大衆性、話題性、先進性に優れた製品に送られるカメラ記者クラブ賞に相応しい」(同委員会)とした。

 Exmor Rは、従来の表面照射型CMOSセンサーとは受光面と配線層を逆に配置したセンサー。入射効率が向上し、暗所でのノイズを低減した。「コンパクトデジタルカメラの性能を拡大させ、一般ユーザーにいち早く提供した最大の功労者」(同委員会)。

カメラ記者クラブ賞を受賞した「EF 100mm F2.8 L IS USM」(左)と「Exmor R」(右、後方はExmor Rを搭載したコンパクトデジタルカメラ)

 カメラ記者クラブ賞は、大賞受賞機種を除くカメラと写真製品、機材のなかから、カメラ記者クラブ会員の合議によって選出する。

あなたが選ぶベストカメラ大賞

 一般ユーザーの投票で最も得票数の多かったカメラに贈られる賞。投票は3月10日~4月10日に実施した。

あなたが選ぶベストカメラ大賞を受賞した「E-P1」

E-P1を支持した投票者の声は以下の通り。

 「閉塞感があったデジタルカメラ業界に一石を投じた」(52歳・東京都)、「かわいい。持ち歩きやすい大きさ、重さ。アートフィルターがおもしろい」(37歳・埼玉県)、「カメラとしての持つ喜びを感じることができるデザイン、質感」(40歳・北海道)、「古くて新しいデザイン。圧倒的な存在感。多機能一眼はもう要らない。これを待っていた」(44歳・京都)、「見た目がオシャレで持っていても恥ずかしくない。アートフィルターえ簡単にプロっぽく写せるのもgoodです」(38歳・神奈川県)

上位5機種の順位は以下の通り。

  • オリンパス「E-P1」
  • キヤノン「EOS 7D」
  • パナソニック「LUMIX DMC-GF1」
  • キヤノン「EOS Kiss X4」
  • ペンタックス「K-7」

【5月20日】カメラグランプリ大賞とあなたが選ぶベストカメラ大賞の順位を追記しました。




(本誌:武石修)

2010/5/20 12:00