富士フイルム「FinePix」の発表会に佐々木希さんが登場

〜ペット検出機能で愛犬を撮影

佐々木希さんと愛犬のマロンちゃん

 富士フイルムは2日、コンパクトデジタルカメラ「FinePix」シリーズおよびデジタルフォトフレームの新製品を発表。都内で発表会を行なった。

 今回発表したデジタルカメラは6機種。Zシリーズで初めて撮像素子にスーパーCCDハニカムEXRを採用した「FinePix Z700EXR」、ワンタッチ動画記録ボタンとアップロード予約ボタンを搭載した「FinePix Z70」、防水・防塵・耐衝撃・耐寒性能を有する小型の「FinePix XP10」、実売1万円台の「FinePix JX200」、単3電池駆動に対応する「FinePix AX200」、28~504mm相当の光学18倍ズームレンズを搭載する「FinePix S2500HD」。

 2010年モデルの特徴として、「有効1,200万画素」、「フジノン光学5倍以上のズームレンズ」、「自動シーン認識」、「HD動画撮影」、「ピクチャーサーチ」を共通仕様とする。発売はFinePix XP10を除いていずれも2月20日。FinePix XP10は3月13日に発売する。

 デジタルフォトフレームの新製品は引き続きシャープ製の液晶パネルを搭載し、全機種でLEDバックライトを採用した。新しい「新モード液晶」を搭載する10.2型の「DP-1020SH」、ASV液晶を搭載する「DP-850SH」、「DP-700SH」の3機種をラインナップし、20日より順次発売する。


「エントリー機種でもデザインには妥協しない」

電子映像事業部長の樋口武氏

 同社電子映像事業部長の樋口武氏は、2009年度のデジタルカメラ事業で力を入れてきたこととして「スーパーCCDハニカムEXR」の採用による差別化を挙げた。また、世界初の3Dシステム「FUJIFILM FinePix REAL 3D System」に対する反響も大きく、「3Dブーム」に乗ってさらに発展させていく考えという。

 BRICKsなど新興国での伸びも大きく、2009年の販売台数820万台から今年は900万台の突破を見込む。コストダウンの実現に伴い2009年度は黒字化の見通しで、いまのところは計画通りの黒字できているという。

 2010年度の取り組みは、10%のシェア目指すための販売力強化と「わかりやすい特徴のあるカメラを出す」という商品戦略に加え、部品の内製化や共通化を進めコストダウンを図る。

 製品においては、エントリー機種でも外観仕上げや質感などには妥協せず、非球面レンズの採用で枚数を削減し小型化した、高倍率のフジノンレンズでも差別化を行なうとしている。また、今回発表のFinePix Z700EXRを「若い女性にぴったり」と紹介するなど、自信を見せた。


「画像漂流時代」のためのサーチ機能を搭載

コンシューマー営業本部FinePixグループ部長の小島正彦氏

 コンシューマー営業本部FinePixグループ部長の小島正彦氏は、現在のデジタルカメラは「画像漂流時代」にあると強調した。

 これまでフィルム写真では年間3本、約80ショットというのが一般平均だったが、デジタルカメラで主流の4GBのメモリーカードを利用すれば、フィルム時代で10年分にあたる1,000枚を撮影できる。近年では撮影した画像をPCに保存するユーザーも減少傾向にあり、カメラの中で1,000枚以上の画像がさまよう時代になっているという。そこで今回発表の新機種には“見せたい画像だけ見せられる”がコンセプトの「ピクチャーサーチ」機能を搭載する。

 ピクチャーサーチは、日付、認識した顔、撮影シーンなどの記録情報でカメラ内の画像を分類し、サムネイル表示するというもの。名前、誕生日、属性の登録を行なえる「個人認識」とともに、目的の画像を検索できる。

ピクチャーサーチ機能の分類要素を選択しているところ「撮影シーンで検索」を選択したところ。シーンに応じた画像が並ぶ

デジタルカメラの普及率は70%

コンシューマー営業本部長の四宮啓司氏

 コンシューマー営業本部長の四宮啓司氏は、内閣府の発表によるとデジタルカメラの世帯普及率は70%で、デジタルカメラの需要は「買い換え・買い増し」に支えられていると説明。今回はそのニーズを追求したという。

 また、デジタル時代においてもプリントやフォトブックが手軽に写真を楽しむものとして発展しているという。フォトブックを扱う店舗数は現在2,500店舗まで拡大し、今後も3,000店舗、4,000店舗と増やす予定と語った。


「ペット自動検出」や「アップロード予約」など搭載のZシリーズ

 FinePix Z700EXRは、操作レスポンスのよさがポイントという3.5型46万画素のタッチパネルを搭載。「次元の違う快適さを提供できると確信している」という。

 ネックストラップが付属した専用ケースも発売する。4種類のカラーを用意し、店頭予想価格は2,980円前後の見込み。ストラップはFinePix Z700EXRの縦位置2点吊りに対応する。

FinePix Z700EXR縦位置表示を上下2分割する「2画面サクサク再生」を利用しているところ
ストラップとケースのセット

 また、FinePix Z700EXRには世界初という「ペット自動検出」機能も搭載。「人間で培った顔検出技術を拡大した」としている。モード選択時に最大10匹までを認識し、正面を向いところで自動的に撮影する「ペットオートシャッター」も装備した。

PCに表示される犬の画像を検出するデモを行なっていた

 FinePix Z70は動画記録とアップロード予約をワンタッチで行なえるボタンをそれぞれ備え、「インターネット世代におすすめ」としていた。

FinePix Z70アップロード先はYouTubeとFacebookから選択できる

新たに耐寒性能も備えた防水デジカメ

 FinePix XP10は3m防水、IP68相当の防塵、高さ1mの耐衝撃、耐寒-10度の性能を有するデジタルカメラとして世界最小のボディを特徴とする。

FinePix XP10ピクチャーサーチで「日付で検索」を選択したところ
水中での利用を再現した展示も行なっていた

エントリー2機種もピクチャーサーチなどに対応

 FinePix JX200は実売1万円台の機種ながらデザインにこだわり、「オーソドックスなボディ」を実現。「いたれりつくせりのコンパクトカメラ」として幅広く使ってほしいという。FinePix AX200は、FinePix JX200の単3電池駆動版としていた。

FinePix JX200
FinePix AX200

HDMI端子搭載の高倍率ズーム機

 FinePix S2500HDは、35mm判換算28~504mmの光学18倍ズームレンズを搭載。今回発表した機種で唯一HDMI端子を搭載する。

FinePix S2500HD

 なお、同日に海外で発表した光学30倍ズームモデル「FinePix HS10」について、発表会での紹介はなかった。


HDMI接続のメディアプレーヤーと新しい同梱ソフト

 今回発表の全機種がHD動画記録に対応したことを受け、FinePixシリーズで撮影したHD動画などをテレビで再生できる「FinePix HD PLAYER」(HDP-L1)を展示していた。挿入したSDHC/SDメモリーカード内のデータを再生する。実売4,000円前後で、3月頃の発売を予定しているという。

 加えて、今回発表の機種(FinePix S2500HDは除く)から同梱ソフトが「FinePix Studio」となる。従来の「FinePix Viewer」の機能を継承し、新たに「スマートサーチ」機能などを搭載。複数の条件を指定し、目的の画像を探すことができる。サムネイルのスクロール表示において3D効果が見られるなど、外観的にも変化が見られる。将来的には他社のデジタルカメラを利用するユーザーに対してもダウンロード提供する予定という。

FinePix HD PLAYERFinePix Studioのスマートサーチ機能

10.2型を追加したデジタルフォトフレーム

 全機種にLEDバックライトを搭載し、50%の省電力化を実現したという。テレビ用の液晶パネルを採用し、「上下左右からきれいに見られるのは富士フイルムだけ」と強調した。

 「DP-1020SH」は10.2型1,024×600ピクセルの「新モード液晶」を搭載。「DP-850SH」は8.5型、「DP-700SH」は7型のASV液晶パネルを搭載し、解像度はいずれも800×480ピクセル。リモコンが付属する。

DP-1020SHDP-850SH(左からホワイト、ブラック)
DP-700SH(左からホワイト、ブラック)背面の操作部

CMには佐々木希さんを起用

 発表会には、8日から放映するテレビCMに出演する佐々木希さんが登場。CMでは日々のストレッチで培ったという「Y字開脚」を披露している。愛犬のマロンちゃんと共演し、「親心として嬉しい」と語った。

 また、実際に佐々木希さんが愛犬のマロンちゃんをFinePix Z700EXRのペット検出機能を利用して撮影。画像を再生しながら「(操作への)反応が早い」と感心していた。

愛犬との写真も展示したFinePix Z700EXRペット検出機能で撮影

約90秒で3Dプリントが可能に

 3D関連の展示コーナーでは、「FUJIFILM 3Dプリントシステム」を開発発表。従来の張り合わせ式と異なり、専用のレンチキュラーシートにプリントする方式を採用。従来方式では注文から手元に届くまで5日かかっていたが、FUJIFILM 3Dプリントシステムでは約90秒でプリントが完了する。1枚あたりの価格は現在の3Dプリント(525円)より安価になる予定という。

3D関連の展示もあったFinePix REAL 3D W1、FinePix REAL 3D V1も展示


(本誌:鈴木誠)

2010/2/2 20:52