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フィルムカメラ風の高品位ミラーレス「OLYMPUS PEN-F」

PENスタイルボディにEVFを内蔵 センサーは2,030万画素に

オリンパス株式会社は、ミラーレスカメラの新製品「OLYMPUS PEN-F」を2月26日に発売する。PENシリーズの最上位モデル。

価格はオープン。税別での店頭予想価格は、ボディのみ15万円前後、12mm F2.0付属のレンズキットが21万円前後。ボディカラーはシルバーとブラック。

OLYMPUS PEN-F 12mmF2.0レンズキット(シルバー)
OLYMPUS PEN-F 12mmF2.0レンズキット(ブラック)

オリンパスが1963年に発売したハーフサイズ・システム一眼レフカメラ「オリンパスペン F」の名を冠するミラーレスカメラ。同社の他の現行製品と同じくマイクロフォーサーズシステム規格に準拠する。

従来のPEN/PEN Lite/PEN miniとは異なり、初めてEVFをボディ内に搭載した。オリンパスの内蔵EVFモデルとしてはOM-Dシリーズが存在するが、今回の発表をもって、PENシリーズにもEVF内蔵モデルが加わることになる。

フィルムカメラを意識した高品位デザイン

製品画像を見ての通り、往年の金属外装フィルムカメラのエッセンスを取り入れた外観が特徴。オリンパスでは「時代を超えた美しいデザイン」であることを強調している。トップカバーとフロントカバーはマグネシウム、底面と削り出しのダイヤルにはアルミ素材を採用。サイズ感はEVF非搭載の現行モデル「OLYMPUS PEN E-P5」に近く、EVFが収められているにしては、E-P5より高さはCIPA準拠の寸法にして3.2mm高いだけだ。

EVFは236万ドットの有機ELで、倍率は1.23倍(35mm判換算約0.62倍)。ダイナミックレンジを拡大し、目視に近いイメージで表示する「OVFシミュレーション」も利用できる。

上面にはモードダイヤル、露出補正ダイヤル、シャッターボタンなどに加え、フィルム巻き戻しノブを模したかのような電源操作部も配置される。シャッターボタン周囲はコマンドダイヤルとして使用可能。モードダイヤルにはロックがつき、C1〜C4のカスタムポジションが設けられた。またモードダイヤルの根元には、各種コントロールを行うレバーが設けられている。

背面モニターは3型の2軸可動式。タッチ機能も備える。モニター裏は革シボ風の部材で仕上げられ、グリップなどと見た目を合わせている。パナソニックLUMIX GX8と同じく、モニターを収納するとフィルムカメラを思わせる風貌となる仕掛けだ。

前面向かって左上に装備する「クリエイティブダイヤル」は、バルナックライカのスローシャッタースピードダイアルを想起させるデザイン。ここからは、アートフィルターやカラークリエーターなどを呼び出せる。

撮像素子は、新開発の有効2,030万画素4/3型Live MOSセンサー。オリンパスのデジタルカメラで、2,000万画素を超えたのは本機が初となる。さらにOM-D E-M5 Mark IIと同じく、8回分の露光を合成して記録画素数を増加させる「ハイレゾショット」も利用可能だ。センサーシフト式の5軸手ブレ補正もE-M5 Mark II譲りとなる。最高感度はISO25600。

詳細なモノクロ調整機能が自慢

シリーズ初の新機能としては、「モノクロプロファイルコントロール」と「カラープロファイルコントロール」が挙げられる。どちらも撮影時にダイヤルとレバーで調整でき、EVFで効果を確かめながら撮影可能だ。

モノクロ撮影時に利用できるモノクロプロファイルコントロールは、カラーフィルター効果、ハイライト&シャドーコントロール、シェーディング効果、粒状フィルム効果、調色の各効果を組み合わせて調整する機能。作品にあわせて詳細な調整を行える点を、オリンパスでは「思い通りの1枚を仕上げるフィルムカメラのプロセスを、ファインダー内で味わえる」と説明している。

なおプリセットとして、コントラストが効いた「クラシックフィルムモノクロ」や、赤外フィルター効果を強調したような「クラシックフィルムIR」が用意されている。

一方、カラー撮影時に使用できるカラープロファイルコントロールは、彩度調整とハイライト&シャドーコントロールを組み合わせた機能。特定色、または全体の彩度を上げるなどの調整が可能だ。

M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZとの組み合わせ例
M.ZUIKO DIGITAL 17mm F2.8との組み合わせ例

最高シャッター速度は1/8,000秒。静音撮影シャッターモードも搭載。ミラーレスカメラ最短のレリーズタイムラグ0.044秒を誇る。連写性能は10コマ/秒(手ブレ補正OFF、ピントと露出は1コマ目で固定)。AFはコントラストAF。

最大フルHDでの動画記録が可能。タイムラプス動画やクリップス(ショートムービー機能)の記録にも対応する。動画記録時にはセンサーシフト式および電子式によるマルチモーションIS(M-IS1)などが働く。

本体にWi-Fi機能を搭載。QRコードによる簡単接続にも対応している。

電源はリチウムイオン充電池のBLN-1。E-M1、E-M5 Mark IIなどと共用できる。撮影可能枚数は約330枚。

記録メディアはSDXC/SDHC/SDメモリーカード。

外形寸法は124.8×72.1×37.3mm。質量は約427g(充電池およびメモリーカード含む)、約373g(本体のみ)。

内蔵フラッシュは非搭載。その代わり、ガイドナンバー9.1(ISO100・m)の外付けフラッシュ「FL-LM3」が付属する。OM-D E-M5 Mark IIにも同梱されているフラッシュで、上90度、左右180度へのバウンス発光も行える。

同梱の外付けフラッシュ「FL-LM3」を装着

本革の質にこだわった「プレミアムレザーシリーズ」も

専用アクセサリーとしては、外付けグリップ「ECG-4」が用意される。金属製で底面にはクイックシューに装着するためのガイドレールが備わっている。装着したままバッテリーの交換が可能。メーカー希望小売価格は税別1万5,000円。

PEN-F用の本革製カメラボディージャケット「CS-47B」も同時に発売。メーカー希望小売価格は税別6,000円。

(ストラップは別売品)

また、PEN-Fの発売にあわせ、「プレミアムレザーシリーズ」がラインナップする。日本製の革で作られたカメラ用アクセサリー。いずれも数量限定で、価格はオープン。ストラップ、ラッピングクロス、カメラバッグが投入される。

ツートーンカラーのストラップ「CSS-S120L PR」は、2色の革の縫い目を特殊な縫製とし、強度としなやかさを両立させたという。ストラップ幅は30mm。店頭予想価格は税別1万1,000円前後の見込み。

ラッピングクロス「CS-48 PR」にも、肌触りの良い本革を贅沢に使用したという。大きめなレンズを装着したままカメラ全体を包み込めるという。店頭予想価格は税別1万4,000円前後の見込み。

カメラバッグの「CBG-11 PR」は、皮革製品の老舗「AJIOKA.」が監修。細部までこだわったという。店頭予想価格は税別4万6,000円前後の見込み。

(本誌:折本幸治)