イベント
OLYMPUS PEN-Fの先行展示会レポート
赤城耕一氏と曽根原昇氏のトークショーも
Reported by 本誌:武石修(2016/2/6 19:19)
オリンパスは、ミラーレスカメラの新製品「OLYMPUS PEN-F」の発売前先行展示とトークイベントを東京・新宿で開催した。ここでは2月6日の模様をお伝えする。
本イベントは2月7日以降も東京と大阪で開催される。詳細はこちらを参照されたい。
オリンパスプラザ東京(17Fセミナールーム)
- 2月7日(日):曽根原昇氏(12時~13時)、赤城耕一氏(15時~16時)
- 2月13日(土)、2月14日(日):河田一規氏(12時~13時)、飯田鉄氏(15時~16時)
所在地は東京都新宿区西新宿1-24-1 エステック情報ビル。営業時間は11時~19時(木曜・同社休業日定休)。先行展示はB1ショールームで行う。
オリンパスプラザ大阪(1Fショールーム)
- 2月13日(土):曽根原昇氏(12時~13時)、赤城耕一氏(15時~16時)
OLYMPUS PEN-Fは、2月26日に発売されるマイクロフォーサーズカメラ。同社往年の銀塩カメラ「オリンパスペンF」の名前を冠することや、クラシカルな外見などで話題となっている。
オリンパスプラザ東京では、ショールーム内に体験コーナーを設置。9台のPEN-Fが並んだ。これらは製品同等版で、SDカードを持参すれば画像の持ち帰りも可能となっている。
いずれのPEN-FもキットレンズのM.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2.0が装着されていた。なお、体験コーナーでは他のレンズを試すことはできない。体験コーナーは盛況で、1人5分という時間制限があった。
トークショーは満員に
同じ会場では写真家によるトークショーも実施。先着の定員制とあって、開場前から整理券を求める列ができていた。定員は40人以上だったが、いずれも満員だった。
この日最初のトークショーには曽根原昇氏が出演。
曽根原氏は新機能である「プロファイルコントロール」について主に説明した。最初は通常のモノクロモードで撮影していたというが、途中からモノクロのプロファイルコントロールを使い始めたところ、「現場で絵を作り込めるから、かなりはまった。フィルム時代のフィルターワークができるし、シェーディング(周辺減光)も調節できるのがよかった」とした。
オリンパスプラザ東京では曽根原氏の写真展「イスタンブルの壁のなか」が開催中だ。そこで展示している作品はどれも深みのある独特の調子になっている。写真展の作品はOLYMPUS OM-D E-M1で撮影し、レタッチで作り込んだとのことだが、曽根等原氏によるとPEN-Fのカラープロファイルコントロールを使えば、パソコンを使わずに同じような効果を適用できるとして、その設定も披露した。
曽根原氏は、「これだけできるのであれば、次の作品撮影にはぜひPEN-Fを使いたい。このカメラは銀塩のペンFの単なるデジタル版ではなく、その革新性を受け継いだカメラ」と締めくくった。
続いては、赤城耕一氏とオリンパス 映像商品戦略部部長の片岡摂哉氏のトークショーが行われた。
片岡氏は、「自分たちが中学生の頃に憧れたカメラへの思いを受け止めるものを作りたかった。敢えてPEN-Fという名前を付けたのは、批判もあるだろうが逃げずに我々としての答えを出したかったから。今のデジタルカメラにPEN-Fという名前をつけるならこういうものを、と考えた。単なるペンFの復刻品ではない」と説明した。
赤城氏は、「ペンFへの尊敬が感じられるカメラになった。電源スイッチの感触も良いし、EVFの上に飛び出た部分も触っていて気持ちが良い」と質感を褒めていた。
PENシリーズへのEVFの搭載は初代から要望があったと言うが、小型で十分な性能のデバイスがなく、搭載を見送ってきたそうだ。今回、搭載できるサイズで見えの良いデバイスが登場したことで、EVFの内蔵が実現したという。EVFの突出部も、「見えを落としてまでフラットにする必要は無い」(片岡氏)として、現在のデザインとなった。
また片岡氏は、液晶モニターにチルト式ではなくバリアングル式を採用した理由を、「液晶の裏側に革を貼りたい」という開発者の意見によるものだったと明かした。赤城氏も、「素晴らしい。なかなかここまではやらないですよ」と評した。
赤城氏もモノクロのプロファイルコントロールを試しており、「モノクロで色々いじったが、かなりいい。階調の繋がりが良い」と気に入った様子で語っていた。