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センサーシフトで超解像「PENTAX K-3 II」

流し撮り対応など、手ブレ補正やAF性能も向上

リコーイメージングは、ペンタックスブランドのデジタル一眼レフカメラ「PENTAX K-3 II」を5月22日から発売する。

ラインナップと店頭予想価格は、K-3 IIボディキットが税別13万円前後、18-135WRレンズキットが税別17万円台半ば、16-85WRレンズキットが税別19万円台半ば。16-85WRレンズキットのみ、発売日未定で近日発売としている。

K-3 II 18-135WRレンズキット
K-3 II 16-85WRレンズキット

2013年11月に発売した「PENTAX K-3」の後継機。大きな特徴として、センサーシフト式の手ブレ補正機構を応用した「リアル・レゾリューション・システム」が搭載されたほか、GPSや電子コンパスを内蔵して「アストロトレーサー」がカメラ単体で利用できるようになった点がある。GPS/電子コンパスをペンタ部に収め、内蔵ストロボは非搭載とした。

また、高感度ジャイロセンサーの採用による手ブレ補正効果の向上(従来の3.5段→4.5段に)や、手ブレ補正の流し撮り対応(自動検知で切り替え)といった機能アップも行われた。

新たなSR応用技術「リアル・レゾリューション・システム」

これまでペンタックスのデジタル一眼レフカメラでは、手ブレ補正に用いるセンサーシフトの機構を応用し、三脚撮影時にイメージセンサー自体を動かして上下位置と回転方向を微調整できる「構図微調整」や、簡易な天体追尾撮影機能「アストロトレーサー」、露光中にセンサーを動かして疑似的に光学ローパスフィルターの効果を持たせる「ローパスセレクター」を実現してきた。

新開発のリアル・レゾリューション・システムは、1画素ずつセンサーを動かした4枚を撮影し、各画素の位置でRGBそれぞれの色情報を得ることを目的とする、新開発の超解像技術。出力サイズは通常撮影と同じ24メガだが、画像の尖鋭感や質感再現を向上するというもの。疑似的にRGBの3層カラーセンサーを再現するものと言えば理解しやすいだろう。

重ね合わせを行なう撮影のため、三脚の使用が必須で、被写体も静物が対象。適性露出の4コマを撮影して合成する。ランダムノイズが重ね合わされるため、高感度に設定してもノイズが出にくいという。

2秒セルフタイマーとの併用を推奨。動作は「ミラーアップ→電子シャッターで4枚撮影→ミラーダウン→画像処理」といったシーケンス。ローパスセレクターとの併用も技術的には可能だが、重ね合わせにより原理的にはモアレが発生しないため、オンには設定できない。

新AFアルゴリズムで追尾性能を強化

AFセンサーをK-3から継承しつつ、新しいアルゴリズムを採用。遠ざかる、あるいは向かってくる被写体への追尾性能を強化した。

また、一部レンズでシングルAFでの合焦追い込みを高速化した。現時点では「HD PENTAX-DA 18-50mm F4-5.6 DC WR RE」、「HD PENTAX-D FA★ 70-200mm F2.8 ED DC AW」、「HD PENTAX-D FA 150-450mm F4.5-5.6ED DC AW」において、トータルでの合焦時間を短縮している。今後登場するレンズは対応するが、既存のレンズに対しての対応拡充は予定していないという。

手ブレ補正の機能向上とともに、AF性能強化で70-200mmや150-450mmといった新しい望遠ズームレンズを活用してもらうことを意識しているという。

回折補正など、K-3継承の基本性能

撮像素子や画像処理エンジンはK-3を踏襲。有効約2,435万画素のAPS-Cサイズ相当CMOSセンサー、PRIME III、光学ローパスフィルターレス構造としている。

設定可能感度はISO100〜51200。連写速度は約8.3コマ/秒。AFの-3EV対応や、搭載するカスタムイメージやフィルター類にも変更はない。

防塵防滴のシーリング箇所

外観はK-3をほぼ継承。視野率約100%をはじめとしたファインダー周りのスペックや、防塵防滴といった仕様もK-3を継承している。

ペンタ部の高さがGPS/電子コンパスの内蔵により2.5mm増したほか、GPSへの影響を考慮してモードダイヤルの文字をプリントにした。また、背面モニター下部のメーカー表記が省略された。

また、ファームウェアアップデートを行なったK-3や、中判デジタル一眼レフカメラの645Zでも利用できる「回折補正」を出荷時から搭載している。

記録メディアスロットはダブルスロットで、別売の「FLUCARD FOR PENTAX」を使用するとWi-Fi経由の画像転送やリモート撮影が可能になる。

バッテリーはK-3と共通のD-LI90P。撮影可能枚数は約720枚で、内蔵ストロボを持つK-3のストロボOFF撮影時と同様の数値。

バッテリーグリップもK-3と共用

外形寸法は約131.5×102.5×77.5mm。重量は約785g(バッテリー、SDカード1枚込み)、約700g(本体のみ)。

(本誌:鈴木誠)