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「ジャパンバードフェスティバル2014」に各社が新製品を出品

コーワのマニュアルフォーカスm4/3レンズなど

鳥をテーマにした国内最大級のイベント「ジャパンバードフェスティバル2014」が、11月1日・11月2日の2日間にわたり千葉県我孫子市にある手賀沼周辺の関連施設にて開催された。

ジャパンバードフェスティバル(Japan Bird Festival、略称:JBF)では、鳥や自然環境に関する発表、全日本鳥フォトコンテストの作品展示が行なわれるほか、カメラメーカー、観察用品メーカーなどが出展しているのが特徴。鳥を観る、撮るという視点で多くの団体・メーカーが参加している。今年で14回目の開催となる。

コーワ

コーワ(興和光学)は、主力製品であるスポッティングスコープや双眼鏡のほか、マイクロフォーサーズ用レンズ3本を展示していた。いずれも金属鏡筒、マニュアルフォーカスの製品。

9月20日に発売されたKOWA PROMINAR 8.5mm F2.8は、検査用レンズの光学系とスコープの光学系の技術が取り入れられているのが特徴。また、動画撮影を意識しており、絞りの調整機構に「デュアルリンクアイリス」という可変機構を採用した。動画撮影時にクリック音が入り込まないよう、クリックストップが無効になる仕組み。

KOWA PROMINAR 8.5mm F2.8。9月20日に発売されたマニュアルフォーカスの超広角レンズ
絞りリングには「デュアルリンクアイリス」と呼ばれる機構を採用した。クリック感ありとクリック感なしを選べる

レンズ構成は4群17枚。絞り羽根9枚(円形絞り)。最短撮影距離は0.2m。フィルター径は86mm。重量は440g(フード除く)。価格は税別11万6,000円。

他にもマイクロフォーサーズ用の交換レンズとして、KOWA PROMINAR 25mm F1.8、KOWA PROMINAR 25mm F1.8が参考出品されていた。

KOWA PROMINAR 25mm F1.8

KOWA PROMINAR 25mm F1.8は、35mm判換算50mm相当の単焦点レンズ。

レンズ構成は6群8枚。絞り羽根9枚(円形絞り)。最短撮影距離は0.25m。フィルター径は55mm。重量は400g(フード除く)。価格は11万6,000円を下回る予定。2015年1月に発売予定。

KOWA PROMINAR 12mm F1.8も2015年1月に発売予定。焦点距離24mm相当(35mm判換算)の広角レンズだ。

KOWA PROMINAR 12mm F1.8。8.5mmと同じくグリーン鏡筒の製品も用意される

レンズ構成は10群12枚。絞り羽根9枚(円形絞り)。最短撮影距離は0.2m。フィルター径は72mm。重量は475g(フード除く)。価格は11万6,000円を下回る予定。

同社は1978年にコンシューマ向けカメラ事業から撤退したが、同3本のレンズをもって2014年に再参入を果たしたことになる。カラーは3本ともブラック、シルバーとコーポレートカラーであるグリーンの3色をラインナップ。

双眼鏡では、新発売の大口径56mmのBD56XDや32mmクラスのBD32XDなどが並んだ。

9月に発表されたばかりのBD56XDシリーズ。対物レンズに特殊低分散光学ガラスを採用し、色収差が抑えられているのが特徴。倍率の異なる(8/10/12倍)の3種類がラインナップされている。

BD56-8XD PROMINAR
BD32-8XD PROMINAR。倍率の異なる(8/10倍)の2種類がラインナップされている

キヤノン

キヤノンは発売されたばかりの高倍率モデル「PowerShot SX60 HS」をはじめ、11月下旬発売予定の「EF400mm F4 DO IS II USM」など最新製品が並んでいた。

来場者に高い関心を持ってもらえたという「PowerShot SX60 HS」
バードフェスティバルらしく、「EF400mm F4 DO IS II USM」や「EF70-300mm F4-5.6L IS USM」などの望遠系レンズと組み合わせて展示されていたAPS-C機のフラッグシップモデル「EOS 7D Mark II」
11月下旬発売予定の「EF400mm F4 DO IS II USM」
「EF200-400mm F4L IS USM エクステンダー 1.4×」などの望遠レンズが多数並んだ
手ブレ補正機構を内蔵したLレンズの双眼鏡「10×42 L IS WP」。JIS保護等級7級相当の防水性能を持つフラッグシップモデル

ニコン

ニコンも双眼鏡を中心に望遠レンズなどを展示していた。純粋なカメライベントではレンズが中心となるところだが、鳥をテーマとするイベントだけあって、同社の双眼鏡がメイン。そのうち、高い光学性能と防水に対応したという双眼鏡「MONARCH 7」が主力だ。

この他にも、タッチ&トライコーナーには望遠レンズと組み合わせて「D750」が活躍していた。

「Nikon 1 V3」と一緒に展示されていた「1 NIKKOR VR 70-300mm f/4.5-5.6」
8月に発売された「AF-S NIKKOR 400mm f/2.8E FL ED VR」
同社のミドルクラス双眼鏡「MONARCHシリーズ」の中で最も機能性と携帯性に優れた「MONARCH 7」

オリンパス

オリンパスのブースでは、11月中旬発売予定のコンパクトデジタルカメラ「STYLUS 1s」をはじめ、マイクロフォーサーズ用レンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO」、レンズアクセサリの「M.ZUIKO DIGITAL 1.4x Teleconverter MC-14」などを中心に展開。

11月中旬発売予定の「STYLUS 1s」。28-300mm相当のズームレンズを搭載する高級コンパクトデジカメ。開放F値はズーム全域でF2
11月29日発売の「M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO」と「M.ZUIKO DIGITAL 1.4x Teleconverter MC-14」。コンパクトな鏡筒に注目が集まった
イーグルアイ(ドットサイト照準器)を内蔵した「STYLUS SP-100EE」

その他にも単眼鏡の「Monocular i」や双眼鏡の「8×21 RC II WP」、ICレコーダーなどが置かれていた。

単眼鏡・双眼鏡ゾーンは小さめ。ただし、他のブースにはないICレコーダーやカメラ用マイクなども展示されていた

BENRO

BENROは新製品として、カーボンコンビネーション三脚「C5790TN」など展示。「C5790TN」は同社三脚の利用者から要望として届けられた“高さ”に注力して計画された製品で、同社初の2,000mmオーバーとなる2,075mm(5段)を実現した。

特に鉄道、飛行機を撮影するユーザーの意見を参考にしたとのことで、望遠レンズを快適に利用できるという。

「C5790TN」のスペックは、全伸高2075mm(5段)、最低高715mm、自重3.69kg、耐荷重32kg
重いレンズやムービー用途で利用する際、シッカリと固定できるようにスパイクが打てる
センターポールの切り替えに対応。年内の発売を予定しており、価格は10万円を切りたいとのこと

ケンコー・トキナー

ケンコー・トキナーは、「プロフィールド 7×32」や「プロフィールド 8×40 WP」などの双眼鏡やフィールドスコープの「MILTOLシリーズ」を展示。MILTOLシリーズでは、交換レンズ、テレスコープ、フィールドスコープの3タイプを体験できた。

独自開発のガラス非球面レンズを採用して周辺の歪みを抑え、シャープな像を映し出せるという「プロフィールド 7×32」
防水仕様で8倍の倍率をもつ「プロフィールド 8×40 WP」
「MILTOL 400mm F6.7 EDレンズ」は、レンズマウント、アイピースなどのシステムが異なる交換レンズ、テレスコープ、フィールドスコープという3タイプで展開している

カールツァイス

カールツァイスは、2015年春発売予定の双眼鏡「VICTORY SF」を参考出展。8倍の「VICTORY SF 8×42」と「VICTORY SF 10×42」の2種類を展示していた。人間工学に基づいたデザインが特徴で、さらに新設計のスマートフォーカス機構により、素早くピント合わせられるという。

2015年春発売予定の双眼鏡「VICTORY SF」。想定価格は30万円前後
エントリーモデルの「TERRA ED blue」や近接利用に強い「CONQUEST HD」なども展示されていた

COTTON CARRIER

パラゴンジャパンは、新製品となる「COTTON CARRIER BINOCULAR SYSTEM(コットンキャリア双眼鏡ホルスター)」を含め、従来品の「COTTON CARRIER STRAP SHOT」などのキャリーシステム関連製品を展示していた。

新製品の「COTTON CARRIER BINOCULAR SYSTEM」はバードウォッチングを意識した製品。双眼鏡の三脚穴を利用して“ハブ”と呼ばれるアタッチメントを取り付け、ホルスターのロック機構で固定できる。

通常、双眼鏡はストラップを使って首から提げるか、直接持って移動するが、本製品を使うことで両手をあけられるというメリットがある。

取り外しは90度ほど回転させて引き上げるだけ。特別なレバーなどはなく、装着・取り外しが容易であることもポイント。

双眼鏡の三脚穴に専用のアタッチメントを取り付けて利用する
キャリーシステムとしては、従来のカメラ用の「COTTON CARRIER STRAP SHOT」と同様。同じホルスターで双眼鏡・カメラともに利用できる

バンガード

ガードフォースジャパンでは、バンガードブランドの双眼鏡「Endeavor EDシリーズ」の改良モデルとして、「Endeavor EDIIシリーズ」に属する3製品などを展示した。こだわったのはナチュナルな色作りだといい、コントラストを強めずに、より鳥本来の色を出せるように設計されている。

現在では専門店を中心に販売しているが、来年1月以降は量販店でも買えるようになるという。

8倍42mm径の「Endeavor EDII 8420」
8倍32mm径の「Endeavor EDII 8320」
10倍42mm径の「Endeavor EDII 1042」

リコーイメージング

リコーイメージングは、野鳥観察に便利な双眼鏡ラインナップに加え、比較的近距離で利用できる双眼鏡「Papilio」などを紹介。一般的な双眼鏡では不可能な、最短50cmでのピント合わせが可能だ。

最短ピント合わせ距離50cmのコンパクト双眼鏡「Papilio」

ビクセン

ビクセンでは、アウトドア用品メーカー「コールマン」とのコラボレーション双眼鏡などを展示していた。また、同社主力の天体関連製品もみることができた。

コールマンモデル「HR8×32WP」。日中だけでなく、低照度環境での野鳥観察、天体観察にも利用できるという
派手目なカラーリングの「アリーナ Hシリーズ」。使いやすい8倍双眼鏡で、スポーツ観戦やライブなどでの利用を想定している
この他にもオイル式の「LEDコンパス」なども展示。本体横のボタンを押すとLEDが赤く光り夜間でも利用できる。また透明カプセルを採用したことで、頭上に掲げた状態で利用するといったことも可能
星空雲台ポラリエ用の「タイムラプスアダプター」。ポラリエの裏蓋を外して装着することで、回転軸を縦方向に変更できる。発想が面白い
こんな感じで使用する。通常はカメラ雲台と直角方向を三脚に固定する

(飯塚直)