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キヤノン、カメラ付属のRAW現像ソフトを大幅アップデート

色域別コントロール機能、階調自動補正を新搭載

 キヤノンは6月16日、RAW現像ソフト「Digital Photo Professional」とリモート撮影ソフト「EOS Utility」を大幅にバージョンアップすると発表した。それぞれを「Digital Photo Professional 4.0」(以下DPP 4.0)、「EOS Utility 3.0」(以下EU 3.0)として6月26日から無償公開する。

 ともに対応機種は「EOS-1D X」、「EOS-1D C」、「EOS 5D Mark III」、「EOS 6D」。対応OSはいずれも、Windows 7/8/8.1、Mac OS 10.8/10.9。

 DPP 4.0では、画像調整機能などの強化に加えて、GUIを全面的に見直して操作性の向上を図った。また偽解像の低減など画質も向上させた。

DPP 4.0の主な特徴

新機能の追加
  • 8つの色域に対し、「色相」「彩度」「輝度」の調整が可能。他の色域に影響を与えることなく特定色域のみを指定して調整することが可能。
  • 画像の明るさの分布を示すヒストグラム情報を自動で解析し、階調(輝度)を自動で調整することが可能。
従来機能の強化
  • 撮像素子が感応できる明暗部の幅を示すダイナミックレンジを自由に決定できる RAWヒストグラム調整機能において、ハイライト側の調整幅を拡大。
  • ハイライト機能およびシャドースライダー機能のアルゴリズムを変更し、階調や色の再現領域を大幅に拡大。黒くつぶれ気味な木陰や白く飛び気味な人物の顔、雲の繊細なトーンなどを再現することが可能。
  • 偽解像を低減し、細部の再現性を高め、さらに解像感を向上させることにより高画質を実現。
  • 撮影時のレンズ設定などを画像から読み取り、画質劣化の要因となりうる光学系の諸収差を補正する「デジタルレンズオプティマイザ※」を搭載。 ※キヤノンの一部のEFレンズおよびEFレンズ以外のカメラ用レンズは非対応。
作業効率の向上
  • よく使う機能を GUI上に表示し、それぞれのボタンの配列をアクセスの良い位置に変更が可能。初期設定の「印刷」と「保存」に加えて最大4つまで機能ボタンの表示や機能ボタンの順序の自由な設定が可能。
  • プレビューウインドー内において2枚の画像のセレクト比較表示や、レーティング付けなど、大量の画像から特定の画像を選択・編集する作業効率を向上。
  • 1万枚ほどの大量のサムネイル画像でも一度に表示が可能な他、任意の画像をフィット表示から 400%の拡大表示まで簡単に変更することが可能。
  • 従来の「ソート機能」に加え、「チェックマーク 1以上」や「レーティング 3以上」など、指定した条件に合った画像のみを表示する「フィルター機能」を新たに搭載。

 EU 3.0はパソコンからカメラをコントロールするソフトで、DPP 4.0との連携を強化した。「セレクト比較表示」では、設定を微調整して再撮影するといったワークフローが可能となる。

EU 3.0の主な特徴

  • “DPP 4.0”との連携強化により、“DPP 4.0”の「リモート撮影」ボタンから“EU 3.0”を起動させると同時に「カメラコントロール」画面が開き、“DPP 4.0”側でリモート撮影が可能。
  • 撮影した画像を比較・セレクトしながらリモート撮影が可能。その場で撮影画像を確認して撮影変更を繰り返し行えることで、作業効率を大幅に改善。

(本誌:武石修)