シグマ、大口径広角レンズ「35mm F1.4 DG HSM」を正式発表


 シグマは、交換レンズ「35mm F1.4 DG HSM」のシグマ用を23日、キヤノン用を30日にそれぞれ発売する。価格は12万3,900円。ソニー用、ニコン用、ペンタックス用の発売日は未定。

 35mmフルサイズのイメージサークルをカバーする大口径広角単焦点レンズ。フォトキナ2012で開発発表していた製品で、新プロダクトラインにおける第1弾となる。

 新プロダクトラインは同社製レンズを今後、Contemporary、Art、Sportsの3つのラインに集約するもの。35mm F1.4 DG HSMは「あらゆる設計要素を最高の光学性能と豊かな表現力に集中して開発、高水準の芸術的表現を叶える」というArtラインに属する。鏡胴にはArtラインを示す“A”のエンブレムが付く。

 なお、同じくフォトキナ2012で開発発表したContemporaryラインの「17-70mm F2.8-4 DC Macro OS HSM」および、Sportsラインの「120-300mm F2.8 DG OS HSM」については、執筆時点で正式な発表はない。

付属のフードを装着したところ。

 レンズ構成は11群13枚。蛍石と同等の性質を持つというFLD(“F”Low Dispersion)ガラスとSLD(Special Low Dispasion)ガラスを採用。レンズのパワー配置を最適化することで倍率色収差と軸上色収差を補正した。

 またコマ収差の補正によって、画面周辺部の点光源の滲みも少ないとする。さらにレンズ第1面の非球面レンズにより、歪曲収差を補正しながらも周辺光量を確保したとしている。フレアやゴーストを軽減するスーパーマルチレイヤーコートも施した。

 撮影距離の変化による収差変動が少ないというフローティングインナーフォーカスも採用。近接撮影でも高い描写性能を発揮するという。AF駆動は超音波モーター「HSM」。

 今回のレンズから、4,600万画素Foveonダイレクトイメージセンサーを用いた独自のMTF測定器「A1」による全数検査を実施する。A1では、これまで検出できなかった高周波成分の検出まで可能になったという

 ファームウェアのアップデートや合焦位置の調整ができるオプション「USB DOCK」(2013年発売)に対応する。

 最短撮影距離は30cm。最大撮影倍率は1:5.2。絞りは9枚の円形絞り。外寸は77×94mm(最大径×全長)、重量は665g(数値はシグマ用)。

レンズ構成図。黄がFLDガラス、青がSLDガラス、赤がガラスモールド非球面レンズ




(本誌:武石修)

2012/11/7 17:03