ソニー、無線LAN・アプリ機能搭載の「NEX-6」
ソニーは、Eマウント採用のレンズ交換式デジタルカメラ「NEX-6」を11月16日に発売する。モードダイヤルを搭載するなど、一般的なデジタルカメラの操作性を意識したモデル。さらに、無線LAN機能やユーザーによるアプリの追加機能を採用するなど先進的な面も持ち合わせる。
価格はオープン。店頭予想価格は、ボディ単体が9万5,000円前後、パワーズームレンズキットが11万円前後、ダブルズームレンズキットが13万5,000円前後の見込み。
キット名 | 型名 | 付属レンズ | 店頭予想価格 |
ボディ単体 | NEX-6 | − | 95,000円前後 |
パワーズームレンズキット | NEX-6L | PZ 16-50mm | 110,000円前後 |
ダブルズームレンズキット | NEX-6Y | PZ 16-50mm 55-210mm | 135,000円前後 |
NEX-6パワーズームレンズキット。E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSSが付属 | NEX-6ダブルズームレンズキット。E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS、E 55-210mm F4.5-6.3 OSS |
最上位モデル「NEX-7」(1月27日発売)と同時発表の「NEX-5R」との間に位置する製品。NEX-7と同様にEVFや内蔵ストロボを備えつつも、3ダイヤルを利用するトライダイヤルナビではなく、モードダイヤルを中心とした操作系を採用する。
海外では9月21日に発表済み。フォトキナ2012やCEATEC JAPAN 2012などでも展示され、日本での正式発表が待たれていた。
また、同時発表のNEX-5Rと同じく、本体に無線LAN機能を搭載。スマートフォンなどへの画像転送に対応する。ユーザーがカメラ内に好きなアプリを導入して機能強化を行なう「PlayMemories Camera Apps」も利用できる。
パワーズームレンズキットに付属する「E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS」は、NEX-6と一緒に発表された新製品。
E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSSを装着した状態 | |
■位相差AFとコントラストAFを組み合わせた「ファストハイブリッドAF」
撮像素子は、有効約1,610万画素のExmor APS HD CMOSセンサー。現行モデル「NEX-5N」や、同時発表の「NEX-5R」と同じスペックになる。
最高感度はISO25600。α99やサイバーショットDSC-RX1に採用された「エリア分割NR」も新たに採用された。
NEX-5Rと同じく、位相差AFとコントラストAFの組み合わせによる「ファストハイブリッドAF」を搭載。高速なピント合わせが可能になったという。10コマ/秒での連写時にもAFが追随する。
なおNEX-6の発売にあわせ、「E 18-55mm F3.5-5.6 OSS」、「E 18-200mm F3.5-6.3 OSS」、「E 55-210mm F4.5-6.3 OSS」、「Sonnar T* E 24mm F1.8 ZA」に対するファストハイブリッドAF対応ファームウェアが公開される予定。
本体内蔵のEVFには有機ELを使用。0.5型(1.3cm)235万9,296ドット。倍率は約1.09倍(50mmレンズ時)。スペックはNEX-7のものと変わらない。
■NEX-7とは異なる操作系を採用
モードダイヤルとコントロールダイヤルは、シャッターボタンの後ろに同軸で配置。モードダイヤルで露出モードを変更、コントロールダイヤルと背面のコントロールホイールで設定値を変更できる。例えば、Mモード時はコントロールダイヤルで絞り値、コントロールホイールでシャッター速度をセットする。
撮影モードダイヤルを右手側に搭載。その下は絞り値などを設定できるコントロールダイヤル。シャッターボタンの右にはFn(ファンクション)ボタンも見える |
また、Aマウント機でおなじみのクイックナビも搭載された。ファインダー撮影を行なうユーザー向けの機能で、液晶モニター画面にAFモード、ホワイトバランス、ISO感度といった主要設定項目を一覧表示するもので、コントロールダイヤルとコントロールホイールの組み合わせで、設定の変更を素早く行なえる。
シャッターボタン横のFn(ファンクション)ボタンも本機の特徴。登録した設定項目をFnボタンで呼び出し、コントロールホイールの左右で設定値を変更できる。
■無線LAN機能やアプリのダウンロードも
無線LAN機能はIEEE 802.11b/g/bに対応。スマートフォンやPCへの画像転送に加え、DLNAにも対応するのでテレビなど家電製品との連携も可能となっている。
PlayMemories Camera Appsのインストールは、無線LAN、またはUSB接続されたPC経由で行なう。利用にはSEN(Sony Entertainment Network)アカウントが必要で、アカウントの取得にはPCなど別のデバイスから行なう。
アプリケーショントップ画面 |
インストール画面 |
発売時に用意されるアプリは「ピクチャーエフェクト+」、「ダイレクトアップロード」、「スマートリモコン」、「フォトレタッチ」(以上無料)、「ブラケットPro」、「マルチショットNR」(以上500円)。
アプリで提供される「ピクチャーエフェクト+」とは別に、ピクチャーエフェクトは本体にも搭載されている(11種15バリエーション)。
ピクチャーエフェクト+(トイカメラ+) |
ピクチャーエフェクト+(ミニチュア+) |
また、ダイレクトアップロードは、Facebookなどに画像をアップロードするアプリ。別アプリ「POBoxキーボード」を使っての日本語コメント入力も行なえるという。
ダイレクトアップロード(画像選択) |
ダイレクトアップロード(サービス選択) |
スマートリモコンは、スマートフォンの画面を使ってリモコン撮影を行なうアプリ。
スマートリモコン |
その他、価格・配信日未定ながら、「タイムラプス」、「シネマフォト」が配信予定となっている。このうちシネマフォトは、写真の一部を選択すると、その部分だけが動き出す作品が作れるアプリになるという。
■アクセサリーシューは一般的な形状に
動画はAVCHD 2.0(Progressive)に対応。MP4形式での記録(最大1,440×1,080/30fps)も行なえる。
液晶モニターは3型92万ドット。NEX-7と同様の形状で、同じくチルト式となっている。NEX-F3やNEX-5Rと異なり、自分撮りポジションは不可能。
記録メディアはSDXC/SDHC/SDメモリーカード、またはメモリースティックPRO-HGデュオ/PROデュオ。
NEX-7と同様、ポップアップ式のストロボを内蔵。ガイドナンバーは6(ISO100)。
バッテリーはNP-FW50。NEX-7、NEX-5N、NEX-F3などと共用できる。USB充電にも対応。
撮影可能枚数は、液晶モニター使用時が約360枚、EVF使用時が約270枚。
なおアクセサリーシューには、α99から採用された「マルチインターフェースシュー」を採用している。一般的な形状を持ちつつ、今後登場するα用アクセサリーに対応。旧来のαアクセサリーは別売のシューアダプター経由で、クリップオンストロボ「HVL-F60M」といった新規のアクセサリーについては、そのまま装着が可能。
その他、ピーキング表示、レンズ補正、アンチダスト、電子水準器、全画素超解像ズームなどの諸機能を利用できる。
外形寸法は119.9×66.9×42.6mm。質量は約345g。
専用アクセサリーとして、ボディケース&レンズジャケット「LCS-ELC6」も用意される。カラーはブラックとホワイト。
主要部の素材は本革。対応レンズはE 16mm F2.8、E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS。
ボディケース&レンズジャケット「LCS-ELC6」(ブラック) |
ボディケース&レンズジャケット「LCS-ELC6」(ホワイト) |
■主な仕様
機種名 | NEX-6 | NEX-7 |
撮像素子 | Exmor APS HD CMOSセンサー | |
有効画素数 | 1,610万画素 | 2,430万画素 |
AF方式 | ファストハイブリッドAF | コントラストAF |
最高感度 | ISO25600 | ISO16000 |
エリア分割NR | ○ | − |
連写性能 | 10コマ/秒(AF追従) | 10コマ/秒(AF非追従) |
動画 | AVCHD: 1,920×1,080/60p MP4: 1,440×1,080/30fps | |
液晶モニター | 3型92万ドット(チルト対応) | |
EVF | 0.5型235万9,296ドット有機EL | |
ストロボ | 内蔵(GN6) | |
撮影可能枚数 | 約360枚 | 約430枚 |
無線LAN | ○ | − |
Apps対応 | ○ | − |
アクセサリーシュー | 新型 | 旧型 |
外形寸法 | 119.9×66.9×42.6mm | |
質量 | 約345g | 約350g |
※撮影可能枚数は液晶モニター使用時の数値
※質量は電池、メモリーカード込みの数値
2012/10/30 13:05