アドビ、初心者向け編集UIも備えた「Photoshop Elements 11」


 アドビシステムズは、画像編集ソフト「Photoshop Elements 11」を10月12日に発売する。価格は通常版が1万4,490円、乗換え・アップグレード版が1万290円。それぞれダウンロード版は消費税抜きの価格で用意する。

 また、Premiere Elements 11とのセット版も用意する(製品版2万790円、乗換え・アップグレード版1万5,540円、学生・教職員個人版1万290円)。

 対応OSはWindows XP/Vista/7、Mac OS X 10.6〜10.8。

 主な変更点は編集画面のタブ構成。Photoshop Elements 10の「標準・クイック・ガイド付き」から「クイック、ガイド、エキスパート」に変更。11の「エキスパート」は10の「標準」にあたる。

 編集画面のデフォルト表示タブは「クイック」になっており、初めて画像編集ソフトに触れた場合でも少ないメニューで迷わず操作可能としている。右ペインに表示される補正メニューは、サムネイルで適用イメージを見ながら利用できる。

新設の「クイック」タブ。初心者でも意図に沿った編集ができるよう配慮「エキスパート」の表示例。従来の標準モードにあたる

 「ガイド」のタブは、作品の味付けに便利としている。従来はテキストメインだったが、今回は各機能を象徴するようなアイコンを用意。右ペインの表示を上から順番に操作していくことで効果を調整できるという。例えば新たに加わった「チルトシフト」では、機能を選び、上から効果の追加、焦点領域の変更、効果の調整、と順を追って適用できる。

 画像編集の新機能として、Photoshop CS5で搭載された「境界線を調整」を搭載。画像の切り抜きを細かく調整するもので、クイック選択ツールで自動選択された範囲をブラシでなぞることで微調整できる。例えば画像から動物などを切り抜く際、毛の部分をより自然に仕上げられるとしている。

「ガイド」を参考にローキー画像に仕上げているところ「境界線を調整」の利用イメージ

 フィルターは前バージョンを超える100種類以上を内蔵。Photoshop CS6にもない「コミック」、「ペンとインク」、「グラフィックノベル」といったフィルターも新たに搭載している。

「コミック」の適用例

 画像管理を行なうオーガナイザーでは、パネルの表示などを抑え写真の閲覧性に配慮した。写真を人物・場所・イベント別に整理できる機能も搭載している。人物・グループ機能は、従来から搭載していたが、よりわかりやすい形にしたという。オーガナイザーはクラウドサービス「Adobe Revel」からの読み込み・書き出しに対応する。

 同バージョンではLightroom 4で対応済みの「場所」も利用可能になった。画像に埋め込まれたジオタグをもとに写真の整理が行なえるほか、Web共有時に向けたジオタグ削除ボタンも備える。

オーガナイザーの「人物」タブオーガナイザーの新機能「場所」タブ



(本誌:鈴木誠)

2012/9/26 19:57