オリンパス、「フォーサーズのレンズを生かせるボディを投入予定」とコメント
オリンパス広報・IR室は11日、弊誌の電話取材に同社常務執行役員兼オリンパスイメージング株式会社 代表取締役社長の小川治男氏のコメントとして「フォーサーズのレンズを生かせるカメラボディを今後投入する予定」だと回答した。また、現行のフォーサーズ製品の販売も継続していくという。
オリンパス常務執行役員兼オリンパスイメージング株式会社 代表取締役社長の小川治男氏(2月9日撮影) |
同社が8日に発表した新中期ビジョンにおける「ミラーレス一眼、高価格帯コンパクトへ経営資源を集中することで商品構成を見直し、収益性の向上を図る」との内容へのコメント。レンズ交換式デジタルカメラは、ノンレフレックス(ミラーレス)カメラに集中するが、デジタル一眼レフカメラである「フォーサーズシステム規格」も継続していくとしている。
またコンパクトデジタルカメラについては、Xシリーズを始めToughシリーズ、Sシリーズを継続する。一方、低価格ラインであるVシリーズについては「ラインナップを絞っていく」(広報・IR室)とした。
なお11日に同社が公開した中期ビジョン説明会の音声配信で笹宏行社長は、「安定的に黒字を確保できる態勢を構築しなければならない。そのための戦略が、ミラーレス一眼と高付加価値コンパクトへの集中。2つめが製造機能の再編と販管費等の収益構造の抜本的改善だ」とした。
オリンパス代表取締役社長執行役員の笹宏行氏 |
笹氏は、「映像事業で常に話題になるのが利益創出の継続性。これに対応する基本が、高付加価値戦略になる。従って中長期的な再建の鍵となるのは、いかに差別化した技術を仕込んでおくかということ。オリンパスがミラーレス一眼を世界に先駆けて開発し、この市場を創出したように、先進技術を他社に先駆けて導入していくことが重要だ。すでにAFなど14の先進技術のロードマップを5年先まで策定し開発を進めており、それを今後継続的に投入していくことでPENシリーズやOM-Dシリーズにつづく成功モデルを生み出していく」とした。
コンパクトデジタルカメラについては、「XZ-1は発売以来、本カテゴリーで高いシェアを維持している。6月にはオリンパスが得意とする防水耐衝撃のToughシリーズにミラーレス一眼の最速オートフォーカスを搭載した新製品(Tought TG-1のこと。6月15日発売)を投入する予定だ。すでに発売前から高い評価を頂いている。今後もミラーレス一眼で培った先進技術を高付加価値コンパクトに活かすことで、新たに開発した技術を有効に使いながら他社にはないユニークな高付加価値コンパクトを随時投入し、収益性向上を図っていく」(笹氏)と話した。
また、映像事業赤字の要因を「スマートフォンやカメラ付携帯電話の普及でコンパクトカメラ市場が縮小した。デジタルカメラの成長基調をベースに、規模を求めて投資した結果が、逆効果になってしまった」(笹氏)と説明。「今後は製造拠点など固定資産への投資についても慎重に、かつ迅速に取り組まなければならない」(笹氏)とした。
2012/6/11 16:32