【CP+】2大規格がブースを出展、メモリーカード関連の展示
CP+2012の会場には、CFA(The CompactFlash Association)とSDA(SD Association)という、メモリーカードの規格に関わる2つの団体がそれぞれブースを構えている。
ともに興味深い展示を行っていたのでここで紹介したい。
■CFA
CFAブースでは、ソニーが2月15日に発売予定のXQDカードを展示していた。XQDカードは、CFAが2011年12月に発表した新規格のメモリーカード。1月6日にニコンが発表したプロ向けのデジタル一眼レフカメラ「D4」で採用されたことで、一躍有名になった規格だ。
ソニーのXQDカード。表と裏にはSUSの保護板が設けられている | |
インターフェイス | ソニーが同時発表したカードリーダー。スロットはプッシュップッシュ式で、カード全長が完全に収まるタイプ |
初のXQD採用製品、ニコンD4をディスプレイしていた | 同じくプロ向けということで、キヤノンEOS-1D XとC300も展示されている |
XQDはCFよりも小型ながら、CF以上の厚みを持つ。これは、高速化と大容量化に対応したもので、放熱効果なども考量して余裕を持たせた設計という。
インターフェイスはPCI Express。CFと異なり、スロットは共用できない。ソニーが発売を発表したXQDカードリーダーはシングルスロットだが、CFからの移行期間がしばらく続くとすると、将来的にはXQD/CFデュアルスロットのメモリーカードリーダーの登場も考えられる。
来場者の注目度は高く、高速連写、大量連写への対応には高い評価が得られているという。ただし、現状では32GBの製品が最大容量のため、64GBや128GBなどCF並の大容量化を求める声が大きいようだ。
ブースでは、XQDの新規ベンダーであるSolidGearのサンプルも展示。2012年3月発売予定となっている。
また、京セラエルコ株式会社と日本圧着端子製造株式会社は、XQDカードスロット対応のメモリーカードコネクタのリリースを予告していた。
■SDA
一方SDAでは、SD BusインターフェイススピードのUHS規格をアピール。現行のUHS-Iを採用する製品を展示した他、次世代規格のUHS-IIについてもパネルで説明を行なっていた。UHS-IIは2011年に規格化され、最高312MB/秒の転送速度を持つ。
UHS-I対応カードと非対応カードの連写性の差を試せる展示 | UHS-IとUHS-IIの説明。UHS-IIには新しいピンが追加される |
ここ数年で増加したUHS-I対応製品を展示 | UHS-I対応カードもここまで増加した |
また、SDAブースでは9日、サンディスクのマーケティング部ディレクター、大木和彦氏が、SD規格への集中、大容量化、SDカードの高速化についてプレゼンテーションを行なった。2011年販売数量で見ると、SDカードとmicroSDカードは、全メモリーカードの91%を占めるに至っており、同時に大容量化と高速化も進んでいるという。
サンディスクマーケティング部ディレクターの大木和彦氏 | SD規格への集中 |
microSDカードの大容量化 | SDカードに置ける高速カードの比率とサンディスクの構成比 |
そのサンディスクは10日、初のmicroSDXC UHS-Iカードを2月に発売すると発表した。容量は64GBで、転送速度は最大30MB/秒。SDスピードクラスはClass 6。価格は2万円前後。SDXC変換アダプターが付属する。
デジタルカメラにおけるmicroSDカードの利用はまだ少ない。カシオのEXILIM EX-G1などごく少数の製品に限られていたのが現状だ。
ただし今季はキヤノンのIXY 1およびIXY 3がmicroSDカードを採用。Android端末の普及にあわせるかたちで、microSDカードの販売が増えている。今後はデジタルカメラでも利用が進む可能性がある。
サンディスクが10日に発表したmicroSDXC UHS-Iカード |
2012/2/11 17:59