キヤノン、12色インクのA3ノビ顔料プリンター「PIXUS PRO-1」


 キヤノンは、A3ノビ対応インクジェットプリンター「PIXUS PRO-1」を6月に発売する。価格はオープンプライス。直販価格は12万8,000円。2月9日からパシフィコ横浜で開催するフォトイベント「CP+2012」に出展する。

PIXUS PRO-1

 2009年4月に発売した「PIXUS Pro 9500 Mark II」の上位機種。新たに12色のインクシステムを採用し、広い色域と顔料による色安定性を特徴とする。プロ市場をターゲットとし、シャシーや紙送り補強部の剛性アップなど、本体の堅牢性も高めた。

 12色の内訳はマットブラック、フォトブラック、ダークグレー、グレー、ライトグレー、シアン、マゼンタ、イエロー、フォトシアン、フォトマゼンタ、レッド、クロマオプティマイザー。各インクタンク(PGI-39シリーズ)はそれぞれ2,590円(直販価格)。黒系インクを5色に増やしたことにより、階調性の向上と粒状感の低減を謳う。

12色インクタンクシステムを採用インクタンクに本体前面からアクセスできる

 多くのインクの中から最適な組み合わせを決定するという「OIG System」を搭載。色再現性、階調性、黒濃度、粒状性、光沢性、ブロンズ、メタメリズムといった画像要素を考慮し、最適なインクの組み合わせとレイアウトを行なうという。

 インクタンクは従来比約2.5倍という大容量のものを採用。内部の撹拌板によりインクの沈降を防ぐという。タンク数の増加により、チューブ供給方式のオフキャリッジインクタンクシステムを採用した。

12色の独立インクタンクシステム黒系インクを5色採用。本格的なモノクロプリントを謳う

 FINEテクノロジー採用の新規ヘッドを採用し、プリントスピードも従来機より向上したという。温度変化によるインク吐出量を従来より細かくコントロールすることで、インクの濃度差も低減したとしている。

 最高解像度は4,800×2,400dpi。ノズル数をPIXUS Pro 9500 Mark IIの7,680(768ノズル×10色)から1万,2288(1,024ノズル×12色)に増加した。インク滴は全弾4pl。

 入力解像度は従来の600ppiから1,200ppiに向上。デジタルカメラの高画素化に対応するためといい、従来よりジャギーの目立たないプリントが得られるとしている。

 インクの上から打つことで光沢強度を一定にするクロマオプティマイザーは、インクの段差によって生じる光沢の不均一感を低減し、表面反射量を抑えることで黒が濃く暗部が引き締まった画像を得られるという。プリントに写り込んだ蛍光灯の光がピンク色に反射して見える「ブロンズ現象」も抑制する。

 また、クロマオプティマイザーの打ち分けによって光沢感の違いを利用した装飾効果を施せる。撮影者のサインを付属ソフト上で合成し、ウォーターマークのように使うこともできるという。

 同梱ソフトとして、キャリブレーションとICCプロファイルの作成に対応した「Color Management Tool Pro」を提供。個体差や使用環境の変化による出力結果の違いを補正するという。測色機は従来から対応していたX-rite社製「i1 Pro」(UVカットフィルターなし)に加え、UVカットフィルター付きのi1 Proと「Color Munki Photo」、「Color Munki Design」に対応した。

 また、DPP(Digital Photo Professional)と連携する「Easy-PhotoPrint Pro」は新たにPhotoshop Lightroomに対応。ドライバの「モノクロ写真」をオンにすることで、白飛び部分の濃度を上げて白飛びを抑え、写真周りの白フチとの境も鮮明にするという。他社紙のICCプロファイル提供およびドライバー対応の拡大も特徴。

 後トレイの最大積載枚数は普通紙が150枚、郵便はがきが40枚。従来は前面に配置していた半切や厚紙用の手差し給紙口は後トレイの後方に装備した。12cmおよび8cmのプリンタブルディスクのレーベルプリントにも対応。

給紙は背面からに統一レーベルプリントが可能

 ネットワーク機能は、新たに100BASE-TX/10BASE-TXの有線LAN端子を搭載。カメラを直接接続したダイレクトプリントにも対応する。

カメラダイレクトに対応

 本体サイズは695×462×239mm。重量は約27.7kg。




(本誌:鈴木誠)

2012/1/17 15:17