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カシオ、発表会で「HDRアート」「ハイブリッドGPS」をアピール

〜“旅カメラはカシオ”。QV-10も登場

 カシオは19日、デジタルカメラ「HIGH SPEED EXILIM EX-ZR10」と「EXILIM Hi-ZOOM EX-H20」の発表会を都内の本社内で開催した。

HIGH SPEED EXILIM EX-ZR10 EXILIM Hi-ZOOM EX-H20

 EX-ZR10およびEX-H20は、ともにカシオがフォトキナ2010で発表した新製品。国内での発売時期が正式に決定した。仕様など詳細は下記で掲載しているので参照いただきたい。

カシオ、“HDRアート”搭載の「HIGH SPEED EXILIM EX-ZR10」を11月26日に発売
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/20101019_400950.html
カシオ、屋内でも測位可能な“ハイブリッドGPS”搭載の「EX-H20G」
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/20101019_400941.html


元祖液晶モニター付きデジカメ「QV-10」がお出迎え

 発表会場の入口には、カシオが世界で初めて発売した液晶モニター搭載のデジタルカメラ「QV-10」(1995年3月1日)をディスプレイ。磁力で浮かせたまま回転させるという凝ったもので、「独自の発想がテクノロジーを進化させ、唯一という価値を創造する」、「すべてはQV-10からはじまった」というコピーが続く。「我こそが民生デジタルカメラ市場を開いた」という自負が感じられる演出だった。

QV-10。初の液晶モニター付きデジタルカメラ。国内デジタルカメラ市場黎明期の立役者として知られる
磁力で浮かせて回転させるという凝った演出を行なっていた 「すべてはQV-10からはじまった」
EXILIMから生まれたオンリーワンテクノロジー EXILIM History

 会場に入ると、2002年の「EX-S1」から続く、現在までのEXILIMに続く系譜をパネルで掲示。スリム化、液晶モニターの大画面化、1,000万画素といったトレンドをいち早く実現したことを強調すると同時に、ハイスピードやダイナミックフォトといった新規性についてもアピールしていた。

 発表会の冒頭では、常務取締役の樫尾彰氏が挨拶に立った。「液晶モニター付きの民生用デジタルカメラを一番最初に開発したという自負がある」と、ここでもQV-10について言及。カシオの企業哲学を「0→1」(ゼロからイチへ)と説明し、「何もないところから価値を生み出してきた」歴史を強調した。QV-10以外にも引き合いとして、カードスタイルのEX-S1、ハイスピードシリーズの先駆けとなったEX-F1を例として挙げた。

 また、EX-ZR10とEX-H20Gについては、「2010年から目指すのは、撮る・見るだけでなく、デジタル技術を使った楽しみ方。市場に大きな旋風を巻き起こすものと確信している」と自信を見せた。

QV-10を手に持つ常務取締役の樫尾彰氏
最初のEXILIM、EX-S1 こちらはHIGH SPEED EXILM初のEX-F1。最初はEXILIM PROの一員だった

新エンジンが可能にした「HDRアート」

 続いて登壇したQV事業部長の中山仁氏は、EX-ZR10のHDRアートと、EX-H20のハイブリッドGPSについて解説した。

 HDRアートは、露出を変えて連写した複数の画像を合成するHDR(ハイダイナミックレンジ)撮影の後、カメラが被写体を解析し、局所的にコントラストや彩度の強弱をコントロールすることで、絵画調のアート作品に仕上げる機能。今回の発表会でカシオが最もアピールしていた機能で、中山氏は「デジタル技術を駆使することで、誰でも感動的な写真が撮れる。“記録する”から“作る”、“見せる”へ、新しい楽しみが広がった」と説明する。

QV事業部長の中山仁氏 EXILIMエンジンHSを新たに搭載
HIGH SPEED EXILIM EX-ZR10

 HDRアートの撮影モードは撮影モードの選択画面から起動する。シャッターボタンを押すと連写が始まり、2〜3秒程度待つとHDRアートが完成する。コントラストや彩度などをユーザーが調整することは不可能。また、最大記録画素数が約1,000万画素に減少し、画角がわずかに狭まる。

 ちなみにHDRアートではない、通常のHDR機能も選択できる。こちらも効果の強弱など、ユーザーによる調整は不可能だ。

 これらは、新搭載の「EXILIM ENGINE HS」により実現できたという。マルチCPUと2つの画像処理回路から成る。従来のHIGH SPEED EXILIMと同様、480fpsなどのスロー動画撮影や、1,000万画素で最大40コマ/秒の高速連写も行なえる。1コマずつ撮る場合でも、次の撮影までのタイムラグはほとんど生じない

 HDRアートについて、他社の一般的なカメラ内エフェクト処理(アートフィルターなど)との違いについて質問が及ぶと、中山氏は「既存のものは1枚から変換しているが、HDRアートは連写によるHDRでないとできない。ダイナミックレンジ拡大処理の仕方が違う」と述べた。

HDRアートを説明するプレゼンテーション画面。これは通常撮影 HDR
HDRアート
会場にはHDRをプリントした作例が数多く展示されていた
撮影モード選択画面。右上がHDRアート。その隣がHDR HDRアートのライブビューは、通常と変わらない。画角が若干狭くなる
新機能「マルチフレーム超解像度」を選択したところ 従来の超解像は「シングル」という名称で選択できる
30fpsのフルHD動画も記録可能。圧縮方式はH.264

 また、EXILIM ENGINE HSが可能とした新機能には、「マルチフレーム超解像技術」がある。EX-S200など夏発表モデルの超解像と異なり、4枚の画像を連写し、それぞれを合成して超解像を得る仕組みだという。これにより、最大14倍までデジタルズームの劣化を抑えるという「14倍プレミアムズーム」が可能だ。

 なお、従来の超解像は、超解像メニューから「シングル」を選ぶと利用できる。

 さらに、「スライドパノラマ」もEXILIM ENGINE HSを活用しているという。撮影しながらカメラを動かすだけでパノラマ画像が撮影できるという点では、カシオ初の機能。顔や動いている被写体をカメラが分析することで、つなぎ目が目立たない処理を行なうという。EX-F1以来、久しぶりにフルHD記録に対応したのもEX-ZR10のトピックとなる。


屋内でも位置情報が得られるハイブリッドGPS

 一方、EX-H20のハイブリッドGPSは、本体内蔵のGPSに加え、モーションセンサーによる位置測位を併用することで、屋内での位置記録に対応した。内蔵する地図情報は3社から提供を受けており、景勝地データも約1万件を内蔵。位置情報を付加した写真は、対応サービスやソフトで地図上にマッピングできる。

 中山氏は「旅行のプランを立てる、旅行中に地図を見る、帰ってから楽しめる。日時に加えて位置情報をプラスする時代が当たり前になる」と説明。「旅カメラはカシオ、旅行の世界をリードして行く」と力説した。

EXILIM Hi-ZOOM EX-H20
本体上部にGPSアンテナを装備
付近の景勝地を表示したところ メモリーカード内の写真と位置を表示
内蔵コンパスを補正する画面 カシオが得意な省電力性が役立ったという

 地図モードでは、付近の景勝地を示す表示と、付近で撮影したメモリーカード内の画像を表示する2モードを用意。本体上面のボタンで切り替えられる。方位の記録も可能で、内蔵コンパスをリセットする機能も確認できた。

 測位機能は、カメラの電源をオフにしても作動させられる。軌跡情報の表示も可能。常時測位を行なうことから、カシオが得意とする省電力性が活かされている。

 中山氏は、HDRアートを「デジタルアートエンターテイメント」、ハイブリッドGPSを「トラベルエンターテイメント」というキーワードで表現。「今後もコンパクトデジタルカメラにこだわる。カメラ業界の常識にとらわれない新しいエンターテイメントを提供して行きたい」と結んだ。

 そのほか、通信機能の内蔵についての質問には、「ネットワークとの連携は欠かせないと考えている。今後は必須だろう。ただ今までのデジカメの中につけただけでは面白くない。新しい価値をつけて展開したい」と回答している。


6つのエンターテイメントで付加価値を訴求

 新製品のマーケティング戦略を説明したのは、QV戦略部長の重岡正之氏。今後のEXILIM全体の位置付けを「超発想 アメージング・ギア(=常に新しい驚きと感動を生み出すブランド)とし、従来の枠を超えたデジタルカメラを投入することで、価値を生み出す戦略を打ち出すとした。

QV戦略部長の重岡正之氏 「超発想 アメージング・ギア」がEXILIMの位置付け

 その中で今秋は、上記の「デジタルアートエンターテイメント」、「トラベルエンターテイメント」に加え、「スポーツエンターテイメント」、「ガールズエンターテイメント」、「タフエンターテイメント」といった、6つのエンターテイメントを提唱するという。

 スポーツエンターテイメントは、ゴルファー向け機能を搭載した「HIGH SPEED EXILIM EX-FC160S」(8月発売)が主軸。ほかにもカシオはハイスピード機能を活用し、フォームチェックなどスポーツの現場で協力しているという。「日本のスポーツを強くする」がキャッチフレーズ。

 ガールズエンターテイメントは、「女子カメ」を標榜する「EXILIM ZOOM EX-Z800」(9月発売)が担当。顔を認識すると自動で撮影する自分撮りモードをはじめ、メイクアップモード、ネイルモード、プレミアムオートを「女子カメ機能」として訴求する。

 タフエンターテイメントは、EXILM G EX-G1をメインとしたもの。THE NORTH FACE、BRIEFING、Vultureとのコラボレーションも続ける。

6つのエンターテイメントのひとつ、スポーツエンターテイメント。有村智恵選手監修のハンドブックが付属するEX-FC160Sを訴求 ガールズエンターテイメントでは、EX-Z800の自分撮り機能などをアピール
タフエンターテイメント。メインはEX-G1 新しい写真文化の創造になぞらえ、「写真革命」を提唱

 「国内シェアは好調だが、海外での展開はどうするのか」という質問には、「カシオらしさ、EXILIMらしさを出して行くのは変わらない。スタンダードモデルをしっかりやるのはもちろん、そのうえで差別化モデルを投入、そのモデルがスタンダードモデルを引っ張る」、「6つのエンターテイメントは海外でも展開する。ブランディングポイントと認識している」とした。

 その中で重岡氏は、「Webへの作例の露出が重要になる。そのうえでどれだけ多くの方に体感してもらえるかという点から、店頭でのデモ演出やイベントなどを含めて考えて行く。海外ではEグリーティングカード市場についても企画をしている」と述べた。

 また、ギャラリーの開設に関する質問に対し、「デジタルならではのギャラリー、Webを使う仕組みづくりを考えている。作例の掲載とコミュニティの構築を視野に入れて考えて行きたい」と回答した。




(本誌:折本幸治)

2010/10/19 18:36