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キヤノン、2016年は36%の減益 来期は3年ぶりの増益へ

レンズ交換式カメラは販売増 ミラーレス拡充が功を奏す

キヤノン株式会社は1月31日、2016年12月期(2016年1月1日〜12月31日)の連結業績を発表した。売上高は前期比10.5%減の3兆4,014億8,700万円、営業利益は同35.6%減の2,288億6,600万円。

来期は売上高4兆円(17.6%増)、営業利益2,550億円(11.4%増)を見込む。想定為替レートは1ドル110円(約1円安)。見込み通りなら、増益は2014年12月期以来。

以下、2016年12月期における各ビジネスユニットの業績と状況。

イメージングビジネスユニット

売上高は前期比13.3%減の1兆953億円。営業利益は同21.3%減の1,444億円。

レンズ交換式デジタルカメラ

販売台数は前期から増加。EOS-1D X Mark II、EOS 5D Mark IVに加え、EOS M5投入によるミラーレスカメラのラインナップ強化が功を奏した。

来期は先進国を中心とした減少幅がが縮小、底入れに向かうとみている。

コンパクトデジタルカメラ

市場縮小や熊本地震による部品調達難の影響で、前期を下回る販売台数。画質などに注力した高付加価値製品に注力したという。

低価格モデルを中心に、来期も市場の縮小が続く見通し。

インクジェットプリンター

コンシューマー市場の縮小を受けて販売台数は減少。ただし、2015年に投入した大容量インクモデルがアジアなどで受けた。家庭用モデルも国内を中心に好調に推移した。

大型インクジェットプリンターは、imagePROGRAF PROシリーズが販売台数を伸ばした。

来期の見通しは、コンシューマ向けを中心に引き続き縮小傾向とする。

オフィスビジネスユニット

オフィス向け複合機

新製品のA3カラー機imageRUNNER ADVANCE C5500シリーズなどが好調。減少中のモノクロ機を含む全体の販売台数は、前期より増加した。

業務用高速・連帳プリンター

子会社オセ社が製造する高速カットシート・インクジェットプリンターの販売台数が前期を上回る結果に。レーザープリンターの販売台数も前年同期を上回った。

産業機器その他ビジネスユニット

売上高は前期比11.4%増の5,847億円。営業利益は205億円改善の74億円に。

半導体露光装置

販売台数は前期より減少。顧客の設備投資が先送りされたため。

FPD露光装置

モバイル機器向けの有機ELパネルが需要増に。中小型パネル用の販売が伸長した。

有機ELディスプレイ製造装置

パネルメーカーの設備投資が活発。売上を伸ばした。

ネットワークカメラ

製品ラインナップを拡充。前期比で売上が増加した。

本誌:折本幸治