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富士フイルム、レンズ一体型APS-Cモデル「X100F」
X-Trans CMOS IIIを搭載 高感度性能も向上
2017年1月19日 14:28
富士フイルム株式会社は、レンズ一体型デジタルカメラ「FUJIFILM X100F」を2月下旬に発売する。価格はオープン。店頭予想価格は、税別15万円前後の見込み。カラーは、シルバーとブラックの2色をラインナップする。
X100シリーズの第4世代モデル。撮像素子に、独自開発のAPS-Cサイズ「X-Trans CMOS III」センサー(有効2,430万画素、ローパスフィルターレス)を搭載。非周期性の高い独自のカラーフィルター配列により、光学ローパスフィルターなしでもモアレや偽色の発生を抑えられ、解像感を損なう原因となっていたローパスフィルターを無くすことで、フジノンレンズが持つ解像力を最大限に引き出せるという。
また、第3世代モデル「X100T」と比べて1.5倍の画素数にも関わらず、新デバイスの採用と信号処理技術の改善により、さらなるノイズ低減に成功。高感度性能が向上したことにより、「X100T」では拡張感度であったISO12800を通常感度(ISO200〜12800)として使用できるようになった。
さらに、高速画像処理エンジン「X-Processor Pro」との組み合わせにより、ワンランク上の画素数、サイズを持つセンサーに匹敵する写真画質を実現している。
フィルムシミュレーション機能に、従来のモノクロモードを凌駕する滑らかな階調、引き締まった黒、美しい質感再現でモノクロ写真が表現できる「ACROS」モードを追加した。
このほか、フィルム写真が持つ独特の粒状感を再現する「グレイン・エフェクト」機能を搭載。「強」と「弱」の2段階で調節でき、全てのフィルムシミュレーションと併用可能。
レンズには、両面非球面レンズ1枚を含む6群8枚構成(高屈折ガラスの凸レンズを仕様)のフジノン23mmF2 レンズ(35mm判換算で35mm相当)を採用。フジノン独自のコーティング処理「HT-EBC(High Transmittance Electron Beam Coating)」により、フレアやゴーストを効果的に抑制できるという。
搭載レンズの35mm相当の画角に加えて、「デジタルテレコンバーター」を設定することで、50/70mm相当の画角も選択でき、3つの焦点距離を使ったさまざまなフレーミングが可能。コンバージョンレンズの自動検出機能も搭載しており、新ワイドコンバージョンレンズ 「WCL-X100 II」(焦点距離を約0.8倍)と新テレコンバージョンレンズ 「TCL-X100 II」(焦点距離を約1.4倍)の装着時には、F値を変更することなく高画質で撮影が可能。
動画撮影機能では、X-T2クオリティのフルHD動画に対応。フレームレートは、59.94p/50p/29.97p/25p/24p/23.98p(連続最大14分まで)の6種類が用意され、自由に選べるようになった。HD動画の場合は、連続最大27分まで撮影できる。
起動時間約0.5秒、シャッタータイムラグ最速0.01秒、最短撮影間隔0.2秒など、基本レスポンスを極限まで短縮。撮影者の意図通りに動くカメラを追求しているという。
AFシステムには、「X-T2」と同じ高速で高精度なAFアルゴリズムを採用。さらに、AF測距点を、従来モデル(X-Trans CMOS IIセンサーおよび、EXR Processor II搭載機種)の49点から91点(最大325点)まで大幅に拡大。全画面の約40%(画面中央部49点)を像面位相差AFエリアとすることで、高速・高精度な位相差AFをより多くのシーンで活かすことができるようになった。
これまで像面位相差AFが苦手としていた点光源、ローコントラスト、動物の毛並みのような微細なテクスチャーを持つ被写体の捕捉性能も向上しているという。
また、全画面の約85%をカバーするコントラストAFの性能も向上。読み出し速度を従来モデル比2倍に向上させ、より高速・高精度なAF性能を実現。-3EVの低照度時でも、正確なフォーカシングが可能となった。
静止した被写体に有効なAF-Sと動く被写体のためのAF-Cには、それぞれフォーカスエリアの「シングルポイント」、「ゾーン」モードが選択できるほか、カメラが複数のエリアを自動的に選択してピントを合わせる「ワイド/トラッキング」モードも用意。「シングルポイント」、「ゾーン」モード選択時には、LCDモニター横に搭載された「フォーカスレバー」を使用することで、フォーカスエリアの位置と大きさを瞬時に変更可能。
光学ファインダー(OVF)と電子ビューファインダー(EVF)の特徴を組み合わせた「アドバンスト・ハイブリッドビューファインダー」も引き続き搭載されたほか、EVFのフレームレートが60フレーム/秒に高速化された。また、低照度時も高速フレームレートを維持し、夜間撮影などでも快適なフレーミングが行えるようなった。
カメラ背面のレイアウトも見直され、使用頻度の高い操作系をほぼ右手側に集約。ファインダーから目を離さずにカメラをホールドしたまま素早い設定の変更が可能。
シャッタースピードダイヤルにISOダイヤルを内蔵した往年のフィルムカメラを彷彿とさせる「ビルトインISOダイヤル」を採用。絞り、シャッタースピード、露出補正に加えて、ISO感度もカメラの電源を入れることなく、一目で設定が確認できるようになっている。
また、カメラ背面にX-T2/X-Pro2で好評だという「フォーカスレバー」を搭載。スティック操作で瞬時に、縦・横・斜めの8方向へフォーカスエリアを移動させることが可能。
露出補正ダイヤルには、新たに「コマンドダイヤルポジション」を追加した。ダイヤルをこのポジションに設定することで、ボディ前面のコマンドダイヤルで露出補正操作が可能となり、さらに補正幅が±5段に拡大される。
この他、スマートフォンやタブレット端末からリモート撮影ができる「ワイヤレス通信」機能などを搭載する。
ボディの天面と底面パーツには軽量・高剛性のマグネシウム合金を採用。表面仕上げにはスチール感を演出する特殊コーティングを施した。外装は、耐環境性・耐久性に優れた合成皮革によるレザー調仕上げ。本皮の風合いを再現しつつ、滑りにくくしっとりと手になじむ実用性も兼ね備えている。
液晶モニターは、約104万ドットの3型(3:2)。
最短撮影可能距離は、約10cm。連写は、AF追従連写で高速8コマ/秒。低速3/4/5コマ/秒
(ライブビュー)。
記録メディアは、SDXC(UHS-I対応)/SDHC/SDメモリーカードが対応する。
電源には、ミラーレスカメラと同様のリチウムイオン充電池「NP-W126S」を採用。撮影可能枚数は、約390枚(スタンダード/OVFモード時)、約270枚(スタンダード/EVFモード時)。
外形寸法は、126.5×74.8×52.4mm。重量は、本体のみで約419g、バッテリーと記録メディアを含む場合は約469g。