むらいさちの、旅フォトエッセイ さち☆たび

vol.3 香川県・春|うどんの旅がしたくて(後篇)

いつか僕の旅が終わり 時計が刻むのを止める時
ありがとう と さようならを 素直に言える様に
僕は旅をしよう 僕は旅を続けよう

Caravan ミュージシャン「旅について」より

この連載「さち☆たび」のルールを紹介しましょう。

1)旅の資金は4万円、あとは国内海外どこに行ってもよし。余ったお金は貯蓄(編集部にて)。1年後、連載が続いており、貯蓄がたまっていたら特別編としてハワイ旅行をする!(笑)

2)カメラにはこだわらない。

3)人の好意には甘える(笑)、差し入れ・現地案内大歓迎です♪
(むらいさちのFacebookなどでリアルな旅の様子をリポートします。作品はここにてお見せします)

以上3つ。

まあ、B型むらいさちなので、マイペースにゆるっと進めさせていただきます。

ただ、旅先では感じたままをカメラで表現していければと思います。なので、被写体は僕好み。

さち☆たび後篇 2日目よりスタート!

みなさんこんにちは!写真家のむらいさちです♪香川県の旅、後篇をスタートしたいと思います。前篇を見てない方は、ぜひこちらをご覧ください。

真鍋島を後に、次の島に向かいます。まだ霧の残っているところもあるが、だいぶ晴れ始め(やっと……)、瀬戸内海が徐々に姿を見せてくれました。

地元の人と会話をしていた時、「香川って霧がすごいんですね~」なんて言うと、「こんなの数年に一度だよ!」。そっそうなんですね、よくあるわけじゃないのですね。ちなみにこの日は船も電車も濃霧で止まっていたそうです。

着いたのは志々島、粟島の隣に位置する、人口は20人ほどの小さな島。ここも昔のままの風景が残っており、映画のロケ地などでもよく使われているそう。

島はほんとにのんびり。

「島の裏手まで頑張って歩けば、素敵なものに出会えるよー」ということで、志々島をお散歩。

街並みを通り過ぎ、山を越えて島の反対側に来ると青い海が広がっていてとても気持ちが良かった。そう!この景色を見たくて船に乗り込んだのです。見えな過ぎてほんとは湖じゃないのかと思うほどでした(笑)。そして出会えた風景は……。

森を抜けると突如目の前に広がる大きな木!樹齢1,200年、県の天然記念物にも指定されている大楠です。いつ切られてもおかしくない中、これだけちゃんと残っているのはとても珍しいそう。ご神木として守られてきたのだろうか。古い木を見ていると、なんだか人間に近い感覚で見てしまう。1,200年、どんな景色を見てきたのだろう。

日も傾いて来たので、港に戻ることに。志々島は猫が多く、皆のんびりと島時間を過ごしていました。真っ白な霧で始まった2日目、最後は霧も晴れてきれいな夕日まで見れた。僕らは自然に逆らうことなんてできない、だからあれこれ言うより身をゆだねて受け入れることも大切だと思います。

さち☆たび3日目:街歩き~うどん旅

朝起きて窓の外をチェック。今日のお天気は大丈夫そう。

さて、最終日。今日は善通寺の古い街並みが残るエリアを一人でお散歩。宇多津は中世以降、港町として栄えたそうで、その街並みが今も残っています。

春の様に暖かい日、桜も咲いており、のんびりとお散歩を楽しみました。楽しみすぎてあまり写真は写さなかったな。まあ、それもまた旅だよね。気の向くままにいきましょう。

歩いていると生お遍路さんに遭遇!(初めて見ました!)お店の前に人だかりができていたので、僕も見に行ってみると、「高橋地蔵餅本舗」という有名なお餅屋さんでした。ケーキより大福などの和(あんこ)好きな僕は、迷わず入ることに。

中の席に座らせていただき、よもぎ餅と、おはぎをいただいた。この雰囲気のある場所で食べていたり、お遍路さんを見ていたりもあるので、味は格別でした。お店の方も優しく、お茶まで出してくれました。あー幸せ♪ うどんだけじゃない香川、とっても楽しいじゃないか!

そして、友人と合流し、締めのうどん巡りにでかけました。

まずは「がもう」。ここも有名店で、すごい人。まわりは田んぼしかなくお店も小さいのに……、やっぱりうどん熱すごいです。かけうどんを注文、ダシがおいしー。でも150円。150円のうどんを食べに全国から人が集まってくるのだから、なんとも不思議ですよね。

そして「中野うどん学校」にて、しょうゆうどんを注文、大根おろしなどが入っていてこちらもさっぱりとしていて美味!つるっと完食です。

そして、友人が面白いうどん屋さんがあるからと、連れて行ってくれたのが……。

「うどん喫茶 スタート」。名前もかなりすごい……。そしてここのうどんはこんな形で出てくるのです。

はい、スタート名物「コーヒーうどん」。モーニングセットの様に、うどんが出てきます……。さわやかな感じ。

一緒に回ってくれた香川の友人たちも初めて来るそうで、皆で注文してみました。とっとにかく食べてみよう。

(編集部注:そばのように見えますが、うどんです。この色はコーヒーが練りこまれているため)

なんと、コーヒーと思いきや、コーヒーカップにはうどんのつゆが入っている。食べてる姿がなんだか不思議です……。

しかし!うどんをそのまま食べるとちゃんとコーヒーの味がするんですが、つゆにつけるとただのうどんになる(笑)。普通に美味しかったです。最後に楽しいうどんを食べて、この旅も終了。

一路空港へ。

空港に着くと???

なんと空港内でうどんダシが飲めるサービスが!これも香川らしい、最後まで楽しませてくれるな~。そして、空港名物?のラテアートのカフェラテを飲んで今回の旅も無事終了!

香川県といえば「うどん」のイメージしかなく、今回はうどんを巡る旅にしようと思っていたのですが、行ってみるともちろんそれだけではなく、瀬戸内海の島めぐりや金毘羅山、善通寺の街並みなど、見所がたくさん。とても3日では足りませんでした。また帰ってきたい場所が増えた、さち☆たびでした。

今回大変お世話になった、森田さん親子♪ありがとうございました。

今回の相棒

SONYα7、FE 28-70mm F3.5-5.6 OSS

今回のアイス

嫁入りおいりソフト

香川県西部で結婚式の引菓子に使われる「おいり」がトッピングされています。かわいい見た目とおいりの独特の触感が、なんだか楽しいソフトでした。

今回の経費

往路バス(神戸―高松):3,700円
復路飛行機(高松―成田)ジェットスター:7,290円
宿泊:11,404円
うどんその他食費:9,940円
合計:32,334円
残金:7,668円(ハワイ貯金へ……)

現在の貯金:19,268円

(2015/4/10)
むらいさち
沖縄でのダイビングインストラクターを経て写真の世界へ。広告写真家の助手後、ダイビングやリゾート雑誌を出版している出版社のカメラマンとして、日本を始め世界の海へ訪れる。その後独立。現在は広告や雑誌の撮影を中心に活動。海だけに限らず世界のありとあらゆる場所で「しあわせのとき」をテーマに撮影を続けており、一年の多くを取材先で過ごしている。著書は写真集「きせきのしま」(小学館)、「LinoLIno」「ALOHEART」(LifeDesignBooks)。共著「光と色の写真の教科書」(技術評論社)、「カメラ*好き1&2」(マイコミブック)。トラベルマガジン「LUKETH」参加。今年2月に写真家川野恭子(きょん♪)と共に、フォトライフマガジン「TORIPPLE」を創刊。muraisachi.com