【女性限定】コムロミホ先生に教わる!新緑が美しい山歩き撮影会

ミズノアウトドアスクール×オリンパスPhoto Rouge

大山中腹の見晴台で、講師のコムロミホ先生と一緒にハイ!チーズ♪

「Photo Rouge(フォトルージュ)」とは、オリンパスが主催する女性専用の写真講座。女性の講師をお迎えして、雑貨やカフェ、おさんぽ撮影など女性に人気の被写体の撮り方を学びます。

今回のPhoto Rougeは、より安心で安全な山歩きを楽しむための基礎技術や知識を、実習を通じて学べるミズノアウトドアスポーツとコラボしたスペシャル撮影会。

新緑が美しい大山に登って、撮って、楽しんだ撮影会の様子をレポートします!

講師のコムロミホ先生。オリンパスデジタルカレッジなどの講師を勤めるだけでなく、雑誌・書籍への作品掲載や執筆など幅広く活躍しています。

被写体をどこから狙えばかっこいいか考えながら撮ろう

大山は、神奈川県伊勢原市・秦野市・厚木市境にある標高1,252mの山。

今回の山歩き撮影会は、大山ケーブル行バス終点から、コマ参道を通り、ケーブルカーで阿夫利神社駅まで登り、大山阿夫利神社下社を参拝してから、標高770mの見晴台を目指します。

新宿から大山へ向かうバスの道中、コムロ先生が大山をロケハンしたときに撮影した作品と、撮影ポイントを教えていただきました。

また、希望者にはOLYMPUS PEN E-PL7や、交換レンズ(9-18mm F4-5.6、40-150mm F4-5.6、75-300mm F4.8-6.7 II、60mm F2.8 Macro)の貸出しが行われました。

コムロミホ先生、ミズノアウトドアスクールのスタッフの方々と一緒にマイクロバスで大山に向かいます。
途中、海老名サービスエリアに寄って休憩と昼食を購入しました。海老名サービスエリア名物「ぽるとがる」のメロンパンを購入する参加者も。
希望者にはPENシリーズ最新機種のE-PL7の貸出しがありました。過去のPENユーザーは、自分のカメラからの進化に驚かれていました。
ロケハンで撮影した作品を見ながら、撮影のポイントを教えていただきました。

コムロミホ先生の大山撮影のポイント

1)初めてデジタル一眼を使う方はPモードがオススメ
Pモードを使えば難しいことは知らなくても簡単に撮ることができます。Pモードは、ピクチャースタイルからアートフィルターも使うことができますよ。

2)レトロがいっぱいの大山はアートフィルター「ヴィンテージ」が似合う
アートフィルターはエフェクトがかかり、誰でもよい雰囲気に仕上げます。大山には神社や開業50年のケーブルカーなどレトロなものがいっぱい。コムロ先生は、大山には「ヴィンテージ」がオススメとのこと。また、アートフィルターはそのまま使うのではなく、露出補正やホワイトバランを組み合わせて使うと、自分が撮りたいイメージに近づけやすくなるそうです。

この日、ラストランだったケーブルカー。ヴィンテージを使って、50年間走り続けたレトロな車両に懐かしさをプラスしました。撮影:コムロミホ先生

3)ズームで寄って大きなボケをつくる
AモードでF値を小さくすれば大きなボケがつくれると思っている方も多いでしょう。これは半分正解です。絞り以外にも大きなボケをつくる要素はあります。ズームで寄って、背景はできるだけ被写体から離しましょう。

特に重要なのは背景の距離です。背景が近いとボケないので、被写体だけでなく背景も意識しながら撮りましょう。

また、レンズごとに近づいてピントが合う最短の距離(最短撮影距離)が決まっています。それより近づくとピントが合わないので、ピントが合わないときは一歩離れて撮影してくださいね。

レンズに書かれた「●m/●ft-∞」という数値が最短撮影距離です。E-PL7のキットレンズM.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZは0.2m(0.66ft)まで寄ることができます。

4)明るさをコントロールして見せたい部分を強調する
葉っぱは光が当たると、明るめに撮影されてしまいます。マイナス補正をすると、葉のディテールが出てきます。また、木漏れ日が射したスポットライトが当たっている被写体を見つけたらシャッターチャンスです。マイナス補正してみましょう。すると、光の当たっているところだけが浮き上がりドラマチックに切り取ることができますよ。

木漏れ日がスポットライトのように当たっている葉っぱを撮影。葉っぱに日が当たると反射で白く飛びやすくなります。

木漏れ日がスポット光になって、葉っぱだけに光が当たっていました。露出をマイナスに補正すると、光が当たっているところだけを引き立てて撮影することができます。撮影:コムロミホ先生

5)青系で爽やかに、黄色系で懐かしく
ホワイトバランスを使うと、色を乗せることができます。色のイメージを利用して、写真をより印象づけましょう。また色温度指定(CWB)に設定すると、細かく色温度が設定できます。通常のホワイトバランスでは色が乗り過ぎと感じたら、色温度指定から設定するといいですよ。

見晴台の近くになると、辺りは静かで、木々から差し込む光が幻想的でした。ホワイトバランスの電球を選んで、全体的に青く、清々しさイメージに仕上げました。撮影:コムロミホ先生

6)ズームだけに頼らず、自分が動こう
山歩きのようなスナップ撮影は、自分が動くことで光の向きや背景が変わります。背景にするのは地面か?空か?、太陽に背を向けるのか?太陽に正面から向かうのか?色々な場所から撮って、自分の撮りたいイメージに合う撮影ポジションを探しましょう。

コマ参道の入口を広角側を使い近づいて撮影。パースがつきやすく、背景は広い範囲で写ります。
今度は望遠側で離れて撮影。目で見た印象に近い形に写り、背景も広角側で撮影したものに比べると狭い範囲で写ります。
たくさんのカラフルな駒がお店を彩っていました。奥行き感を出すために水平アングル気味にカメラを構えて、カラフルなコマが並ぶ様子を切り取りました。撮影:コムロミホ先生
同じ被写体でもカメラを構える角度で雰囲気が変わります。かわいい駒をコロコロとしたイメージになるように真上で撮りました。 撮影:コムロミホ先生

山歩き前にトレッキングシューズで記念撮影。
コマ参道の入口。焦点距離の写り方の違いを学びました。
コマ参道でお土産や食べ物などのスナップを楽しみました。
コムロ先生は参加者をまわり、撮りたいイメージに近づくためのアドバイスをしていました。
大山ケーブル駅から阿夫利神社駅までケーブルカーで登ります。
この日は50年間登山客を運び続けたケーブルカーの最終日。9月30日までケーブルカーの運航は休止し、2015年10月に新型大山ケーブルカーが運行するとのこと。「レトロなかわいい車両が撮れてよかったです」とコムロ先生。
空を広く撮影したいときは、トイフォトを使うことで空のグラデーションがキレイに出て、印象的な青空に仕上げることができます。撮影:コムロミホ先生

山歩きの基本を学んで楽しく登ろう

阿夫利神社駅を下車したら、ミズノアウトドアスクールの石原さんに山歩きの基本を教えていただきました。

山歩きの基本

1. 水分をこまめに取る
のどが乾いたと感じたときは、すでに体の水分が足りない状態です。意識的に水分を取りながら歩きましょう。登山は知らずに水分を失われるので、歩行時間にもよりますが、おおむね1〜2Lくらいの水分は用意したほうがよいそうです。

2. 歩幅は狭く、ゆっくりとしたペースで
一歩一歩地面に対してフラット着地するように歩きましょう。目安としては、歩幅は自分の足のサイズ〜肩幅程度。ペースは会話できるくらいです。

3. 靴紐を正しく締める
トレッキングシューズを履くときは、カカトをトントンして、シューズのカカト側をしっかり合わせます。シューズの両脇を押さえ、脚先から足首のいちばん上まで丁寧に靴紐を締めましょう。足が痛くない程度にしっかり締めることが大切です。

結び方はふつうの蝶結びから、さらに蝶の輪っか部分だけをもう1回通すと、歩いている途中でほどける心配が減ります(二重結び)。

足とシューズをしっかり固定することで、けがの予防や疲労の軽減につながります。

4)ザックは体に密着させると疲れにくい
ショルダーベルトを後ろ側に引き、背中とザックが密着するようにしっかり締めます。また、チェストストラップやウエストベルトもきちんと留めましょう。ザックを正しく背負うと、体の負担がかなり減り疲れにくさがかなり変わります。

ショルダーベルトを締めた状態のままザックを下すと肩を痛めることがあります。ショルダーベルトを緩めてから下ろしましょう。固定する部品の下の部分を上に引くと簡単に緩むそうです。

自分の手を使って丸ボケをつくる練習をしました。「近い被写体にピントを合わせ、背景に木漏れ日を持ってくるように撮ると簡単に丸ボケがつくれますよ」とコムロ先生。
大山阿夫利神社・下社(しもしゃ)。ケーブルカーから階段を上って登って行くことができます。この日はケーブルカー最後の日ということもあり、連休明けにも関わらず多くの登山客が来ていました。
大山阿夫利神社・下社(しもしゃ)から一望した景色。
ケーブル駅下車の売店広場から見晴台を目指して歩きます。
木漏れ日が射しているところを見つけてパチリ。
霧吹きの水を葉っぱに吹きかけ、水滴をつくるコムロ先生。「携帯用の霧吹きを持ってくると、“雫フォト”も楽しめるのでオススメです」とコムロ先生。
見晴台に着いたらお昼ごはん。青空と新緑に囲まれて食べたごはんは、格別でした。
復路はケーブルカーを使わず、女坂を下ります。「登りは肺に来て、下りは膝に来ます。肺は休憩すれば回復しますが、膝は痛めるとすぐ回復しないので慎重に一歩一歩踏みしめて歩いてください」と、ミズノの石原さんからアドバイスをいただきました。
下山途中にはケーブルカーの撮影スポットがありました。ケーブルカーが来るまでの間に構図や露出を決め、シャッターチャンスを逃さないようにします。
「左右対称の場所はシンメトリー構図がオススメですよ」とコムロ先生。
シンメトリー構図にすることによって、写真に安定感がプラスされます。またライトトーンを使うことで、爽やかなイメージに仕上がりました。撮影:コムロミホ先生
帰りのバスの中で、1人1枚作品を発表し、コムロ先生に講評してもらいました。
今回の取材では、オリンパスのアプリ「OLYMPUS Image Share(Oi.Share)」を使い、出発時にGPS情報の設定を行いました。

「OLYMPUS Image Share」で記録したログをカメラ側に取り込んで、付属ソフト「OLYMPUS Viewer 3」で見ると、自分の移動経路と撮影場所が確認できます。山歩きや旅行などにオススメの機能です。

参加者の方からは

「山好きの友だちと一緒に登ると、どんどん先に進んでしまうので全然撮れないのですが、今回は全員が写真好き。登るペースが同じなので、たくさん写真が撮れて大満足です」

「写真のことだけでなく、山歩きのコツまで教えていただき、一日でとても勉強になりました。山というとハードルが高いイメージがありましたが、今日教わったことを守り、また登りたいと思います」

と、大満足のご様子でした。

撮影:Sakuraさん。「女子だけでわいわい楽しく撮影できて楽しかったです。色々なレンズを試せたり、カメラの操作方法など教えてもらえたり、いつも新しい発見があります。今回は山登りも体験でき一石二鳥の撮影会でした」
撮影:tomocco.iさん。「新緑の美しい5月、晴天に恵まれた中での登山&撮影会は学ぶこと、発見が盛りだくさんの一日でした! 人数が6名ということもあって、コムロ先生にじっくりと教えてもらうことができました。また、登山の方もミズノの方より手厚いサポートとアドバイスをいただけたので、撮影を楽しみながら、快適に登山をすることができ、大充実の講座でした。普段なかなか教わることのないシチュエーションでの講座だったので、また機会があれば、ぜひ参加させていただきたいです」

撮影:にじうおさん。「登山は子どもの頃以来したことがなかったのですが、写真を撮りながらのゆったりとした行程で楽しかったです。お天気にも恵まれ、光や影を使って写真が撮れたのも楽しかったです」
撮影:菊池さん。「お気に入りのレンズ40-150mm F2.8 Proで撮りました。このレンズすご過ぎじゃないですか? 望遠は山歩きに重いかな? と思いましたが、楽しく散策しながら山歩きのことはミズノの方に、カメラの使い方はオリンパスの方に、写真のことはカメラマンのミホ先生にと手取り足取り教えていただける贅沢なイベントで、とても楽しい時間になりました」
撮影:ころんさん。「前に大山登山に来たときは山頂まで登るのに精一杯でしたが、今回は撮影が目的のツアーでカメラを通じてゆっくりと自然と向き合うことができ、また違った大山の魅力に気づくことができました」

最後にコムロ先生にお話を伺いました。

「季節の変化を感じながら楽しめるカメラ+山登り。通り過ぎてしまうような小さな被写体も辺りを見渡しながら歩くことで、意外な被写体に出会うことができます。皆さん、本当に被写体の見つけ方が上手で、同じ道を歩いていたはずなのに、それぞれの目線で被写体を切り取り、たくさんの素敵な写真を撮影してくれました」

撮影:コムロミホ先生。「ケーブルカーを降りると、“ラーメン”の幟が逆につけられて“ルーメソ”になっているお茶屋さんを発見。面白い被写体を見つけたら切り取りたくなるのもカメラの楽しさです」
撮影:コムロミホ先生。ちょこんと座っていたお地蔵さんがかわいらしかったので、ヴィンテージで優しい雰囲気にまとめました。

山歩きは、基本を守れば安全に楽しく撮影できます。今回のような中腹までケーブルカーで行ける山もたくさんあるので、この夏は山撮影に挑戦してみてはいかがでしょうか。

(2015/5/28)
加藤マキ子(ツナ☆カメラ)
1981年生まれ。写真編集者。カメラ書籍を手掛ける編集プロダクションで女性向けのカメラ雑誌や書籍を多数手掛ける。その後、実用書系編集プロダクションを経て、2013年に独立。『光と色の写真の教科書 〜ふんわりフォトもこっくりフォトも思いのまま〜』『まりこ先生が教える やさしい写真の教室』などの企画・編集を担当。ときに、撮影や執筆も手掛けることも。仕事が好きで、マグロのように止まらず常に全力疾走中!