2月号5週目として特別編を企画していたところ、シグマDP1が使えることになったので、さっそく撮ってみた。このDP1は、発表当初から気になっていたコンパクトカメラだ。なんと言っても多くのデジタル一眼レフカメラと同じAPS-Cサイズのイメージャを搭載したコンパクトカメラ。一眼レフを持ち歩くのは面倒、でもコンパクトでは画質が……と、思っている筆者にとって、ちょうどよい選択肢になる。
DP1のおおまかな仕様は、有効画素数約1,406万画素(2,652×1,768×3層)のAPS-CサイズFOVEON X3センサーを搭載、35mm判換算28mm、F4相当の単焦点レンズ、最大記録画素数2,640×1,760ピクセル(JPEG時)、ISO感度AUTO/100/200/400/800、バッテリーは専用リチウムイオン充電池(BP-31)、記録メディアはSDHC/SDメモリーカード、MMC、約23万ドット2.5型TFT液晶……など。
特徴は、先にあげたように、コンパクトカメラなのにAPS-Cのイメージャを搭載していること、さらに、そのイメージャが従来のベイヤー構造とは違い、R/G/B各層に重なったFOVEON X3というところだろう。28mm、F4、最短撮影距離30cm(フルモード時)のレンズについては、いろいろ意見もあるだろうが、用途としてはスナップが主と思われ、筆者的にはあまり気にならない部分だ。
カメラの設定は、上ブロックISO100/RAW、下ブロックはISO100/JPEGとISO200(室内)/RAW。JPEGに関してはホワイトバランスはすべて昼光色。RAWは現像後、JPEGに変換したものを掲載している。また、上ブロックの最下段左だけ現像時の最大解像度3,048×4,573ピクセルで保存、ほかの7枚は1,760×2,640ピクセルで保存、リサイズ無しで掲載した。下ブロックは、いつも通り1,696×2,544ピクセルに縮小したものと、オリジナルサイズが混じっている。JPEG画像は軽くトーンカーブを用いて、カラーバランスだけ合わせている。
今回、使用したアクセサリーは、ビューファインダー「VF-11」、専用フード+アダプター「HA-11」の2点。このビューファインダー、ご覧のように付けるとかっこいいのだが、価格が2万1,000円。ちょっと購入に躊躇する金額だ。
第一印象は、非常にシンプル。ゴチャゴチャした雰囲気もなく、あっさりしたデザインだ。AEロックボタンの位置もよく、今回はかなり多用した。MF用のダイヤルもこだわった感じがする。AFの速度は一眼レフのそれを期待するとイライラするが、コンパクトカメラだと思えばこんなもの。我慢できない範囲ではない。再生及び拡大表示はスムーズ。メニューの構成はわかりやすい。手動ポップアップ式の内蔵フラッシュの飛び出し方もGood。全体的に好印象だ。
さて、気になる書き込み速度であるが、JPEGに関しては問題なし。普通の感覚で撮影できる。RAWはデータ量が大きくなる分、書き込み中を示すアクセスランプが光っている時間が7秒ほどあるものの、次のシャッターを切れるのでイライラすることはなかった。もちろんバッファが一杯になるとどうにもならないが、このカメラの用途を考えれば、即写でバシバシシャッターを切ることは考えにくく(今回、バッファ・フルになることはなかった)、結果、さほど問題にはならないだろう。
バッテリーは200枚撮るか撮らないかで1メモリ減った。ただし、カメラからUSB経由でデータをPCへコピーしたり、2人で写真を見たりした時間も結構あったので、この点は考慮する必要がある。
RAWデータは1枚11,606KB。付属のSIGMA Photo Proを使って、筆者のあまり速くないPC(Xeon 2.8GHz Dual/Socket 603)でも、現像にかかる時間は1枚15秒程度と扱いやすい。ソフトウェアも画面キャプチャからわかるようになかなかよくできており、マニュアルいらず。非常にスムーズに作業可能だ。JPEGでも当てればかなりいい感じの色になるものの、露出やホワイトバランスの面で難しく(もしくは面倒!?)、RAWを中心に使いたいカメラと言えよう。いずれにしても一眼レフに匹敵する写りである事は間違いない。筆者としてはお気に入りの1台となりそうだ。
千織ちゃんは、随分前に撮影して以来のご無沙汰。彼女は過去何回も撮っているので、世間話で盛り上がりながらの撮影だった。今日から3月。シグマDP1を持って、散歩したり、花見、戻って現像……いろいろ楽しめるのではないだろうか。
actress 上原 千織@アウラ・エージェント
photographer 西川和久 SIGMA DP1
■ URL
シグマDP1関連記事リンク集
http://dc.watch.impress.co.jp/cda/compact/2008/02/05/7907.html
バックナンバー
http://dc.watch.impress.co.jp/cda/weekend_backnumber/
|
西川 和久 (にしかわ かずひさ)
1962年11月生まれ。もともとPC系のライター&プログラマーであったが、周辺機器としてデジカメを使い出してから8年。気が付くとグラビアカメラマンになっていたと言う特殊な経歴の持ち主。初めて使った一眼レフはCanon EOS DCS 1c。現在、dwango.jp(待受)のグラビアマガジン、着エロ系DVDのジャケ写などで活躍中!
http://www.iwh12.jp/blog/ |
2008/03/01 00:53
・記事の情報は執筆時または掲載時のものであり、現状では異なる可能性があります。
・記事の内容につき、個別にご回答することはいたしかねます。
・記事、写真、図表などの著作権は著作者に帰属します。無断転用・転載は著作権法違反となります。必要な場合はこのページ自身にリンクをお張りください。業務関係でご利用の場合は別途お問い合わせください。
|
|