3週目は全てISO400で撮っている。私服の方は、若干まだ日があったので、タングステンと太陽光がミックスとなり、少しカラーバランスがおかしいが、オートホワイトバランスも追尾せず、タングステンに固定して撮影した。水着の方はもともと一部を除き外光が入らない場所なので、肌色がカッチリ出ている。
この撮影の1週間後、同じスタジオで別件の撮影があった。使った機材はカメラ(ニコンD2X)とレンズ以外は同じ。15時頃までは天気もよく、自然光で撮影し、夕方以降はRIFAを使った照明に切り替えた。つまり、今回の撮影と何もかもが同じである。
普段あまりこのようなことはないので気にしていなかったが、さすがに1週間程度の間だといろいろ記憶に残っている。この時感じたのは、低価格帯の一眼レフと、それなりの価格になるメーカーの最上位機種とでは、雲泥の差があるということだ。昔と違って低価格帯とは言え、画素数や色、ボディーの完成度も向上し、もはやあまり差が無いのでは? と思われがちだが、実際同じ環境で撮ると驚くほど結果が違う。
まず第一にAFの精度。いつもこの連載用の撮影をしているとけっこうピントを外したカットがあり、下手になったのかな!? と不安になることもしばしば。しかしD2Xで撮ると問題なくピントが来る。もちろん慣れの問題もあるだろうが、そもそもの精度がかなり違うように思われる。これはKiss Digital Xだけではなく、最近使ったニコンD80やパナソニックDMC-L1も同様だ。
次に合焦の速度も差がある。たぶん、計るとごくわずかの差なのだろうが、撮影のテンポは倍近く違ってくる。筆者は普段かなり短時間で結構なカット数を撮り、仕事が速い! とスタッフからよく言われる。しかし、このクラスのカメラになると一気に時間がかかってしまい、疲労も増す。
最後は絵。どうも立体感が無く平面的な絵になりがちだ。同じカメラマンが同じセッティングで撮っているので、光の使い方に差は無いはず。基本的にイメージャなどは新しい物ほど技術が向上しているので、数年前のハイエンドより最近の低価格帯の方が素性は良いと思われるが、並べて見るとその差歴然だ。カラーチャートの比較だけではわからない何かがあるのだろう。
今回低価格帯のデジタル一眼レフに少し厳しい内容となってしまったが、そもそも価格差が数倍になる機種との比較。全く現実的ではなく、たまたま筆者がそれを何機種も比較できる環境にあるだけの話である。それより、これだけデジタル一眼レフを一般化した功績の方が、はるかに意味があるだろう。(つづく)
actress 村上愛里@D&L Promotion
photographer 西川和久 キヤノン EOS Kiss Digital X EF 24mm F2.8, EF 35mm F2, EF 50mm F1.4
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西川 和久 (にしかわ かずひさ)
1962年11月生まれ。もともとPC系のライター&プログラマーであったが、周辺機器としてデジカメを使い出してから8年。気が付くとグラビアカメラマンになっていたと言う特殊な経歴の持ち主。初めて使った一眼レフはCanon EOS DCS 1c。現在、いろメロ待受@DWANGOのグラビアマガジン、着エロ系DVDのジャケ写などで活躍中!
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2006/11/17 00:00
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