肌色や露出に関しては人それぞれ考え方があるだろう。筆者の場合、肌色に関してはこんな感じの濃いのが好だ。肌色なのか白なのか解らないような薄い感じは好きではない。多分、これはもともとキヤノン EOS DCS 1cや3c、D2000やD6000など、KodakのCCDを使ったカメラで初期に撮っていたからだと思われる。またデジタルカメラはオーバー目は絶対NGと思っているため、銀塩でよく行なわれる飛ばし気味の露出は絶対にしない。逆にアンダーに撮って後でトーンカーブで引っ張ることが多いほどだ。
更に顔自体に露出を合わすこともあまり好きではない。構図全体で露出を考え、顔が暗ければレフ板や照明で調整するタイプだ。写真集やDVDのパッケージの写真など、多くは写真1点勝負ではなく、組写真的な扱いになる。その時、全てのカットで顔に露出がバッチリ合っていると逆におかしな雰囲気となる。この連載でもそうしてはいるものの、基本的に全てを1人でやっていることもあり、残念ながら完璧には程遠く、できる範囲のことしかできないのが現状だ。
もちろんこれらの事は、人それぞれ考え方があるだろうし、強制するものでもない。従って、筆者が撮った写真を好きだとか嫌いだとか、上手いとか下手だとか、いろいろな意見が出て当然だと思う。ポートレートに限らず、100人中100人がOKという写真が存在しないのはこのためだろう。
今回、筆者としては痛恨の1枚が入っている。どれかお解かりになるだろうか? 実は右下1番下の膝をかかえているカットである。私服の時の靴下のゴム跡が写っているのだ。事前に気が付けば手で隠すなど方法はいろいろあるのだが、後になってから気が付いた。通常だと、ヘアメイクかスタイリストなどが「あっ!」と言ってくれるのだが、この現場では該当者は無し。一旦撮影が始まってしまうと、全体のバランスと露出、表情しかファインダー越しに見ていないので、こんなところには気が回らない。
「では他のカットを使えばいいのでは?」という意見があると思う。ごもっともだ。しかし、枚数的にこれ以外のポーズは無い。従ってどれを選んでも写っている。「何故他のポーズが無いの?」というのには理由がある。この光量だと、立ってしまうと光が届かない。光を考えると膝立ちが限度。とは言え、普通のグラビアであれば、まだまだ引き出しは一杯あるのだがここはデジカメWatch。過激なポーズやアングルは編集部から禁じ手とされている。となると、1週目とこの4週目のポーズが限界。加えて寄りか引きとなる。以後気を付けなければ。
actress 渡部由起子
photographer 西川和久 OLYMPUS E-300 ZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5, ED7-14mm F4.0, ED50mm F2.0 Macro
special thanks festasole
STUDIO CRUCE
■ URL
製品情報
http://www.olympus-esystem.jp/products/e300/
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西川 和久 (にしかわ かずひさ)
1962年11月生まれ。もともとPC系のライター&プログラマーであったが、周辺機としてデジカメを使い出してから8年。気が付くとグラビアカメラマンになっていたと言う特殊な経歴の持ち主。初めて使った一眼レフはCanon EOS DCS 1c。現在、いろメロ待受@DWANGOのグラビアマガジン、着エロ系DVDのジャケ写などで活躍中!
http://www.cfc.co.jp/knishika/index.html |
2005/03/25 00:30
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