トピック
動画・静止画の創作になぜ「クリエイターPC」が必要なのか?
省スペースと高性能を両立するミニタワー「DAIV」徹底検証
- 提供:
- 株式会社マウスコンピューター
2026年5月25日 07:00
クリエイター向けパソコンとして知られるマウスコンピューターの「DAIV」ブランドが、今年で誕生10周年を迎えた。
長年にわたり写真家や映像制作者に支持されてきた理由は、用途に合わせて構成パーツを選べるBTO(Build To Order)方式にある。
今回のレビューでは、ブランドの中でもコンパクトなミニタワーモデル「DAIV KM‑I5G6A」(NVIDIA Studio 認定PC)を検証機として使用。このモデルを軸に、「CPU+GPU構成」と「ワンランク上のCPUのみの構成」の違いも比較してみた。ただしBTOできる強みを生かし、メモリを標準構成の16GBから32GBにカスタマイズしている。
CPUの性能を重視するか、それともGPUを搭載して処理を加速させるか──。
パソコン購入時に多くのクリエイターが悩むこの選択に、実際の写真・動画編集の視点から答えを探っていこうと思う。
デスクトップのBTOパソコンを選ぶ理由
一般的な用途としてノートPCが主流の昨今、デスクトップパソコンは過去のものと思うかもしれない。
しかし、いくらノートPCが高性能化したとしても、デスクトップパソコンは常に“その上”を行く。
たとえCPUやGPUの型番が同じでも、電力や放熱に限界のあるノートPC用と、性能を出し切れる設計のデスクトップ用では、ベースとなるスペックが異なるためだ。
その上、マウスコンピューターのDAIVブランドのようなBTO(Build To Order:パーツを選んで注文できるカスタマイズPC)なら、CPUやメモリ、ストレージ、GPUなどを自由に組み合わせて、必要な性能を無駄なく備えたパソコンを用意できる。
とくに写真・動画編集では重要となる「GPU」を当たり前のように搭載できる点も、DAIVブランドの大きな魅力だろう。
今回取り上げるDAIV KM‑I5G6Aは、そうしたデスクトップの利点をコンパクトな筐体にまとめたミニタワー型のデスクトップパソコンだ。
最新のIntel Core Ultra 5プロセッサーにGeForce RTX 5060 Tiを組み合わせて、RAW現像から4K動画編集まで、日常的なクリエイティブワークを安定してこなす性能を備えている。
また、NVIDIA Studio認定により、Adobe系アプリの安定性やGPUアクセラレーションの効き方にも安心感があり、“作業が止まらない環境”を重視する写真家にとって有力な選択肢となる1台だ。
| OS | Windows 11 Home 64ビット | カスタマイズ可 |
| CPU | Intel Core Ultra 5 プロセッサー 225 | カスタマイズ不可 |
| グラフィックス | NVIDIA GeForce RTX 5060 Ti(8GB) | カスタマイズ不可 |
| メモリ標準容量 | 16GB(8GB×2 / デュアルチャネル) | カスタマイズ可 |
| M.2 SSD | 1TB(NVMe Gen4×4) | カスタマイズ可 |
クリエイターのためのパソコンはGPUで選ぶ
今回のレビューで使用しているDAIV KM-I5G6Aは、IntelのCPU「Core Ultra 5 225」と、NVIDIAのGPU「GeForce RTX 5060 Ti(8GB)」を搭載したモデルとなる。
CPUは最新世代に属するミドルレンジで、日常的な写真編集や一般的なクリエイティブ作業には十分な性能をもつ。
一方、RTX 5060 TiはこのCPUに対して余裕のある構成だが、そのぶん写真+動画編集の処理にゆとりが生まれる。RAW現像やレタッチをしっかり行い、4K動画編集も視野に入れるなら、この組み合わせは安心感がある。
DAIVブランドに関して触れておくと、CPUとGPUの組み合わせを幅広く選べるのが特徴だ。
写真・動画編集用としてカスタムするなら、先にGPUを決めると分かりやすい。もちろんCPUも重要だが、写真・動画編集ではGPUの影響がより大きいためだ。
たとえば、写真編集が中心なら「GeForce RTX 3050」、写真+動画編集でコストを抑えたいなら「GeForce RTX 5060」、写真も4K動画も快適に編集したいなら「GeForce RTX 5060 Ti(8GB)」以上、というイメージになる。
GPUを選べば、それに対してバランスの良いCPU構成が用意されているので、あとは予算で決めればよいだろう。
構成選びのポイントとして、もうひとつ重要なのがメモリ容量だ。
今回レビューしたDAIVはメモリースロットが2基のため、購入後の増設はできず「入れ替え」ることになる。したがって、必要な容量は購入時に選んでおきたい。
写真や動画編集を前提にするなら、BTOして32GBを搭載しておくべきだろう。
参考として、NVIDIAのGPU性能と特徴をまとめた表を掲載しておこう。比較のため、一部DAIVブランドでは選択できないモデルも含めている。
| GPU | 写真編集 | FHD動画編集 | 4K動画編集 | コメント |
|---|---|---|---|---|
| RTX 3050 | ○ 快適 | ○ 問題なし | △ 軽めの4Kのみ | 写真中心のライト構成 |
| RTX 5050 | ○ 快適 | ○ 問題なし | △ 軽めの4Kのみ | 3050と近いが最新世代の利点あり |
| RTX 5060 | ◎ 高速 | ◎ 快適 | ○〜◎ 標準的な4K編集に対応 | コスパ良好な最新世代 |
| RTX 5060 Ti | ◎ 高速 | ◎ 快適 | ◎ 4K編集が安定 | 写真+動画の“最適ライン” |
| RTX 5070 | ◎ 非常に高速 | ◎ 余裕あり | ◎ 重めの4Kも安定 | 動画編集比率が高い人向け |
| RTX 5070 Ti | ◎ 非常に高速 | ◎ 余裕あり | ◎〜★ 高負荷4Kも対応 | 4K編集を強く意識する構成 |
| RTX 5080 | ★ 圧倒的 | ★ 余裕 | ★ 4K〜8Kに対応 | プロ用途寄り。過剰な場面も |
| RTX 5090 | ★ 圧倒的 | ★ 圧倒的 | ★ 8K編集も視野 | 完全にプロ向け。一般用途では過剰 |
“冷える本体”が高性能を引き出す
CPUやGPUのスペック以上に重要な要素が、“熱くならない”ことだ。
写真や動画編集は負荷が高く、パソコン内部のあらゆるパーツが熱をもつ。
デジタル機器にとって熱は大敵で、処理速度の低下や、最悪の場合はフリーズや破損につながることもある。
つまり、高性能なパーツを搭載していても、冷却が追いつかなければ本来の性能を発揮できないということ。
その点、DAIVのケースはエアフローを考慮した設計になっており、底面から取り込んだ冷気を発熱しやすいGPUに直接当て、熱せられた空気を上面と背面から効率よく排出する構造になっている。
底面はほぼ全面が開口部で、水洗い可能な防塵フィルターを備えるなど、冷却性だけでなくメンテナンス性も高い。
また、レビュー中は気づかないほど静かに動作していた点も印象的だった。
負荷の高い処理を行っても、ケースの冷却効率が高いためファンが高回転になりにくく、動作音が抑えられている。
本体を足元に置いて作業していたこともあり、ノートPCのように耳元でファンが鳴ることがなく、作業に集中しやすかった。
インターフェース関連は下記の表のとおり。USB Type-Cの一部はThunderbolt 4規格に対応しており、40Gbpsの高速データ転送が可能だ。外部ストレージとの大容量データのやり取りもスムーズで、連写撮影による膨大なRAWデータや長時間の4K動画の転送でもストレスを感じにくい。
| 映像出力 | 背面:Thunderbolt 4×1 / DisplayPort×3 / HDMI×1 |
| USB Type-C | 背面:Thunderbolt 4×1 ※画面出力(CPU内蔵グラフィック)に対応 |
| 上面:USB 3.2 Gen 2 (10Gbps)×1 | |
| USB Type-A | 背面:USB 3.2 Gen 1 (5Gbps)×7 |
| 上面:USB 3.2 Gen 1 (5Gbps)×2 |
写真・動画編集ではCPUよりGPUが効く
今回のレビューでは、少し気になっていた比較を試みてみた。
「ミドルスペックのCPU+GPUの構成」(DAIV KM-I5G6A)と、「ワンランク上のCPUのみの構成」では、写真編集や動画編集の実作業でどれほど差が出るのか、という比較だ。
要するに、CPUにお金をかけるか、CPUのランクを落としてGPUを足すか、という悩ましい問題を解決するための検証といえる。
比較するパソコンは、CPUにIntel Core Ultra 7を搭載しているが、GPUは非搭載。メモリはDAIVの32GBに対して16GB、メモリとSSDの転送速度は同等となる。CPUのランクを上げてコストを削った、現実味のある構成だろう。
ちなみに、CPU単体の性能差は、各種ベンチマークを元にすると、ザックリとではあるが Core Ultra 7が1.5倍ほど速い。
つまり、GPUパワーを必要としない処理(Web閲覧や文書作成、Windowsの操作など)なら、Core Ultra 7 265のほうが快適に作業できるといえる。
しかし、写真編集や動画編集はGPUの影響が大きい作業が多く、CPU単体の性能差がそのまま体感差になるとは限らない。
実際にLightroom、Photoshop、Premiereでの処理を比較した結果が以下の表となる。
比較に使用した写真は2,600万画素(6,000×4,000ピクセル)のRAWデータで、複数回実行した結果の平均値としている。動画に関しては、4K60fpsのデータを使用。
Lightroomで比較
| 処理内容 | DAIV KM‑I5G6A | 比較用PC |
|---|---|---|
| 100枚書き出し | 51.33秒 | 98.74秒 |
| AIノイズ除去 | 6.81秒 | 189.91秒 |
| スーパー解像度 | 5.11秒 | 38.45秒 |
| RAWディテール | 2.87秒 | 6.54秒 |
Photoshopで比較
| 処理内容 | DAIV KM‑I5G6A | 比較用PC |
|---|---|---|
| AIノイズ除去 | 39.65秒 | 50.88秒 |
| AIシャープ | 40.56秒 | 36.33秒 |
| CameraRawフィルター(マスク/風景) | 37.70秒 | 49.04秒 |
| Camera Rawフィルター(ぼかしレンズ) | 11.62秒 | 12.75秒 |
Premiereで比較
| 処理内容 | DAIV KM‑I5G6A | 比較用PC |
|---|---|---|
| 4K60fps 10分の書き出し(H.264 / 高品質) | 5分42秒(342秒) | 18分44秒(1124秒) |
| ワープスタビライザー解析(10秒) | 26.29秒 | 57.47秒 |
| シーン編集の検出(120秒) | 44.87秒 | 97.58秒 |
| オブジェクトマスクの追尾(10秒) | 45.91秒 | 137.96秒 |
結果的には、やはり写真・動画編集においてGPUパワーは必要不可欠で、上位のCPUを下克上するだけの能力を秘めていることが分かった。
Photoshopでは一部の処理で Ultra 7(GPUなし)のほうが速い例もあるが、これは AI関連機能の多くがクラウド処理されるためで、GPUの有無による差が出にくいことが理由と考えられる。
一方、動画編集では傾向がより明確で、4K動画の書き出しや重いエフェクト処理ではGPU搭載モデルが2~3倍ほど速く終わることが多い。
そもそも、動画編集の処理は時間がかかるため、この「3倍の差」は体感として非常に大きく、GPUなし構成では明確に“待たされる”印象になる。
また、タイムライン操作の安定性にも大きな違いを感じた。
GPUなし構成では、エフェクトなしの状態なら再生はできるものの、再生ヘッドをドラッグしてシークするとコマ落ちやカクつきが発生し、操作感が重くなる。
対してGPUあり構成では、同じ条件でもコマ落ちやシーク時のカクつきは見られず、編集作業が安定して進められた。
動画編集に関しては、4Kを視野に入れるなら、GPUは絶対に搭載しておいた方がいい!
作業時間の短縮だけでなく、編集そのものの快適さが大きく変わるためだ。
この検証をとおして、写真編集や動画編集といったクリエイティブ用途では、CPU単体の性能よりもGPUの存在が作業効率を大きく左右することが改めて確認できた。
とくに「AIノイズ除去」や「スーパー解像度」、「Camera Rawフィルター」、「4K動画の書き出し」といった“重い処理”では、GPUの有無がそのまま待ち時間の差となって現れる。
もちろん、Web閲覧や文書作成といった軽い用途なら、より高性能なCPUを搭載した構成のほうが快適だ。しかし、実際に時間を奪われるのは、こうした重い処理が積み重なるクリエイティブ作業のほうだろう。
その意味で、ミドルクラスのCPUにしっかりとしたGPUを組み合わせた構成は、単なる“コスト削減の選択肢”ではなく、作業時間を短縮し、ストレスを減らすための現実的な最適解といえる。
CPUのランクを上げるか、GPUを搭載するか。
この悩ましい選択に対して、今回の結果はひとつの明確な答えを示している。
「写真・動画編集をするなら、まずGPUを搭載するべき」──それが今回の比較から導き出された、もっとも実用的な結論だ。
デスクトップパソコンで理想の環境を構築しよう
写真を趣味や仕事にしていると、どうしてもカメラ機材に投資しがちだ。
しかし、撮影したデータのバックアップや編集にはパソコンが不可欠であり、写真や動画の編集は“重い処理”になるため、これらを前提としたシステムを構築しておかないとストレスがたまる環境になってしまう。
要するに、使用目的に合わせたパソコンを選ぶことが重要だ。
たとえばカメラ機材の場合、撮影ジャンルによってレンズ構成が異なる。
ポートレート写真家なら背景が美しくぼけるレンズを選び、風景写真家なら広角から望遠までズームレンズを揃える。
飛行機を撮るなら超望遠レンズが中心になるし、鳥を撮るなら高速連写ができるカメラが欠かせない。
このように、カメラやレンズでは「目的に合わせた機材」を揃えるのが当たり前なのに、パソコン選びになると無頓着な人が多い。
とくにRAW現像やレタッチ、動画編集を行うなら、その目的に合わせた構成を選ぶべきだ。
パソコン関連は難しく感じるかもしれないが、カメラ機材も調べて覚えていったように、少し学べば十分理解できる。
ここまで読み進めている時点で、すでに自分に合ったパソコンを選ぶための知識は身についているはずだ。
その手段として有効なのが BTO(Build To Order)。
中でもDAIVブランド は歴史が長く、クリエイター向けパソコンとして高い認知度を誇る。
長年の経験に基づくノウハウが蓄積されており、効率の良いCPUとGPUの組み合わせや、相性の良いパーツ構成を熟知している。
さらに、ベースとなるCPU+GPU構成を選んだあとに、メモリやSSD容量の増設、バックアップ用SSDの追加、水冷クーラーの搭載など、用途に合わせたカスタマイズも容易だ。
自分の作業スタイルに合わせて最適な1台を作ることができる。
もしパソコンの買い替えを検討しているなら、DAIVブランドでデスクトップパソコンの魅力に触れてみてほしい。
高性能なデスクトップを中心に据えることで、編集作業の安定性や処理速度が大きく向上するはず。
一方で、モバイル環境は安価なノートパソコンやタブレットでも十分対応できるため、コストを抑えながら効率的な機材システムを構築できるだろう。
写真や動画制作に取り組んでいるのなら、これを機に、デスクトップパソコンの世界にも興味をもってもらえればと思う。















