トピック
時にはフィルターを"自作”してみる/角型フィルターを使って不思議な効果の写真を
安念余志子氏によるセミナー「桜の写真をランクアップ!プロ写真家が伝授するフィルターテクニック」より
2024年3月27日 12:00
インプレスが3月16日(土)に開催したセミナーイベント「インプレス桜フォト祭り2024」では、フィルターメーカーのH&Yがセミナーおよびブースを展開していた。
ブースでは角型システムKシリーズのGND(グラデーションND)フィルターをはじめ、フィルターホルダー、可変式ステップリング「REVORING」のほか書籍の割引販売も実施。3月から新しく取扱いを始めたSMDVブランドとコラボしたソフトボックス「Speedbox-Flip G」も展示していた。
また、会場ではH&Y製品を用いた写真作品を展示した「H&Yフィルターで描く 極上の風景写真展」を実施していた。CPLフィルター、GNDフィルターなどの実使用例を見ることができた。
この写真展は全国のソニーストアを巡回しており、直近では3月30日(土)~4月18日(木)までソニーストア名古屋で開催予定となっている。
イベント内で行われた風景写真家・安念余志子氏のセミナーでは、「桜の写真をランクアップ!プロ写真家が伝授するフィルターテクニック」と題して、フィルター効果の比較や作例の紹介、桜撮影のテクニックを紹介していた。
例えばフィルター使用/非使用の写真を提示し、それぞれの効果を解説。White Promist、CPL、NDなどを使った作例を紹介した。
「NDフィルターを使うときは、撮ろうと思っている場所のどこに動きがあるかをよく観察してみましょう。画面の中で動いているところと止まっているところが混在していると、面白い写真になります。使いどころが少しむずかしいのですが、センターGNDを使うと、画面の中で帯状に明るさを落とせるので、狙いがはっきりしている場合はとても便利です」
また、エアクッション(いわゆるプチプチ)を使った「自作ビネッター」も紹介。これを重ねて画面周辺に強いソフト効果をかけた作例を出し、セミナー会場を驚かせた。
自作ビネッターは角型フィルターシステムの「クイックリリース・マグネティックフィルターフレーム」に、エアクッションの中央を丸く切り抜いて貼り付けた簡易なものだ。
「フレームにプチプチを貼り付けることでビネット効果が得られます。同じものを複数重ねることで効果を強めることもできますよ。手作りでこういった一工夫ができるのもフィルターの面白いところです」
このほか、フィルターを使ったポートレートの作例を紹介。ここでは「Blackmist」や「White Promist」を使用している。
桜の撮影テクニックとしては「桜そのものよりも、背景がどのような色になるかに気を配る」ことがポイントだと話し、青空を背景に、桜吹雪が舞い上がる写真を紹介した。この作品では、PLフィルターを用いることで空の青さと花の色を強調している。
「時にはいつもと違った視点も面白い」という。地面に寝転がって曇り空を白1色の背景として使ってみる、水たまりの水面に写った桜に目を向けてみるなどの例を挙げた。
このほか「春の四重奏」として知られる富山県舟川の例を挙げ、開花予想の情報を取る重要性にも言及している。