特別企画

クリスマスに親子で楽しみたい!組み立て式デジカメ「Bigshot」

手回し充電もできるエコなカメラ

 約20個のパーツを自分で組み立てて完成させるDIYデジタルトイカメラ「Bigshotカメラ」が、今世界中で大人気なのをご存知だろうか?

発売は10月25日。価格は9,450円。

 Bigshotカメラは、「カメラから始まる教育体験」のためのツールとしてコロンビア大学のシュリー・ナイヤー教授が2009年から開発を開始し、今年(2013年)8月から北米で販売を始めた“撮影レンズを切り替えられる組み立てデジカメ”。日本ではイコニワークスが正規取扱店として直販サイトの「イコニガジェ」で今年10月から販売を開始し話題を集めている製品だ。

 画素数は300万画素。なんでも、回転式になっている3種類のレンズを切り替えることで撮影モードはノーマルのほか、パノラマやステレオ3D(アナグリフ)写真の3種類が楽しめるという。

 トイカメラとはいえ画像はUSBでパソコンに転送でき、LEDのストロボやタイマー機能もある。背面には1.4型LCDディスプレイを装備している。

 バッテリーは内蔵式のリチウムポリマー充電池。通常のUSBケーブルでの充電方法に加えて、なんと! うっかり電池が切れてしまっても手回し発電機も装備しているので、その場で発電して撮影ができるというDIYでエコな優れものだ。

 対象年齢は“8歳から108歳まで”と、もの凄く幅が広い。

 各パーツを、カッターナイフや接着剤などを使う作業をせず、ギアを組み合わせたりネジを締めたりといった簡単な作業で組み上げられるので、対象年齢が8歳という子どもからというのもうなずける。

 デジタルカメラの仕組みや機能を学びながら、自分だけのカメラを組み立てることができるとあって、子どもはもちろん大人もワクワクすること受け合い。

 親子でも、女性でも、老若男女が楽しめそうなDIYデジタルトイカメラのキットなのだ。

 さて、そんな組み立てから楽しめるBigshotカメラが我が家にやってきた!! ということで、さっそく我が家の次男坊(小5、10歳)と一緒に作ってみることにした。

いざ組み立て!

 部品は幅約35×奥行き約26×高さ約5cmの箱に収められており、フタを開けると取扱説明書と個々のパーツの形にくり抜かれた発泡スチロールにパーツが整然と収められている。開けた箱のフタ内側には、収められたパーツの図解が収納されたレイアウトと同じ配置で記載されている。

パッケージ。
パーツが分かりやすく入っている。

 まずは、箱からパーツが収納されている本体を取り出す。透明なビニールでラッピングされているので、箱の中身が飛び出さないように纏っているビニールを慎重に剥がした。

 「組み立て方説明書」は英語版と日本語版の2種類入っており、カラー版の小さい方が英語版。モノクロのA4サイズの方が日本語版だ。

日本語の説明書も付属。

 組み立てる前に注意書きを子どもと一緒に読み上げてから作業を開始!

 同梱されている日本語版の説明書だと、解説の写真が一部縮小されているため、パーツの向きが少々わかりづらい箇所や、英語版では色の付いた矢印や色分けされたポイントとなる箇所を囲んだ印などが若干見えづらい。カラー印刷の英語版の写真と照らし合わせながら作業を進めると良いだろう。

 ちなみに、イコニガジェのサイトに日本語版の組み立て方のPDFがカラー版でダウンロードできるので、それを用意してから組み立てるのも良いだろう。

 ◇           ◇

 さて、いよいよ組み立て。まず最初はギアの組み立てと取り付けだ。次に発電モーターの取り付け、ハンドクランクの取り付けと続く。

最初に発電機部分を組み立てる。

 途中、ネジでパーツを固定する作業がいくつかあるが、ネジを回すためのドライバーが同梱されているので、それを使えばOKだ。あらかじめ工具などを用意する必要はない。

 ただ、ネジを入れる穴がプラスチックで、ネジ山が切られていないのでネジが入りにくいことと、締め付けすぎるとパーツが割れてしまう恐れもあるので、締め付けすぎには十分注意が必要だ。

 子どもが組み立てる際は、意外にネジの締め付けがあまかったり、逆に締め付けすぎたりの微妙なサジ加減もあるので、その点を注意しながら、最後は大人がしっかりチェックした方が良さそうだ。

ネジの締め付けは注意して行なおう。

 そしてバッテリーや発電モーターなどの電気コードを結線する。コネクターになっているので取り付けは簡単だが、コードを収納するスペースが狭いので、その辺も大人が注意して見てあげた方が良いだろう。

電気コードの接続はコネクター式。

 レンズ部は回転式になっているが、その回転するレンズホイールの取り付けにスプリングを用いるので、誤ってスプリングを飛ばして無くさないよう(よくありがち)に注意しよう。

レンズ部分の組み立て。

 今回は子どもにいろいろ教えながら子どもに組み立てをさせ、同時に作業手順などの状況写真などを撮影しながらという作業だったので、若干時間がかかってしまったが、それでも組み立て作業時間は開始からちょうど1時間という感じだった。作業が早い人なら30分くらいで組み立ててしまうだろう。

――と言うことで、作業は手順通り淡々と進んで、最後にストラップを付けて完成!!

 息子に組み立ての感想を聞くと、「ネジとかはちょっと難しかったけど、パーツをはめるのは簡単で楽しかった。」とのこと。ただし、「1人じゃ無理!」とも(笑)。

 まあ、説明書の漢字など、小学生ではまだ習っていない漢字があるので、仕方がないというところだが、しかし製品を組み上げて完成させる楽しみと、しかもそれが自分のモノになるという図工などの創作で作るモノづくりとは違う喜びがあるようだ。

 とりあえず、発電器のハンドルクランクが回るかを確認し、付属のUSBケーブルでパソコンとつないで充電し、一連の組み立て作業は終了した。

クランクの動作を確認。

どういったカメラなのか?

 では、撮影に出かける前にカメラの概要の説明を。

カメラの正面にはレンズホイールが付いていて、回転させることで「ノーマル」、「パノラマ」、「3D(アナグリフ)」の3種類のレンズから撮影モードを選択でき、撮影シーンに応じ切り替えて撮影ができる。

ノーマルレンズにセットしたところ。
パノラマレンズにセットしたところ。
3D(アナグリフ)レンズに設定したところ。

 3Dは、赤と青の2色のメガネを通して見ると立体に見える写真になる。アナグリフ写真への加工は専用ソフトをダウンロードしてパソコンで変換する。

3Dメガネも同梱されている。

 以下は同じ場所で撮影した比較写真だ。

ノーマル(水平画角約40度)。
パノラマ(水平画角約80度)。

 3Dは元データではステレオ写真状態だが、ソフトで加工後は縦長の写真に統合される。

3D(撮影後の元データ)。
右の写真をソフトでアナグリフに加工したもの。

 レンズホイールは上下に分かれていて、上部はビューファインダー用、下部は撮影用のレンズだ。

レンズホイール中央部はLEDストロボになっている。

 ボディ正面に向かって左側には、手動発電用のハンドクランクが付いている。出先で充電が切れた場合やUSB接続での充電ができない場合などでもハンドルクランクを回すことで充電が可能だ。

 右側にはハンドストラップとUSB端子。カメラ本体はプラスチックでできているため、落下などで壊れてしまうことがあるかもしれない。また、トイカメラとはいえ、液晶モニターや電子機器の基板、発電用モーター、各種ギアなどが入った精密機器でもあるので、持ち歩きや撮影の際などは、必ずハンドストラップを使用して扱うようにしたい。

USB端子。USBケーブルも同梱されている。

 ボディ上部にはモードダイヤルとシャッターボタンがある。

上部のレイアウト。

 モードダイヤルは、電源「OFF」、周囲の明るさに応じて暗いところでLEDストロボが自動的に発光する「AUTO」、「ストロボ強制発光」、「ストロボOFF」、シャッターボタンを押した10秒後に撮影する「タイマーモード」、そして「再生モード」の6つの機能が付いている。

モードダイヤル。

 レンズ上部に「R」と表示されているが、レンズの撮影モードがノーマルは「R」、パノラマは「P」、3D(アナグリフ)では「S」と、上部からでもどのレンズ撮影モードになっているか確認が可能だ。

 撮影できる画像サイズは約300万画素(2,045×1,536ピクセル)で、内蔵メモリーに約120枚記録できる

 背面はスケルトンになっていて、内部の構造が見える。向かって左側に1.4型液晶モニターがあり、液晶モニターの上部にはビューファインダーがついていて、液晶モニターでもビューファインダーでも撮影が可能だ。

向かって右側上部にパワーインジケーターも付いている。

 ボディ底面には三脚を取り付けるネジ穴が付いているので、三脚を使用したカメラを固定した撮影や「タイマーモード」でセルフ撮影撮影なども可能だ。

トイカメラながら三脚穴付き!

撮影に出発! どんな写真が撮れるのか??

 さあ、充電も完了したので、いざ撮影に出発! ということで、とりあえず息子にカメラを託し、作例写真を撮影させることに(笑)。

 子どもの目線というのは大人には無い感覚があるので、とにかくバンバンシャッターを押させたのが以下の写真だ。

ノーマルレンズで撮影

パノラマレンズで撮影

3Dレンズで撮影

 息子の感想は、「撮影モードとか操作がカンタンなので撮影していて楽しい! 3Dはホントに立体に見えておもしろい」とのコメントでした。

 まあ、息子の作例だけでもイイところなのですが、オヤジが仕事した感がないので、一応作例写真を以下に……(特に息子と張り合うというような大人げない意識ではありませんよ!)。

ノーマルレンズで撮影

パノラマレンズで撮影

 このカメラは露出補正や撮影時の細かい設定はできないが、きっちりと構図を決めればピント合わせ不要のパンフォーカスなので、動く被写体でも明るい日中なら、瞬時にカメラを向け動きを止めて撮影が可能だ。

 また、息子の写真を見て気が付いたことは、カメラを向けた方に太陽の光が入ったり、被写体が強い光を受け明るすぎる場合は、オーバー気味になる。一方、暗い撮影環境や被写体などは思っていた以上にしっかり写っていることがわかった。

条件によっては露出オーバーに写る場合もある。

 暗い環境での撮影モードの違いによる写り方の違いも比較してみた。

 撮影モードを「AUTO」にすると、ストロボが自動発光する設定になっていて、「ストロボ強制発光」と同様、LEDストロボが発光される。「ストロボOFF」では、撮影環境の周囲の明るさで自然な雰囲気で撮ることができた。

AUTO(ストロボ発光)
ストロボ強制発光
ストロボOFF

 考えられるのはLEDストロボはかなり強烈な光を発するが、使用時はシャッター速度が速くなり周囲の明るさを取り込めない感じだ。また「ストロボOFF」では、シャッター速度が遅くなるような自動設定になると思われる、手ブレや被写体ブレに注意が必要だ。

 さらに注意点として、説明書の注意書きにもあるが、LEDストロボは光が強烈なので、至近距離で直視すると目を痛める危険性がある。そのため人物撮影では被写体から1m以上離れて撮影するようにしないといけないのでご注意を。

 またビューファインダーでの撮影時は、ビューファインダーの位置と撮影するレンズの位置がずれているので、撮影するレンズに邪魔なモノが入らないようにすること。特に子どもの目線では、手すりなどが撮影レンズにかかってしまうことがあるので注意!。背面の液晶モニターを活用しての撮影や、撮影後の確認も忘れずにしておきたい。

手すりや自分の体が写ってしまった失敗例。

 それからレンズが回転式なので、ロック位置からずれているとケラレるので注意しよう。

レンズがずれていたために起きたケラレ。

大人も楽しめる!

 「Bigshotカメラ」は、自分で作るトイカメラなので、特に工作が大好きな子ども達や、もちろんDIY好きの大人もカメラを作るところから楽しめるのが魅力。

 自分で露出の制御やピント合わせなどはできないトイカメラなので、普通のデジカメのように思い描いたイメージを撮るという感覚ではなく、こんな風に撮れるんだとか、こんな感じで撮れた、なんかおもしろい写真が撮れたなどといった、その時に撮れた写真を“ゆるふわ”な感覚で、子どもでも大人でもいろいろ楽しめるカメラだ。

 ちょうど、この記事がアップされる時期的にはクリスマス直前。ぜひ、お子さんのクリスマスプレゼントにして、お子さんと一緒に組み立てから撮影まで楽しんでみてはいかがでしょうか。きっと、喜ぶと思いますよ!

 さらにBigshotカメラのもうひとつの取り組みとして、ライセンサーであるKimera LLCにより、売り上げの一部が貧しい国の子どもたちへの寄付されているとのこと。そういう意味でも応援したい製品だ。

(協力:西村春映くん)