気になるデジカメ長期リアルタイムレポート
PENTAX Q10【第4回】
Q10 vs Qの兄妹対決――ISO感度編
(2012/12/20 00:00)
今回は「PENTAX Q10」を購入しようとしている方も、「PENTAX Q」をお持ちの方も気になっているでしょうQ10とQのISO感度についてレポートしたいと思います。
まずISO感度に関わるスペックについてQ10とQの違いをおさらいしてみると、両機共に1/2.3型裏面照射型CMOSイメージセンサーを採用していますが、Q10はセンサーが新型であると言うこと、そして最低感度がISO125からISO100になったことが上げられます。ここで注目したいのはやっぱり新型センサーの実力の程ですね。高感度性能と解像感、描写力の向上に期待したいものです。
そこを踏まえてさっそく同条件で撮り比べてみましょう。ピントは左手前のキャンドルの陶器上部になります。レンズは「01 STANDARD PRIME」を使用しました。
- 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像をダウンロード後、800×600ピクセル前後の縮小画像を表示します。その後、クリックした箇所をピクセル等倍で表示します。
- ISO感度別作例のみ、サムネイルはオリジナル画像を等倍で切り出したものです。
両機ともISO400までは問題のない画像となっていますが、ISO500でキャンドルの陶器部分にざらつきが見えてきました。でもまだあら探し程度のノイズです。ISO800では画像全体にうっすらとノイズが乗ってきました。ISO1000ではQはノイズが目立ってきましたが、Q10はまだ滑らかさを保っています。ISO1250では両機共に等倍にするとかなりノイズが出てしまいますが、2Lサイズ程度での観賞でしたら大きな問題はないでしょう。ISO1600以上は写っていればOKというシチュエーションで使うくらいノイジーになってしまいました。
今回の結果ではQ10とQのボーダーラインはISO1000となりました。Qはノイズという池に片足が入ってしまいましたがQ10はぎりぎりのところで止まっている……ISO1000の比較を言い表すとそんな感じでしょうか。もちろん撮影条件によってそのボーダーラインは多少前後すると思いますが。
実はそれ以上に気になったのがホワイトバランスでした。以前白バックでピンク色の花を撮影した時も思ったのですが、オートホワイトバランス(AWB)で撮影した場合、Q10のほうがQよりも温か味のある色になるのです。
試しにCTE(夕日などの色成分を強調して撮影できるホワイトバランス調整モード)でも撮影してみると、QはAWBの白っぽい色から赤味がかった色になりQ10は更に赤味が増しました。つまり温かい色順に並べると「Q10:CTE」「Q:CTE」「Q10:AWB」「Q:AWB」となります。キャンドルの光源が赤っぽいことから見た目に近い色で描き出してくれる「Q10:AWB」がホワイトバランスとしては適正に近く、筆者が個人的に好きな色合いでした。今回はISO感度に関してのテストだったので、これ以上はまた次の機会に検証してみたいと思います。
ISO感度についてに戻りますが、総評すると今回はQ10とQの間に大きな違いは見られませんでしたが、1/2.3型のセンサーサイズでISO1000まで常用感度として使用できるのでしたら必要十分な仕様だと言えるでしょう。
Qに関しても決して高感度画質が悪い訳ではないので、そこだけを見れば少しでも性能のいい最新をという方はQ10を、微々たる差であれば感度は気にしないという方はQを選択する手もあるでしょう。ですが、Q10のメリットとしてはISO100があること。こちらも微々たる差になってしまいますが、好条件での撮影ではISO100での撮影が功を奏することもあるので、自分の撮影スタイルと相談しつつ、大いに悩んでみてください(笑)。