Leofoto FIELD REPORT 三脚のある美しい写真
ギア駆動のセンターポールと雲台でモデルの表情に迫る
河野英喜さんのこだわりが詰まったカスタム三脚「LM-404CL+GC-404C+G4」
2023年8月19日 07:00
ポートレート写真家の河野英喜さんが、半年前に導入したのがレオフォトの三脚システムだ。商業撮影において三脚に求める機能を突き詰めた結果、導入した機材は三脚「LM-404CL」、センターポール「GC-404C」、雲台「G4」の組み合わせ。構図を柔軟かつシビアに決められるシステムが、ポートレート撮影の現場でいかに役立っているのかをレポートしてもらう。
島根県浜田市出身。中学から人物写真を撮り始め、プロとしての撮影活動は今年で30年となる。タレントの写真集・書籍を多数手掛ける。故郷の島根で郷土芸能をテーマにしたシリーズ作品を撮り続けている。
※本企画は『デジタルカメラマガジン2023年9月号』より転載・加筆したものです。
攻めと守りの構図でモデルの表情を引き出す
ISO感度を自由に増減できる昨今、ポートレート撮影で三脚を使わないユーザーは意外に多い。筆者もワークショップの講師など撮影の仕事以外で三脚を使うシーンは少ないが、広告や表紙など本業の商業撮影では、ほぼすべてのシーンで三脚を使用している。水平・垂直の維持や構図、アングルの安定など仕事では欠かせない大切な機材の1つだ。
今まで30年アルミ製の三脚を使用してきたが、ポートレートの表現を広げるためと、この1本で今後すべての撮影を行いたいという期待も込めてレオフォトのLM-404CL+GC-404C+G4に移行した。すでに半年近く使用しているがとても快適で満足している。
導入に際し筆者の求めた要望は、①2m以上の全伸長、②しっかりとした40mm径のパイプ、③ズレ知らずのギア式センターポール、④緻密な構図決定から自由度の高い撮影まで可能なギア雲台の4つ。
要望は明確だったが、バリエーション豊かなレオフォトのどのシリーズを組み合わせたら良いのか迷った末に、メーカーに相談してコーディネートしてもらった。製品を知り尽くしたスタッフによるコーディネートは素晴らしく、適度な締め付けでしっかりと止まる脚部LM-404CLのジョイントは、一度決めた高さを狂わせない。
LM-404CLに組み合わせているのは、ギア駆動で高さ調整が可能なセンターポールGC-404Cだ。GC-404Cは撮影中にカメラから目を離して撮影を止めることなく、片手で高さの微調整を完璧な状態へと導く。
驚いたのは初めて使うギア雲台の多機能ぶりと精度の高さだった。「止めたいところでスッと止まる」これが雲台の基本性能でもあり、最も難しい要素だと思う。精度の甘い雲台は最後の一締めでわずかに雲台の角度が変わる。これを嫌って今まで同じ三脚を使い続けたが、微調整のごくわずかな加減という部分ではもう1つだった。
初めて使ったギア雲台G4での狙った角度で吸い付くような止まり方は感動もので、極めて微妙な角度調整や固定が可能だ。締め付けレバーをフリーにすると、全方向にモデルの動きに合わせて自由な角度にカメラを向けることも傾けることもでき、まるで手持ち撮影をしているような錯覚に陥る。
三脚本来の固定させる「守り」の機能に加えて、自由に振れる「攻め」に転じた使い方を得ることができた。今後の撮影でレオフォト三脚を相棒に攻めと守りの両輪で、モデルの素敵な顔や豊かな表情を追い続けていきたい。
制作協力:株式会社ワイドトレード