ケンコー・トキナー「フリップキャップ」

~ワンタッチで開く新発想のレンズキャップ

ソニーNEX-7にフリップキャップと着せ替えパネル「ストライプ(ライトブルー)」を装着したところ

 カメラのレンズキャップは、撮影のたびに外したり付けたりしなければならず面倒な存在だ。とはいえ、付けていないとレンズが汚れたり傷を付けてしまうこともあるかもしれない。

 そんなレンズキャップの問題を解決するユニークな製品が、ケンコー・トキナーから登場した「フリップキャップ」だ。これは、キャップがヒンジによる扉式になっており、撮影したいときにワンタッチで開く仕組み。閉じるときも扉を戻すだけと簡単だ。同社によると構想5年、開発に2年掛かったという力作とのこと。

撮影時はワンタッチでキャップが下に開く

 一般的なレンズキャップは外した後の置き場に困るもの。落としたり、そのまま無くしたという人の話もよく聞く。カメラやストラップと紐でつないでおく方法もあるが、撮影中にブラブラさせておくのも落ち着かない。フリップキャップはこうした問題も一挙に解決できるアイテムと言えそうだ。

フリップキャップ。キャップ本体と着せ替えパネル1枚がセットになっている。こちらは58mm用同49mm用。着せ替えパネルのバリエーションは58mm用と同一

 このフリップキャップがさらにユニークなのは扉の構造だけで無く、「着せ替えパネル」によってさまざまなデザインのキャップとして楽しめる点にもある。

 別売の着せ替えパネルは8種類あり、キャップ本体にはめ込むだけで簡単に装着できる。着せ替えパネルのラインナップはラインストーンを配したものなど女性を意識したものが多い。

 ところで昨今、女性ユーザーの中には、既存のレンズキャップにオリジナルの装飾を施すことも人気のようだ。カメラメーカーでもデコレーション向けに無地のレンズキャップをラインナップするほどである。

別売の着せ替えパネルは8種類ある(49mm用も同じ)

 そうしたことを受けてか、フリップキャップの着せ替えパネルにも黒無地の「DIYパネル」を用意している。デコレーション以外にもシールを貼ったり文字を書いたりと色々楽しめそうだ。DIYパネルでいろいろなデコレーションを用意しておいて、その日の気分で付け替えることも簡単だ。

 フリップキャップは、フィルター径49mmと58mmのレンズに直接装着できる。ミラーレスカメラのレンズでももちろん使用可能なほか、レンズ一体型デジタルカメラでも対応するフィルター枠があれば使用可能だ。対応径以外のレンズではステップアップリングを組み合わせて使用することができる。

キャップ本体開いたところ。着せ替えパネルは3本の爪で取り付ける
レンズへの取り付け部分は2重になっており360度回転する。実はPLフィルターの機構を応用したものだボタン部分。そのまま閉じればロックされる

 実際に使用してみると確かにワンプッシュでキャップが開くのですぐに撮影に移れた。撮影後にすぐ閉じることができ、移動中も勝手に開いたりすることは無かった。フリップキャップのボタンとヒンジの部分が少し外側に出ているので、やや携行時の嵩が増えるのは仕方ないが、キャップのベース部分はレンズフードの役割も多少果たすとのことなので、一石二鳥といえそうだ。

着せ替えパネル「ハート」の装着例同「スピン(ブリリアントブラック)」
シグマDP2 Merrillに「フローラルを装着したところ。同カメラのフィルター径は49mmのため問題なく使用できる「DIYパネル」を装着。素の状態ではDP2 Merrillのボディと比較的質感が近い。デコレーション無しで使用するのも手だ

 フリップキャップで注意したいのは、キャップ本体に厚みがあるために「一部広角レンズではケラレが発生する場合がある」(同社)ということ。ケンコー・トキナーによれば、ソニーEマウントレンズのうち焦点距離20mm以下でケラレが生じることを確認しているという。今回ソニーの「E18-55mm F3.5-5.6 OSS」で試したところ、広角端付近ではケラレが生じた。

 ドシッと構えて1枚を狙うという場合はともかく、旅行のように撮っては移動し、撮っては移動しを繰り返すような場合は便利なアイテムだと感じた。今のところキャップ本体とDIYパネルがブラックのみなので、いろいろな色が出てくるとさらにおもしろくなるのでは無いだろうか。

 腕に覚えがある人は、オリジナリティあふれる装飾にもチャレンジしてみては?

扉を上方に開くとほぼ任意の位置で止めることができた。簡易なハレ切りに使えそうだ





本誌:武石修

2012/10/11 00:00